Luly

🇨🇦在住、地球と人との共生を夢見て途上国で働いた後、🇸🇪本社のハイテク企業で働きながら日本…

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🇨🇦在住、地球と人との共生を夢見て途上国で働いた後、🇸🇪本社のハイテク企業で働きながら日本に住む外国人駐在者向けの住空間デザイナーをしています。サステナブルで心地よい空間造りが得意です。ヨガ/高山植物/野生動物🦉 https://www.instagram.com/rurythme

マガジン

  • home sweet home

    世界各地の居住空間について、実際にお宅訪問をしたレポートや、日々進化するマテリアルについてショールームなどを巡って記事を纏めています。個人宅に関わる記事のみ有料での公開とさせて頂きますのでご了承ください🙇‍♂️ 海外の暮らしに関心のある方やインテリアデザイン・家づくりをされている方など、一緒に楽しんで頂けたら嬉しいです🏡

記事一覧

純・地球

私がここ数年毎年訪れている秘境。雪がなくなる夏が2ヶ月くらいとごく短く、生態系はとても繊細なバランスの上に成り立っている。そのため、国立公園事務局が人間の入場制…

Luly
3日前
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天国からの使者

7月といえば、私が世界で一番好きなものの一つである高山植物が咲き誇る季節である。 ここカナディアンロッキーの夏は短い。夏至を過ぎた頃から日の長さが短くなっていく…

Luly
1か月前
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自分の輪郭

先日同僚と話していて、ふと自分とは?という話になった。その会話は、彼が”何でも気になると調べないと気が済まない性格で、この間も食物繊維に栄養があるのか調べたら腸…

Luly
2か月前
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身体感覚の変化

今年の上半期も終わり。 美味しい丹波篠山の丸餅を頂き、人生で間違いなく一番たくさんのお餅を食したお正月。そんな今年の幕開けがかなり前のことのように思われる。これ…

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2か月前
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魔法の箱ーアムステルダムの家

さて、前回は春爛漫のアムステルダムに久々に行ってきたというお話を書きました。 そこにも書きましたが、私は外国人エキスパット、いわゆる駐在者向けの家をデザインして…

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3か月前
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アムステルダム再発見

先日10年以上ぶりにアムステルダムに行った。前回は上司と一緒の短い出張だったので、運河と自転車の光景くらいしか覚えていなかった。 その前に行ったのは留学時代。一緒…

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4か月前
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ありがとう地球

いつからだろうか、食卓に並べたご飯を前に目を瞑って、その日に使った食材のオリジンに想いを馳せて感謝してから頂くようになった。 カナダに住んでから99.9%くらい自炊…

Luly
5か月前
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宇宙時間

カナダに住んで6年ー最初は期間限定のつもりで来たのが、ここが好きで今も住み続けている理由はいくつかある。そのうちの一つが様々な国から人が集まってきていて、しかも…

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6か月前
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冬といえば何を思い浮かべるだろうか? みかん クリスマス お正月 冬将軍 お洒落ができる などなど人それぞれだと思う。住んでいる場所にもよるだろう。 私の今年の冬は…

Luly
7か月前
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旅に出ると

普段いる場所を離れると発見がある。特に同じところに定期的に行くとー 一年ぶりの日本で感じたことがその前の時と大分違ったのでここに残しておこうと思う。 一年前感じ…

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11か月前
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アストロコモンズ—part3完結編

アストロコモンズ—これは私が2023年に開業して一号案件として取り組んでいるプロジェクト。 アストロコモンズって何?ということをこれまでぽつぽつと序章のように書いて…

Luly
1年前
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ヨーロッパ回顧録ーパリ街歩きvol.2

2023年5月末から6月にかけて2週間ほどパリとイタリアを訪れた。5年前からカナダに住み始め、以後ヨーロッパにこれだけ長く滞在したのは初めて。 以前は日本⇔ヨーロッパの…

Luly
1年前
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ヨーロッパ回顧録—パリvol.1

先日久々に2週間のお休みでパリとイタリアを旅行した。短期間の出張を除けば、旅行としてヨーロッパの地に降り立ったのは、南仏を車で巡って最後にミラノまで走った2015年…

Luly
1年前
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シロクマと私—アストロコモンズ番外編

小学校低学年の頃から、何で人は生まれた場所が違うだけで、こんなにも違う人生を送るのだろうかとずっと思っていた。 当時、よくアフリカの飢餓がテレビで報道されていた…

Luly
1年前
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アストロコモンズーpart2’

