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「論語と算盤」を写経する

はじめに

こんにちは。株式会社リーサの代表をしております高城(たかぎ)です。

普段は某API専門会社のCTOをつとめたり、某上場企業の技術顧問をしたり、某大学で教鞭をとったりしていますが、自分が作った会社である株式会社リーサの本店を念願の岡崎市に2021年7月移転したことの記念に、渋沢栄一先生の「論語と算盤」を写経し、解釈してみようと思いたちました。

昨今のコロナ禍で世間は三密をさけるだのリモートワークだのデジタル化だのと騒いでいますが、いまから約180年前にお生まれになった渋沢栄一先生の著書「論語と算盤」を題材に新たな時代を生き抜くための普遍的な考え方を学びたいと思います。

この著書を手に取った時、代表的なアジア哲学の一つである「論語」とヨーロッパの経済をあらわす「算盤」のどちらかに偏るのでなく、融合して考えることの重要性を説いていらっしゃるのかなと勝手に想像しました。

ぼくたちはいまコロナの渦中をぬけられず、課題山積で閉塞感のある現代社会のしくみに限界を感じていて、過去を捨てて新しい時代を歩まなければならないと感じていると思います。このような時代に「論語と算盤」のような教えがあるなら、ぼくたちが進むべき道を示す大きな指針となるのではと期待するのであります。

また、岡崎出身の徳川家康公が江戸幕府を開く際に拠り所とした「論語」についての渋沢先生の正当な解釈に興味を持ったこともこれを写経して公開しようと思った理由です。

2021年春現在渋沢栄一の「論語と算盤」の現代訳や関連本は書店に大量に並び繁栄をみていますが、オリジナルの書籍は大正5年(西暦1916年)に刊行されたのち著者である渋沢栄一先生が死去した1931年11月から死後70年以上がすぎており、国会図書館でも著作権フリーで公開されています。

そのため、このシリーズではなるべく数日に一節づつ「論語と算盤」を写経していきながら、自分の解釈をはさみつつ青空文庫として著作権フリーで広く公開していこうと思っています。

