本節では、現代の中等教育における問題点を指摘しています。先生は教育が知識の伝授に重点を置き過ぎ、徳育の側面が欠けていると批判しています。また、学生の気質についても、昔の青年と比べて勇気や努力、自覚が欠けていると見ています。実業教育の発展が遅れた歴史にも触れ、日本の商工業が長い間軽視されてきたことを嘆いています。しかし、最近の実業教育の進歩にもかかわらず、教育方法が理智の側面にのみ偏っており、規律や人格、徳義を顧みない点に失望を表しています。実業界に立つ者は自由を重んじ、智育と徳育の両方を併せ持つべきだと主張し、自らもその実現に努めていると述べています。