続き 当時のベルギー大使館は大使公邸と同じ敷地にあり、東京の真ん中にある異国だった。外から見る日本家屋の造りと打って変わって大使公邸の入口には白黒の冷んやりした…

Luly
1年前
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アストロコモンズーpart2

ご縁のある土地と聞いてどこか思い当たる場所はあるだろうか。 私の場合はどうしても何らかのご縁を感じざるを得ないところがある。 千代田区麹町ーここは私が生まれる遥…

Luly
1年前
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純・地球

純・地球

私がここ数年毎年訪れている秘境。雪がなくなる夏が2ヶ月くらいとごく短く、生態系はとても繊細なバランスの上に成り立っている。そのため、国立公園事務局が人間の入場制限をしている。
そう、ここはクマやマウンテンゴートやナキウサギ等の沢山の動物達と数えきれないくらいの植物達の住処であって、私達はそこにお邪魔させてもらっている。
幸運にも今年もその場所を訪れる切符を手に入れた。

実は去年も全く同じ日にここ

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天国からの使者

天国からの使者

7月といえば、私が世界で一番好きなものの一つである高山植物が咲き誇る季節である。

ここカナディアンロッキーの夏は短い。夏至を過ぎた頃から日の長さが短くなっていくのを肌で感じる。例年気温が最も高いのは7月の初旬・中旬でそれ以降は着々と秋に向かっていく。

山の上にあっては尚更で、標高にもよるが、私が好きな極小の花々が生息する標高2300〜2500m辺りで凛とした彼らを見られるのは1週間半、長くて2

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自分の輪郭

自分の輪郭

先日同僚と話していて、ふと自分とは?という話になった。その会話は、彼が”何でも気になると調べないと気が済まない性格で、この間も食物繊維に栄養があるのか調べたら腸内バクテリアの餌になっていて…”というところから始まった。

それで、”腸内バクテリアは自分の一部だと思う?”と私が聞いたら、彼は”僕のものかな”と答えた。

似たような話を以前父としたことがあって、その時父は、自分とは?との問いに”昨日の

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身体感覚の変化

身体感覚の変化

今年の上半期も終わり。
美味しい丹波篠山の丸餅を頂き、人生で間違いなく一番たくさんのお餅を食したお正月。そんな今年の幕開けがかなり前のことのように思われる。これまでの人生では、お正月だからお餅を食べる、くらいの意識だったのが、今年はお餅が美味しいからずっとお正月だったらいいのにくらいに思った。

何はともあれそれから6ヶ月が過ぎ、ちょっと今年を振り返ってみようと思った。
去年は、何故かお正月・旧暦

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魔法の箱ーアムステルダムの家

魔法の箱ーアムステルダムの家

さて、前回は春爛漫のアムステルダムに久々に行ってきたというお話を書きました。

そこにも書きましたが、私は外国人エキスパット、いわゆる駐在者向けの家をデザインしています。(来年からは貸出も、そして同じようなターゲットに貸出したい方の家のデザインもします*別途書きます)
そして、彼らのニーズに合う家づくりのため、世界各地のエキスパットのお家にお邪魔してリサーチしています。折角なので、それをマガジンで

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アムステルダム再発見

アムステルダム再発見

先日10年以上ぶりにアムステルダムに行った。前回は上司と一緒の短い出張だったので、運河と自転車の光景くらいしか覚えていなかった。

その前に行ったのは留学時代。一緒に行った友人が試してみたいというので、Kafeに行き、屋外のテラスでその人がぷかぷかしているのを眺めていたら、その晩急に体調が悪いと言って冷や汗をかきだしたので、慌てて冷たいおしぼりで看病した記憶。

今回の旅の目的は二つあった。一つは

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ありがとう地球

ありがとう地球

いつからだろうか、食卓に並べたご飯を前に目を瞑って、その日に使った食材のオリジンに想いを馳せて感謝してから頂くようになった。

カナダに住んでから99.9%くらい自炊している。外で食べてもお値段の割に感動が少なくて、これなら自分で作った方がいいのではないかと思うようになったから。

母曰く私は幼い頃から味覚が発達していたらしい。実家にいた頃は、祖母から毎週送られてくる新鮮なお野菜とお魚を母がまるで

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宇宙時間

宇宙時間

カナダに住んで6年ー最初は期間限定のつもりで来たのが、ここが好きで今も住み続けている理由はいくつかある。そのうちの一つが様々な国から人が集まってきていて、しかもそこにハーモニーがあるということ。

集まってきて”いるにも拘らず“、と書きそうになって一瞬留まったのだが、残念ながら世界の多くの国や地域に起きているいざこざは、昔か最近かの違いはあれ、どこか別の場所から人がやってきたことに起因するものが多

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冬

冬といえば何を思い浮かべるだろうか?