写経スケジュール

2021/07/12 「論語と算盤」を写経してみる
2021/07/13 凡例
2021/07/16 格言五則
①処世と信条
2021/07/18 ①処世と信条: 1.論語と算盤は甚だ遠くして甚だ近いもの
2021/07/18 ①処世と信条: 2.士魂商才
2021/07/19 ①処世と信条: 3.天は人を罰せず
2021/07/21 ①処世と信条: 4.人物の観察法
2021/07/23 ①処世と信条: 5.論語は万人共通の実用的教訓
2021/07/23 ①処世と信条: 6.時期を待つの要あり
2021/07/24 ①処世と信条: 7.人は平等なるべし
2021/07/24 ①処世と信条: 8.争いの可否
2021/07/31 ①処世と信条: 9.大丈夫の試金石
2021/07/31 ①処世と信条: 10.蟹穴主義が肝要
2021/07/31 ①処世と信条: 11.得意時代と失意時代
②立志と学問
2021/10/29 ②立志と学問: 1.精神老衰の予防法
2021/10/30 ②立志と学問: 2.現在に働け
2021/10/30 ②立志と学問: 3.大正維新の覚悟
2021/10/30 ②立志と学問: 4.秀吉の長所と短所
2021/10/30 ②立志と学問: 5.自ら箸を取れ
2021/11/01 ②立志と学問: 6.大立志と小立志との調和
2021/11/01 ②立志と学問: 7.君子の争いたれ
2021/11/05 ②立志と学問: 8.社会と学問との関係
2021/11/05 ②立志と学問: 9.勇猛心の養成法
2021/11/05 ②立志と学問: 10.一生涯に歩むべき道
③常識と習慣
2021/11/08 ③常識と習慣: 1.常識とは如何なるものか
2021/11/10 ③常識と習慣: 2.口は禍福の門なり
2021/11/16 ③常識と習慣: 3.悪んでその美を知れ
2021/11/18 ③常識と習慣: 4.習慣の感染性と伝播力
2021/11/20 ③常識と習慣: 5.偉き人と完き人
2021/11/24 ③常識と習慣: 6.親切らしき不親切
2021/11/29 ③常識と習慣: 7.何をか真才真智という
2021/11/30 ③常識と習慣: 8.動機と結果
2021/12/22 ③常識と習慣: 9.人生は努力にあり
2021/12/22 ③常識と習慣: 10.正につき邪に遠ざかるの道
④仁義と富貴
2021/12/30 ④仁義と富貴: 1.真正の利殖法
2021/12/30 ④仁義と富貴: 2.効力の有無はその人にあり
2021/12/30 ④仁義と富貴: 3.孔夫子の貨殖富貴観
2022/01/01 ④仁義と富貴: 4.防貧の第一要義
2022/01/01 ④仁義と富貴: 5.罪は金銭にあらず
2022/01/01 ④仁義と富貴: 6.金力悪用の実例
2022/01/03 ④仁義と富貴: 7.義理合一の信念を確立せよ
2022/01/03 ④仁義と富貴: 8.富豪と徳義上の義務
2022/01/03 ④仁義と富貴: 9.よく集めよく散ぜよ
⑤理想と迷信
2022/01/10 ⑤理想と迷信: 1.道理ある希望を持て
2022/01/10 ⑤理想と迷信: 2.この熱誠を要す
2022/01/15 ⑤理想と迷信: 3.道徳は進化すべきか
2022/01/15 ⑤理想と迷信: 4.かくのごとき矛盾を根絶すべし
2022/01/15 ⑤理想と迷信: 5.人生観の両面
2022/01/15 ⑤理想と迷信: 6.これは果たして絶望か
2022/01/16 ⑤理想と迷信: 7.日新なるを要す
2022/01/16 ⑤理想と迷信: 8.修験者の失敗
2022/01/16 ⑤理想と迷信: 9.真正なる文明
2022/01/16 ⑤理想と迷信: 10.発展の一大要素
2022/01/16 ⑤理想と迷信: 11.廓清の急務なる所以

2023年の写経スケジュール

2021年春に立てた計画から早2年以上たち、もう2023年も終わりに近づいていますが、私も会社を故郷の岐阜県大垣市に移転し、個人的には2回目の結婚もして幸せに生活しています。

大垣市にはソフトピアジャパンというインキュベーション施設があり、こちらに入居させていただいて仕事をしていますが、コロナを経て東京の仕事もリモートでこなすことが可能になり、心機一転途中になってしまっていた「論語と算盤」の写経を再開しようと思った次第です。

