本節では、二人の異なる人物と彼らの運命を描写しています。一人目は、地位も富もなく、自身の才能と勤勉さで成功を収める人物です。彼は困難を乗り越え、富貴栄達を得るが、これは彼自身の努力の結果であり、外部の環境や順境に依存していない。対照的に、もう一人は怠惰で勉強を怠ったため、失敗し、逆境に陥る。彼の失敗は自ら招いたものであり、外部の逆境のせいではない。韓退之の詩「符読書城南」を引用し、成功と失敗は個人の努力によるものであり、真の順境や逆境は存在しないと結論付けています。ただし、才能や努力に関わらず逆境にある人もいることを認め、これを真の逆境と定義しています。本節で渋沢先生は、個人の選択と行動が人生の結果を形作るというメッセージを伝えています。