本節では、「修養は理論ではなく、実際に行うべきこと」と強調し、学問と実践の調和の重要性を訴えています。渋沢先生は、理論と実践が並行して発展しないと国家が真に繁栄しないと主張し、一方が欠けると国は強国にはなれないと考えます。また、渋沢先生は、理論と実践の統合が国の富強と個人の完全な人格形成に不可欠であると述べ、徳川家康の例を挙げています。家康公は朱子の儒学を採り、学問を実践に応用し、日本の平和を三百年も維持しました。しかし、理論と実践の調和が失われると、国家の衰退が始まります。渋沢先生は、修養は個人のためだけでなく、社会や国家への貢献にも必要であると結論づけています。