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念願の酸豆角炒肉末!!(ササゲの漬物と挽き肉炒め)の備忘録。

※自家発酵についての記事です。
衛生や管理に細心の注意をし、自己責任で行って下さい。


3週間ほど前、農家の友人から野菜を買った。
ナスを中心におまかせで送って貰った。

そしたら三尺豆が入っていた。

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左手前の緑の細長い野菜が三尺豆。


・そもそも三尺豆って?

三尺豆は十六大角豆(ジュウロクササゲ)とも言われる野菜。
熟すと豆が赤くなり、赤飯に使われる見慣れたあのササゲになる。

日本では若く青い状態で食べる事が多くないが、サヤインゲン的な感じで食えるし美味い。
ただ、名前の通り長い。
今じゃあんま使われない単位だが、一尺は約30cmだからね。

今回貰ったのは短め(と言っても50cm位はある)の三尺豆だ。
農家直送ってのもあって鮮度がかなり良い。ピカピカ。

鮮度の良い三尺豆でなくては作れ無い料理がある。
それが酸豆角(スァンドウジャオ)だ。


・酸豆角ってなに?

なんだか説明ばっかで申し訳ないけど、マニアックな料理には説明が大事なんです。

酸豆角(スァンドウジャオ)
中国の西南地方でよく作られる、ササゲを塩水で漬けて乳酸発酵させた、酸っぱ旨い漬物だ。

作り方は様々だが、2~10%程度の塩水に漬け、1週間~1ヶ月くらい発酵させるのが基本で、スパイスやお酒を混ぜることもある。

乳酸発酵で作る漬物は世界中にあり有名なので言うと、キムチ、ザワークラウト、ぬか漬け、などなど漬物界では王道だ。

野菜に付着している乳酸を利用しつつ、濃いめの塩水で漬けることで雑菌の繁殖を防ぐ。この酸豆角はそういう漬物だ。


※注意※
自家発酵は危険も伴うので細心の注意が必要だ。
発酵と言えば聞こえは良いが、その人にとって利益のある腐敗を発酵と呼ぶだけで、腐敗と原理は変わらないからね。

だから、やる場合は衛生管理をしっかりして、しっかり知識をつけて、自分の責任でやって下さい。
申し訳ないけど、コレを見て真似して腹壊したって言われても責任は取れません。

そこん所よろしくお願いします。

ちなみに俺は自分で毒味をしてから家族との食事に出しました。
とりあえず家の人は元気です。

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・材料

三尺豆:好きなだけ
塩水:豆が浸かるくらい
スパイス;お好みで
酒:少し

塩分濃度は最低でも3%は欲しい。
今回は7%でやりました。
濃いめだと長期保存できるし、雑菌が沸きにくいので初めての方は濃いめがオススメ。


今回のスパイスは山椒と唐辛子です。
他にも花椒やニンニクをいれる場合も多い。

度数の高い酒を少しいれると雑菌の発生を抑える効果があります。
中国では白酒を少しいれるが、家庭にある方は少ないと思うのでなにかしらで代用を。
今回はウォッカと紹興酒を10ccずついれました。

また、三尺豆は鮮度の良い物を使って下さい。
鮮度が悪いと上手く発酵せずに腐ったり、雑菌が発生しやすいです。


・作り方


・下準備
使う器具や漬ける瓶、キッチンはよく洗い殺菌しておく。
必要に応じて熱湯消毒やアルコール消毒も使う。
手にも雑菌がついているのでよく洗ったうえ、ゴム手袋をつけると良い。


①塩水を合わせる

塩と水を合わせて沸かし、冷ます。
酒はアルコールが残っているのが大事なので、まだ混ぜない。

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②三尺豆を茹でる

漬ける容器に合わせ必要であれば切り、サッと茹でる。
火を入れる目的では無いので10秒くらいでOK

茹でない人も多いけど、俺はちょっと怖いのでサッと茹でる。
慣れたら色々試して見て下さい。

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③漬け始める

冷めた塩水と三尺豆、酒、スパイス、を容器にいれ、豆がしっかり浸かるようにする。
日の当たらない所で1週間~1ヶ月置く。
(写真のは水分が少なかったので、このあと足しました。)

瓶や壺であれば重しをして浸かるようにして下さい。
空気に触れてるのはNG

使う予定だった瓶を消毒しようとしたらヒビが入っていたので、今回はジップロックで漬けました。
簡単だし、いいわ~

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④2週間経過。

3日目くらいでブクブクしはじめて、2週間でこのくらい。
乳酸らしい香りと豆の熟した香りが漂う。
少しカビが生え始める。

恐る恐る一口食べてみたらいける!!
これは、、、美味い!!