みかん
クリスマス
お正月
冬将軍
お洒落ができる

などなど人それぞれだと思う。住んでいる場所にもよるだろう。

私の今年の冬はちょっと特別だった。

これまでの私の中での冬の概念を覆したといってもいいくらい。

というのも雪国に暮らし始めて6年(未だにそれだけの時が経ったことが信じられないけれど)、生まれて初めて雪の美しさに虜になった。

東京では雪とい

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旅に出ると

旅に出ると

普段いる場所を離れると発見がある。特に同じところに定期的に行くとー

一年ぶりの日本で感じたことがその前の時と大分違ったのでここに残しておこうと思う。

一年前感じたこと

前回の日本滞在は、コロナ明けでほぼ3年ぶりだった。それが理由か分からないけれど、色々新しい発見があって、例えば家に入るや否や、わぁ天井低い!とか良くこの狭さに生きてたなぁとか。

そして電車の中から東京の街並みを眺めながら、建

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アストロコモンズ—part3完結編

アストロコモンズ—part3完結編

アストロコモンズ—これは私が2023年に開業して一号案件として取り組んでいるプロジェクト。

アストロコモンズって何?ということをこれまでぽつぽつと序章のように書いてきて、ようやく本章にして今の段階での最終章を書こうと思ったので筆を取った。

そもそもプロジェクトを始める際、建築家から”○○邸増改築プロジェクト“のような件名の契約書案を頂き、案件名変えてもいいですか?と打診したのが始まり。それから

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ヨーロッパ回顧録ーパリ街歩きvol.2

ヨーロッパ回顧録ーパリ街歩きvol.2

2023年5月末から6月にかけて2週間ほどパリとイタリアを訪れた。5年前からカナダに住み始め、以後ヨーロッパにこれだけ長く滞在したのは初めて。

以前は日本⇔ヨーロッパの視点だったのが、今回自分の中にまた新たな視点が加わっていた気がしたので、見たこと・感じたことを記録として少しずつ気ままに書き綴っている。

Vol.1はこちら

パリに着いた翌日は何の予定も入れていなかった。時差ぼけもあるかもしれ

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ヨーロッパ回顧録—パリvol.1

ヨーロッパ回顧録—パリvol.1

先日久々に2週間のお休みでパリとイタリアを旅行した。短期間の出張を除けば、旅行としてヨーロッパの地に降り立ったのは、南仏を車で巡って最後にミラノまで走った2015年以来。それより前は学生時代に遡る。

カナダに引越したりコロナがあったりしてあっという間に8年が経っていた。

パリ行き航空券を買った最初のきっかけは、あるコンサートの開催を知ったことと、普段はない直行便が期間限定で飛ぶと聞いたことで、

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シロクマと私—アストロコモンズ番外編

シロクマと私—アストロコモンズ番外編

小学校低学年の頃から、何で人は生まれた場所が違うだけで、こんなにも違う人生を送るのだろうかとずっと思っていた。

当時、よくアフリカの飢餓がテレビで報道されていた。お腹が空きすぎるとお腹がふくれてしまうという衝撃的な事実を知った。私に何かできることはないのだろうかと思っていた。

中学・高校生くらいになると今度は地球環境の方に目が行くようになった。私の大好きなシロクマが住む氷が溶けていて、でも彼ら

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アストロコモンズーpart2’

アストロコモンズーpart2’

続き

当時のベルギー大使館は大使公邸と同じ敷地にあり、東京の真ん中にある異国だった。外から見る日本家屋の造りと打って変わって大使公邸の入口には白黒の冷んやりした石のタイルが敷かれ、金色の手すりがついたシックな内階段、お庭も広くて立派に育った木々と日本風の意匠を凝らした庭園、大きなプールもあった。控えめで重厚感のある造りだった。私には樹木の呼吸が聞こえるような気がしていた。都会のオアシスだった。

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アストロコモンズーpart2

アストロコモンズーpart2

ご縁のある土地と聞いてどこか思い当たる場所はあるだろうか。

私の場合はどうしても何らかのご縁を感じざるを得ないところがある。

千代田区麹町ーここは私が生まれる遥か前から、そして私が大人になってもずっとご縁があった何とも不思議なところである。これまでに何度も大いなる力によってこの場所に引き戻されることになった。

私の祖父は麹町小学校の出身で80歳を過ぎてもずっと小学校の同窓会に参加し続けていた

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