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フッキフキなきゃらぶきの覚え書き。

幼い頃は苦手だったけど今は好きっていう食べ物のひとつだ。
大根菜の炒め物、分葱のぬた、人参のぬか漬け、なんかがそれの仲間で美味しさに気付けてからは好んで作る事が増えた。

きゃらぶきは漢字で書くと伽羅蕗。
伽羅ってのは沈香木の一種で、伽羅色ってのは深い茶色。
茶色く炊いたフキの事ですね。

いつか伽羅の香りを嗅いでみたいもんだ。


この料理はシンプルっぽいが人によってかなり味に差がある。
歯応え、味の濃淡、甘さ、コク、などなどその人なりのこだわりがあるのだろう。

今回のレシピは比較的しっかり炊いたので
持ち上げると自重で折り曲がる。
溜り醤油を使うので色は濃いめだが味は淡めにつけフキの味を残す
甘さは控えめだが黒糖を混ぜたのでコクはしっかり。
って感じで完全に俺の趣味全開。

あくまで俺の好みなので自分なりに調整して下さいね。
その人の好みに合った味が一番美味いから。


・材料

フキ:10本
酒:50g
砂糖:20~30g
醤油:20~30g
みりん:20~30g

今回は砂糖の半分を黒糖、半分をきび砂糖でやりました。
黒糖系はコクが強くコッテリ、白砂糖系はアッサリ仕上がります。

醤油は基本的に濃口醤油ですが、5gだけ溜り醤油を使いました。
溜り醤油はコクと旨味が濃厚でこういう煮物にもの凄く合います、なければ無いでOK

前半に入れれる甘味が砂糖、仕上げに入れれる甘味がみりん。
って覚えておくと煮物の甘味は調整しやすいです。
砂糖は甘味が強く、みりんは旨味を含んだ甘さって感じ。


・作り方

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①フキを塩ずりする。

長い場合は鍋に入るサイズに切り、多めの塩をまぶして表面に擦りつけるように転がす。
同じような太さの場合は数本まとめてやったほうが早い。
塩ずりしたら10分くらい放置。

※筋取りがめっちゃ大変なのでなるたけ長い状態でやるべし。

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②下茹で。

できるだけデカい鍋にたくさん湯を沸かし、一気に茹でる。
太いとこなら5分、細いとこなら3分くらい。

ボコボコに沸いてる中にいれるのが大事です。
あと、湯に入れたらすぐ沈める事。
半分だけ飛び出てるとかするとアクが回ります。
茹で上がったら水にとり冷ます。


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③筋取り

これが一番大変な作業。
ひたすら筋を取ります。
片方からバナナの皮を剥くようにペリペリ剥がす。

んで、逆もチェックして筋が残ってたら剥がす。
かなり骨の折れる作業ですが、ここで手抜きをすると繊維の煮物になっちゃうんでしっかりね。

俺は親指の爪でやるので毎回爪が黒くなる。
ペティナイフでやるのもオススメです。

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④切ってアク抜き。

今回は5㎝に切った。
端っこがちょっと長めにしたけど、気になる方は揃えてもOK
残ったヘタは他の料理にいれてね。
味噌汁とかでも合うよ。

太い部分は縦半分に切ってから炊くと均一に味が染みる。
今回はこの工程を忘れてたけど結果的に美味かったからOK

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んで、切ったのを1時間は水に晒す。
俺は水を垂れ流しにするのが嫌なので、デカい鍋で数回水を変えてあく抜きをします。

アクを徹底的に抜きたい人は一晩晒してもいいけど
アクを抜きすぎるとフキの良さも消えちゃうからほどほどに。

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⑤炊き始め

まずは酒と砂糖とかぶるくらいの水をいれ強火
濃厚な旨味が欲しい場合は水じゃなくて全部酒でつくると良いけど、料理酒をケチりたいから水で。

ボコボコボコボコ

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沸いたらアクを取る。
煮物の最初は強火で5分くらいボコボコしてアク取りをするのけっこう便利。

沸騰後5分くらいはしっかり強火それ以降は弱火。
弱火にしてからはアク取りをしないようにしている。
アクもフキの味のひとつだからね。

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弱火にすると同時に濃口醤油を半量いれ落とし蓋をして10分。
こういうときは表面を覆ってくれるクッキングシートの落とし蓋が便利。

コトコトコトコト

10分経ったら火を消し1時間くらい放置。

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⑥煮含めていく

1時間放置するとかなり色が変わる。
この時点だとただの煮物。
コレはコレで美味いけど、きゃらぶきにしたいからね。

落とし蓋をして弱火でひたすら炊く。

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時々かき混ぜて均等に火が入るようにする。
味見してもうちっとコクと色が欲しかったので溜り醤油を少し入れた。

コトコトコトコト

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これくらい水分が減ってきたら良い感じ。
太めのを折ってみて、中まで染みてたらOK

まだだったら水を足して更にコトコト。
今回はもう一回ひたひたに水を足して炊いた。

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⑦煮詰める

しっかり煮含まり煮汁がほぼ無くなったらみりんと残りの醤油を入れる。
量は好みに合わせて前後させて。
落とし蓋はここらでおしまい。

ボコボコボコボコ

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んで、こっからは混ぜつつ煮詰める。
焦げないように、均一に味が入るように丁寧に。

煮詰め具合は好みで調整して。
冷まして時間が経つと水分が出てくるから
好みよりちょっと濃いめに煮詰めると良い。

上の写真くらいのでも美味い。
アッサリで食べやすくてシャキシャキ。
でも日持ちは微妙。

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俺が好きなのはこれくらい煮詰めたもの。
焦げる直前、煮汁を吸いきってる。

コレで完成。
冷まして冷蔵保存。
一週間くらいを目安に食べきる。

一晩おくと味が馴染んで美味い。

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・実食!!

1年ぶりのきゃらぶき。
美味いなぁ。。。

好みの柔らかさなんだけど、味は濃くなくて、フキの味がしっかりいる。
黒糖と溜り醤油のおかげかな、嫌気の無いコッテリ感。

お茶請けにちょうど良い。
そのまま食えるけどご飯のおかずにもなる濃さ

フキのえぐみやアクが残りすぎてるのは苦手なのだけど、その味もフキの良さのひとつ。
残しつつ美味しくできたのは良い。
しばらくはこれをおかずに色々作ろう。

フキフキフキフキ

・食べ方

きゃらぶきは米と合わせるのが鉄板だろう。
熱々のごはんに乗せても美味いし、弁当にいれて味が馴染んだのも美味い。

おにぎり、お稲荷さん、巻物、お茶漬け、チャーハン、お粥、米料理との相性は半端ない。
今度ほうじ茶粥にしてきゃらぶき入れて食おうかなぁ。


だがしかし!個人的に一番好きなのは冷奴。
木綿の冷奴にきゃらぶきを乗せるだけ
コレがもの凄く合うんです。

豆腐の滋味な美味さと甘さがきゃらぶきの濃厚な味と合う。
絹豆腐でも美味いのだけど、木綿の濃さと食感の方が合いますのでぜひ木綿豆腐で食べて下さいね。


きゃらぶきはこの食べ方が美味い!ってのがあれば教えてくださいませ。

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去年の春はきゃらぶき、ふき味噌、ふきピクルスをこさえてたみたい。
年々少しずつ美味しくなっていく。

来年はもっと美味しくできるように頑張ろ。
おしまい。

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