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ってな訳で数本使って挽き肉と炒めた。
毒味って奴です。

うんまい!!けどちょっと怖い。
そんな気持ちで食べる。

が、腹の調子も崩れずしっかり健康。
コレは成功かな。良し。


・完成!そして炒肉末!!

ってな訳で完成はしたのだが、用事が立て込んでて食べるチャンスが遅れ遅れで1週間以上が経過。
ついに作れる日がきた。

今回作るのは酸豆角炒肉末(スァンドウジャオ チャオロウモー)
酸豆角とひき肉を炒めるシンプルな料理だ。
が、コレが美味そうで美味そうで酸豆角を仕込んだくらいだ。


・材料(というほど多くないが)
酸豆角、豚ひき肉(酸豆角と同量~倍量位)、ニンニク、唐辛子、醤油、酒、ゴマ油。以上!

ニンニクも唐辛子も好みで量を調整して。
酒は紹興酒だと良い香り。
味付けは酸豆角の塩気がメインだから、醤油は少しでOK
あれば唐辛子は生が良い。フレッシュな辛味が合うのよ~


・酸豆角炒肉末の作り方

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①酸豆角を刻む

細かめに刻むのが王道みたいだけど、ちょっと長い方が食ってる感あって好き。
唐辛子もニンニクも刻む。

生唐辛子は刻むとき気をつけてね。
その手で目をこすったりしたら激痛えよ。

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②炒める

ニンニクを炒め、香りが出たらひき肉を投入。
火が入ったら酸豆角と唐辛子もいれてザッと炒める。
味を見て、酒と醤油で仕上げ。

基本は強火でザッと作る。
酸豆角に火をいれすぎると柔らかくなっちゃうのでサッとね。
キュッキュしてるのが美味いからさ。

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・酸豆角炒肉末 完成!実食!!

普段だったら鍋ごと食卓に出すのだが、せっかくの酸豆角だし器に盛った。
3週間もかけたから、着飾っていく。
この器かなりお気に入り。こういう料理にぴったし。

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そして~~
ごはんにどーーん!!

例の副反応で腕が重いしダルいのでビールは無し。
クソ~~次は飲めるときに作る!!

そしてついに念願の実食。
レンゲで米ごと掬って、、、

うんま~い!!
肉の脂や旨味、豚の臭みと酸豆角の酸味や発酵の旨味、塩気が良いバランス。
コレ作る人達が口を揃えて米に合う!!というのも納得だ。

ガツガツ食うのにピッタリの料理。
もっと酸豆角の比率が多くても良かったかな、1:1くらいのも食べてえな。


家族の事を思い辛さは控えめ、だが、生の青唐辛子を別にトッピング。
この爽やかな辛さと青臭さが良いのよ。
合うね~~~

・この日の献立

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ちなみにこの日の献立は

酸豆角炒肉末
ゴーヤとモヤシとオクラのナムル
トマトサラダ
きんぴら
キャロットラペ
青大豆と野菜の浅漬け

モロヘイヤのスープ
玄米ごはん

太文字にした三品は数日前に作った副菜の作り置き。
便利~~~!!食卓を豊かにしてくれる。

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ゴーヤのナムル、茹でてゴマ油と塩と醤油で和えただけなんだけど美味い。
苦いけどそれが良い。
そんでもって、この苦いのがいい口直し。
肉と酸豆角を引き立ててくれる。サイコォサイコォー


・おわりに

怖いんで繰り返し言いますね。
このレシピに限らないけど、自家発酵は特に危ないんでしっかり衛生や鮮度を意識して自己責任でやって下さい。
もしなにかあっても責任は取れません。

最善を尽くしてますが、菌は怖いもんです。
ちゃんと仕組みを勉強してからやってね。
よろしくお願いします。

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今、この本を読んでるんだけどかなり面白い。
気付くとドーナツを買ってしまうのだけが問題。

数年前に思い立ってドーナツ屋巡りをしたのを思い出す。
いくら美味くても、大好きでも、美味しく食べれるのは1日に10個が限度って気付いた。

昔ながらの砂糖がジャリジャリしたのも好きなんだよなぁ。
またドーナツ巡りしたいなぁ。
ドーナツじゃなくても美味しい物食べに色んな所に行きたいなぁ。


早く穏やかな日が来て欲しいね。

紫の夜を越えていこう


おしまい。

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いつもありがとうございます。 書くの大好きだけどやっぱ大変だから、サポートして貰えると持続性が増します。