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滋味飯のすゝめ

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地味で滋味深い料理の作り方、考え方のマガジンです。 無料 有料混ざってます。
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#料理人

白菜賛歌。シンプルな鍋、歴史を巻く寿司ロール。

白菜賛歌。シンプルな鍋、歴史を巻く寿司ロール。

『白菜を称えたまえ。』
そんな気持ちになるほど白菜に惚れはじめた。

料理をする上で大切な事のひとつに”食材と仲良くする”ことがある。
その言い方は様々だろうけど、要するに食材のことを理解して相手の素敵な所を褒めるように引き出す(というか出てきて頂く)的な?
友人関係にも似た所あるような無いような。

兎にも角にも白菜と仲良くなってきた今日この頃の記録。

※今回は鍋編は無料、寿司編は有料です、よ

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兎・箪笥を焼く・その他の単品

兎・箪笥を焼く・その他の単品

幡ヶ谷で羊を食べまくり、最後に頼んだ鹿のペニス酒が強烈すぎて目前で終電を逃した。
友人のシェアハウスのソファーで寝させてもらい無事に帰宅したが、二日酔いと肉体の疲労で昼寝でもしようかと思った。
そんな瞬間に電話がきた。

「ウサギを一匹買ったんです、一緒に料理しませんか?」
その家に行くのは少しだけ肉体が疲れる、そして遅くまで飲むし泊まるのは確定している、微妙に仕事もあるし家族の晩ご飯も作らないと

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もっともっと美味しくてたのしい料理。

もっともっと美味しくてたのしい料理。

料理を美味しくするには色んな方法がある。

分かりやすい所で言うと素材の鮮度や質、技術、アイデア。
だけどね、美味しさというのはそんな単純じゃないんですよ。
値段が高いから美味い訳でもないし、時間をかけたから美味いわけじゃ無い、そんなシンプルじゃない。

誰と食べるか、どこで食べるか、どんな皿を使うか、どんな飲み物を合わせるか、どんな精神状態で食べるか、、、
色んな物が絡まって美味しくなる。

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あゝ、あれは夏だったね。家飲み記録。

あゝ、あれは夏だったね。家飲み記録。

うちの家族は俺以外ほとんど酒を飲まない。
正月とか、親戚の集まりとか、そういう時に少し飲むくらいで普段は飲まない。
あ、焼きギョウザは別。あの時だけはビールを飲みます。
みんなで500の一缶とかだけどね。

そんな我が家ですが、この夏は何度も飲んだ。
熱すぎたし、やけにビールを貰ったのでね。

・そうやって始まった。夏の初めのある日、イワシを焼いた。
皮目をバリッと焼いて、半分は蒲焼き、もう半分に

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自家製ポン酢と絞りかす。

自家製ポン酢と絞りかす。

久しぶりにポン酢を作った。

柑橘の果汁に醤油やみりん、鰹節と昆布を合わせて漬け込めばできる手作りしやすい調味料のひとつだ。

市販の味ぽんでも充分に美味いし、我が家ほど味ぽんを使う家はそうそう無いと思うくらい愛用しているのだが(我が家では醤油並みにポン酢を使う)
クエを捌いて食べる機会があったので、せっかくなら良い物を作ろうと思い立ったのだ。

今回は自家製ポン酢についてと、その絞りかすについて

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夢にまでみた頭料理!-クエをまるごと食べた会-

夢にまでみた頭料理!-クエをまるごと食べた会-

何を隠そう、俺が食品ロス問題に興味を持ったキッカケはこの『頭料理』だ。
高校生の頃にこの料理を知り
「知らないで捨ててる食材を使った料理ってたくさんあるのでは??」
と思い、今ではそれが生業になっている。

・頭料理とはこの料理を知っている人はごく少数だと思うので説明しますと
大分県竹田市に伝わる郷土料理で、ハタやクエなど大型の白身魚の内臓や皮やアラ、エラなど捨てられがちな部位をメインにした料理で

