見出し画像

宇宙時間

カナダに住んで6年ー最初は期間限定のつもりで来たのが、ここが好きで今も住み続けている理由はいくつかある。そのうちの一つが様々な国から人が集まってきていて、しかもそこにハーモニーがあるということ。

集まってきて”いるにも拘らず“、と書きそうになって一瞬留まったのだが、残念ながら世界の多くの国や地域に起きているいざこざは、昔か最近かの違いはあれ、どこか別の場所から人がやってきたことに起因するものが多い。
私のこれまでの経験では、他民族が住む場所に行くと、そこに流れる空気は張り詰めていて、表面上何も起きていなかったとしても、一触即発のような危ういバランスを保つサーカスの曲芸師が渡る糸のようなものが見える。

カルガリースタンピードでの曲芸師
全体的に多様な文化を讃えるショーだった

この地に降り立った瞬間からそれは感じられなかった。カンボジア周辺を先月旅した父が、そこで出会った外国人達が競争の中で大変そうにしていたという話から、”カナダは資源があって何もしなくても豊か“と言っていて、なるほどと思った。資源というのは地下資源だけでなく水資源もそう。何もしないわけではないけれど、豊かなバイブスがここに住む人々を大らかにさせていると思う。

この国に住んでいて今年が辰年だと知らない人は殆どいないのではないだろうか。今日は旧暦のお正月で、昨晩は大晦日で花火が打ち上がっていたし、ショッピングモールなどは真っ赤なドラゴンで埋め尽くされている。自分の文化でなくても皆がそれを受け入れている。お祝いする人もいればしない人もいる。クリスマスも同じ。
私としてはお祝い事はあればあるほど好き。皆がワクワクしていて私もワクワクする。すごく豊かな気持ち。

先週美容院に行ったら担当して下さった方のご両親がカンボジア出身の華僑で、お母様は仏教徒だと言っていた。大晦日には家族でお寺に行き神様を迎え入れるそう。お正月の伝統も色々あるらしい。彼女はカナダ生まれで”私はそこまで気にしていないけど、開運に繋がると言われるとついやっちゃう”と。聞きながら、日本に伝わっているお正月の起源も同じなんだろうなと見えない糸で遠く繋がっている気がして感慨深かった。

大家さんからのギフト

今年の旧暦のお正月は立春後の初めての新月。これからという始まりの新月。今年はそれを頭でなくて心と身体が初めて同時に理解した感じがあった。元々私の身体はいつからか月のリズムなのだが、今回は時刻もほぼぴったり身体がリセットされた。心もそれまで遠くに行ったり戻ったりしていたのが、新月を前に新しい世界に行くという静かなる覚悟ができていて、新月と共に晴れやかな気持ちでスタートに立てていた。月を通して宇宙の何かとスッと繋がってチューニングされたような生まれて初めての感覚があった。私は宇宙の一つのピースだとはっきり自覚した。

新月の夜、空を見上げたらオリオンの真中に流れ星

そういえば昨年、世界でカンブリア紀の最も古い5億5千年前の地層が表出している場所に行ってきた。三葉虫の化石がゴロゴロしていた。その時に国立公園の職員の方が、その時代は月との距離が今より近く、潮の満ち引きが毎回津波レベルだったと言っていた。月は地球に一番近く、今も昔も地球への影響は大きい。地球に住む人間がそれを元に暦を作ったのも大いに納得できる。

ロッキー山脈で化石に囲まれてタイムスリップ

日本にいた時は旧暦と聞いてもふーん、そんなのもあったんだくらいに思っていた。こちらに来てからも、へー中華系の人達のお正月は毎年変わるんだくらいに思っていた。

それが突如、自分のこととして理解できたお正月。目的地はまだ分からない。進む方向はこちらだろうなというのは見えている。数年前までの私には考えられなかった世界。去年の今頃もそんなことは頭になかった。でも不思議と迷いや不安はない。たくさんのサポートがあるから絶対大丈夫という安心感が枯れることのない泉のように湧いてくる。私はそれを信じて進むだけ。帆を立てれば風が私を導いてくれる。

旧暦のお正月、辰年の初めにカナダにて。

愛の循環に大切に使わせて頂きます💞いつもどうもありがとうございます!