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白菜賛歌。シンプルな鍋、歴史を巻く寿司ロール。

『白菜を称えたまえ。』
そんな気持ちになるほど白菜に惚れはじめた。

料理をする上で大切な事のひとつに”食材と仲良くする”ことがある。
その言い方は様々だろうけど、要するに食材のことを理解して相手の素敵な所を褒めるように引き出す(というか出てきて頂く)的な?
友人関係にも似た所あるような無いような。

兎にも角にも白菜と仲良くなってきた今日この頃の記録。

※今回は鍋編は無料、寿司編は有料です、よろしく頼んます。
その分しっかり気合いいれてます。自信作。


・前編、シンプルな白菜鍋の話。

我が家の定番鍋は野菜たっぷりの鶏鍋で10種前後の具をいれる。
鶏モモ、白菜、大根、豆腐、舞茸、ねぎ、ごぼう、人参、水菜、鶏団子、しめじ、えのき、生姜、などなど。
きりたんぽ鍋と水炊きと湯豆腐の間らへんの味、淡い味つけでポン酢や大根おろし、ネギ、柚子胡椒などで食べる。

粉末和出汁、塩胡椒、ゴマ油、ごまを少々ずつ仕上げに。

冬は2週間に1度はコレを食べ、大晦日は〆に蕎麦をいれて食べるのが定番、それほど我が家の定番鍋で大好き。

だが、今年はそれとは違うもっとシンプルな鍋をする機会が増えた。
具材は鶏と白菜だけ、もしくはそこにネギを足すか豆腐を足すか、みたいな潔い鍋だ。

・ベースは鶏と白菜の二点鍋

まずは1番シンプルに。鶏モモ、白菜だけの鍋。
味付けは酒、塩、胡椒、ほんの少しのナンプラー。

白菜の実力を実感したからこその鍋。

・作り方
鍋に湯を沸かし酒を少々。
一口大に切った鶏モモに塩コショウをまぶしてからいれる。
(なるたけ触らずに表面を固めるとアクがでにくい。)
しっかり火がはいったら白菜の茎側をいれて10分、葉側をいれて10分。
味を見て塩や胡椒、好みで少しナンプラーを垂らして完成。

簡単すぎるんだけどなんでこんなのを書いたかと言うとね、この鍋は素材の最大限の出力がだせるんです(体感)
具沢山な鍋はもちろん美味いよ、美味いけど味の被りや火入れ具合の差などで素材の味をシンプルに味わうことは難しい。

ウィアーザワールドの最後の大合唱と個々のパートの違いみたいな?
どっちもいいけど、個々の魅力を味わうにはシンプルがいい。

・鶏団子、白菜、豆腐の三点鍋

素材の味を生かしつつ味わい深い3人目、そう!豆腐!
豆腐は意外にも良い味がでる。精進料理では大豆の戻し汁を出汁に使うように豆腐もいい味なのだ。

この日は鶏モモではなく鶏団子。
我が家では大量にこさえて常備しているのでこういう時に便利。

そうそう、ナンプラーを入れる理由を書いてなかった。
あれは鰹出汁的なポジションなんだけど、鶏と白菜と合わせる場合はナンプラーの方が邪魔しないと思うんです。

もちろん癖がありますが、ほんの少量の場合は底を持ち上げてくれる旨味になります。
鰹出汁も素晴らしいが薫香の主張が強いけんね。そういう意味でナンプラー。

それに、薬味とも合う。
この日はネギとパクチー、ほんのりエスニック仕立て。
淡いフォーっぽい。

・参鶏湯仕立ての二,五点鍋

この日は寒くってね、鶏手羽元と白菜をベースに参鶏湯っぽく仕立てた。
2.5ってのはもち米と薬味を少しずつ入れてるから。

作り方は基本同じ、最初からもち米をいれてるのと、スライスのショウガをいれてるくらいの差。
もち米は少し、この鍋で半合もいれてりゃ十分。
あ、そうそうもち米は焦げ付きやすいので気を付けて、かきまぜて。

で、この日は仕上げにクコの実、ネギ、胡椒をいれる。
もち米によるとろみで白濁。いい感じ。

とにかく身体が温まります。
そうそう、参鶏湯っぽく仕立てるときは味をそれなりにつけるのがいいですね。骨付き鶏だと味もしっかりでる。

クコの実を常備しとくとこういう鍋物はもちろん、杏仁豆腐にモリモリに乗せれたり、いいことあるよ。

・肉団子、白菜、わけぎの三点鍋

コレも素晴らしい味だったな~
この日は豚と鶏の肉団子。
ただし、肉ばかりだと固くて白菜と合わせにくいのでこの日はたっぷり長芋を混ぜた。豚2:鶏1:長芋1くらい。

ひき肉に1%の塩、少しの砂糖と胡椒を混ぜてよく練り、荒く叩いた長芋とねぎの刻み、生姜の刻み、卵、片栗粉をあわせる。
酒と塩の汁にポコポコいれて加熱。

どうしても豚は癖があるので生姜と胡椒を多めにね。
長芋をたくさんいれるとふわふわホロホロになる。たまらん。

白菜はこのくらいどっさりいれていい。入れる方がいい。

んで、しっかり火がはいったら白菜の茎をいれ10分、葉をいれて10分。
シンプルな鍋のこだわりとしては、具材の場所をしっかり分けること。
食べ進めるうちに混ざるのは仕方ないけど、2,3種の鍋なら分けやすいし分けてある美しさがある。

で、仕上げにわけぎをいれてサッと炊いて完成。
胡椒を振る。

ちなみにこのわけぎの白い部分は肉団子の具になってます。
使い分けは小さなこだわり。

おろし生姜は臭み消しってより好きな野菜。

あ~素朴で美味い。
白菜の旨味や滋味を感じれる。
豚肉率の高い団子にも負けてない。

白菜やるなぁ~
それなりに長時間煮込むの好きだなぁ~

・後編、白菜の寿司の話。

白菜、すげえな。
と思ったの、実は鍋より前に寿司だったんです。

・白菜昆布〆の握り寿司は自信作。

野菜寿司を挑戦しはじめて数か月、白菜の茎の昆布〆は最初の一巻に出す自信作だ。
緑色を残さず、格子に切れ目をいれ、醬油を塗り、柚子皮を乗せたその姿はイカのように見え驚き、食べると白菜特有の旨味と味わいが楽しめる。

白菜という野菜は思うより旨味が強い。
そして昆布〆、わかるかもしれないけど旨味的には被るんです。
けどね、この味わい方も乙なもんです。

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いつもありがとうございます。 書くの大好きだけどやっぱ大変だから、サポートして貰えると持続性が増します。