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おいもどらやき。

おいもどらやき。

さて、今日はどらやきの話をしましょう。
パンケーキでもドーナツでも、鯛焼きでも無く、どらやきです。

『私はどらやきよりドーナツ派だ』という皆様には読むのを無理強いしません。
この記事でも読んでホットコーヒーでも飲んでください。

読んでもたいして実利の無さそうなどうでもいいnoteですが、なんか書きたいので書きます。
どうぞよろしく。

今日は秋の味覚。お芋。

好きな甘い物ランキング1位がドー

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oh!!おでん🍢🍢

oh!!おでん🍢🍢

ある昼、きしめんを茹でていると電話がかかってきた。
電話のベルが12回鳴って消えた。と言いたいところだが、携帯電話の設定でかバイブ音だけで気づけなかった。

できあがった料理の写真を撮ろうと思い携帯を開いたら、画面には不在着信が二件と留守電が一件。
電話をすると言われていた人だ。

まぁ良い、急ぎではないし。
なにより麺類を熱々で食べること以上に大切な事なんて人生にそう多くない。

固めにきしめん

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10㎏の冬瓜物語。

10㎏の冬瓜物語。

やたらデカい冬瓜を貰った。
体重計で量ったら10.0㎏、おいおい野菜のサイズじゃねえぞ。

・冬まで持つから冬瓜だが…けどまぁ貰っちまったもんはしょうが無い、調理をしよう。
ただ、これは気合いのいる食材だ。
皮付きであればかなり長持ちするのだが、切ったら早めに使わないといけない。

それに傷んでいる。
裏面にも少し傷があって、、、こりゃあ早めにやらねえとなぁ。と思いまるごと調理。

切ってみたら痛

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念願の酸豆角炒肉末!!(ササゲの漬物と挽き肉炒め)の備忘録。

念願の酸豆角炒肉末!!(ササゲの漬物と挽き肉炒め)の備忘録。

※自家発酵についての記事です。
衛生や管理に細心の注意をし、自己責任で行って下さい。

3週間ほど前、農家の友人から野菜を買った。
ナスを中心におまかせで送って貰った。

そしたら三尺豆が入っていた。

左手前の緑の細長い野菜が三尺豆。

・そもそも三尺豆って?三尺豆は十六大角豆(ジュウロクササゲ)とも言われる野菜。
熟すと豆が赤くなり、赤飯に使われる見慣れたあのササゲになる。

日本では若く

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夏の副菜:ズッキーニのアンチョビレモン和え🍋

夏の副菜:ズッキーニのアンチョビレモン和え🍋

夏だ、ズッキーニが美味い季節だ。
祖父がはじめて作ったズッキーニは大根並のデカさだった記憶。
多分普通のサイズを知らなかったんだろうなぁ。

甘くてみずみずしくて、独特の食感なのが良いよね。
焼いて食べるのが好き。

今日は副菜にピッタリの簡単レシピ。
焼いて和えるだけで気の利いた一品になります。

・材料ズッキーニ(中):1本
オリーブオイル(焼き用、和え用):各小さじ1
レモン汁:大さじ1

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香ばしくて美味しい”焼き鶏胸肉”の丁寧なレシピ。

香ばしくて美味しい”焼き鶏胸肉”の丁寧なレシピ。

少し前、茹で鶏についてアレコレ書いた。
作り方やコツはもちろん、皮や茹で汁の使い方なんかも書いた。

かなり気に入っているので、週に1度は作っていたし、我が家の常備菜として必須だった。(過去形)
野菜中心の我が家において貴重なタンパク源のひとつ。

けど茹でる度に皮を使ったり、中華スープをこさえるのはいささか大変だ。
うん、そうそう、結構大変。

・焼いた鶏胸はメインにもなる。我が家では鶏胸肉をメ

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やっと漬け汁ロスのないウマい唐揚げができた!!

やっと漬け汁ロスのないウマい唐揚げができた!!

唐揚げの漬け汁って余りがちだ。
そりゃ味の均一とか、時短とか、美味さにおいてたっぷりの調味液で漬ける方が簡単かもしれない。

「けど、それじゃあ調味液がもったいないじゃないの!!」ってずっと思っている。
はじめて賄いで唐揚げを作ったとき、調味液がもったいなくて粉をたっぷりまぶして揚げたら衣の分厚いガッチガチの唐揚げができてこっぴどく叱られた記憶……
あの日はすみませんでした。反省。

・試行錯誤ア

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フッキフキなきゃらぶきの覚え書き。

フッキフキなきゃらぶきの覚え書き。

幼い頃は苦手だったけど今は好きっていう食べ物のひとつだ。
大根菜の炒め物、分葱のぬた、人参のぬか漬け、なんかがそれの仲間で美味しさに気付けてからは好んで作る事が増えた。

きゃらぶきは漢字で書くと伽羅蕗。
伽羅ってのは沈香木の一種で、伽羅色ってのは深い茶色。
茶色く炊いたフキの事ですね。

いつか伽羅の香りを嗅いでみたいもんだ。

この料理はシンプルっぽいが人によってかなり味に差がある。
歯応え、

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