本節では、当時の産業界の問題点とその解決策について論じています。渋沢先生は、一部の悪徳経営者が自己利益のために株主の資産を不正に使用し、企業を私物化している現状に警鐘を鳴らしています。商業は基本的に秘密主義を必要としませんが、一部の銀行業務などでは秘密保持が重要だと指摘しています。また、適切な人材が重役に就くことの重要性を強調し、道徳的に堕落した重役による不正行為は、企業倫理と社会的責任の欠如から生じると指摘しています。
渋沢先生は、事業の成功は社会全体の利益に寄与すべきであり、個人の利益追求だけではなく、より大きな社会的利益を目指すべきだと主張しています。
現代の経営にもつながる考え方ですね。