以下あたらしい写経スケジュールです。

⑥人格と修養
2023/11/15 ⑥人格と修養: 1.楽翁公の幼時
2023/11/16 ⑥人格と修養: 2.人格の標準は如何
2023/11/16 ⑥人格と修養: 3.誤解されやすき元気
2023/11/19 ⑥人格と修養: 4.二宮尊徳と西郷隆盛
2023/11/19 ⑥人格と修養: 5.修養は理論ではない
2023/11/20 ⑥人格と修養: 6.平生の心掛けが大切
2023/11/21 ⑥人格と修養: 7.すべからくその原因を究むべし
2023/11/21 ⑥人格と修養: 8.東照公の修養
2023/11/22 ⑥人格と修養: 9.誤解されたる修養説を駁す
2023/11/22 ⑥人格と修養: 10.権威ある人格養成法
2023/11/22 ⑥人格と修養: 11.商業に国境なし
⑦算盤と権利
2023/11/23 ⑦算盤と権利: 1.仁に当たっては師に譲らず
2023/11/23 ⑦算盤と権利: 2.金門公園の掛札
2023/11/24 ⑦算盤と権利: 3.ただ王道あるのみ
2023/11/24 ⑦算盤と権利: 4.競争の善意と悪意
2023/11/27 ⑦算盤と権利: 5.合理的の経営
⑧実業と士道
2023/12/03 ⑧実業と士道: 1.武士道は即ち実業道なり
2023/12/04 ⑧実業と士道: 2.文明人の食戻
2023/12/04 ⑧実業と士道: 3.相愛忠恕の道をもって交わるべし
2023/12/04 ⑧実業と士道: 4.天然の抵抗を征服せよ
2023/12/04 ⑧実業と士道: 5.模倣時代に別れよ
2023/12/04 ⑧実業と士道: 6.ここにも能率増進法あり
2023/12/04 ⑧実業と士道: 7.果たして誰の責任ぞ
2023/12/04 ⑧実業と士道: 8.功利学の弊を変除すべし
2023/12/04 ⑧実業と士道: 9.かくのごとき誤解あり
⑨教育と情誼(じょうぎ)
2023/12/07 ⑨教育と情誼: 1.孝は強うべきものにあらず
2023/12/07 ⑨教育と情誼: 2.現代教育の得失
2023/12/07 ⑨教育と情誼: 3.偉人とその母
2023/12/07 ⑨教育と情誼: 4.その罪果たしていずれにありや
2023/12/07 ⑨教育と情誼: 5.理論より実際
2023/12/07 ⑨教育と情誼: 6.孝らしからぬ孝
2023/12/07 ⑨教育と情誼: 7.人物過剰の一大原因
⑩成敗と運命
2023/12/07 ⑩成敗と運命: 1.それただ忠恕のみ
2023/12/07 ⑩成敗と運命: 2.失敗らしき成功
2023/12/07 ⑩成敗と運命: 3.人事を尽くして天命を待て
2023/12/07 ⑩成敗と運命: 4.湖畔の感慨
2023/12/08 ⑩成敗と運命: 5.逆順の二境はいずれより来るか
2023/12/08 ⑩成敗と運命: 6.細心にして大胆なれ
2023/12/08 ⑩成敗と運命: 7.成敗は身に残る糟粕
2023/12/08 格言五則

節レベルで書きおこしてみたら全部で93節あります。

一度中途半端に終わってしまいましたが、2023年秋心機一転再度無理なく自分のペースで進めていこうと思いますので、応援のほどよろしくお願いします。

参考)現代語への置換

以下、写経の際読みやすくするため現代語にあわせて置換した内容をまとめておきます。

為 → ため
執り → とり
基く → 基づく
方り → あたり
可からざる → べからざる
我邦 → わがくに
實業界 → 実業界
爾来 → 以来
蒐集 → 収集
蒐輯 → 収集
須い → もちい
反覆 → 反復
亘る → わたる
編纂 → 編さん
悉く → ことごとく
爰に → ここに
趨り → 走り
特融 → 特有
寔に → まことに
顕われ → あらわれ
頗る → すこぶる
禱る → いのる
疚し → やまし
予 → われ
小悧口 → 小利口
瞭然 → はっきり
懐いて → いだいて
賤し → いやし
卑し → いやし
援いて → ひいて
邦 → くに
俄に → にわかに
就中 → なかんずく
惟う → おもう
斯様に → かように
乃至 → ないし
更めて → あらためて
覓め → もとめ
倣う → ならう
袂を分ち → たもとを分ち
将た → はた
漫りに → みだりに
啻に → ただに
仮令 → たとえ
伴れて → つれて
徒に → いたずらに
撓まず → たゆまず
侫けた → ねじけた
看る → みる
孔夫子 → 孔子(夫子は先生の尊称だが孔子でも尊称なので孔子とする)
獲る・獲た → える・えた
苟も → いやしくも
苟に → まことに
苟め → かりそめ
亜米利加 → アメリカ
欧羅巴 → ヨーロッパ



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