「ここにいるふたり」
私が「髙橋海人」という名前と、平場の髙橋海人その人を明確に結び付けて認識したとき、彼は号泣していた。
TV番組「おしゃれイズム」に、「だが、情熱はある」初回放送直前回のゲストとして出演していた時のことである。
(おぉ……久々に号泣する男性を見た……)という驚きと、
(そうだよな、しんどいよな……頑張って欲しいな)という激励とが去来した。
そして、10分後その同情めいた感想を、彼は「若林正恭」という役名を纏い、あっさりと拭い去った。
見事という他ない、プロの役者としての仕事だっ