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創作に役立ちそうな記事

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小説やエッセイを書く上で役立ちそうな記事を集めてみました。自分にも、他の皆様にも役に立てれば良いと思っています。
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#小説

【伏線、ミスリード、トリック】すべての小説に役立つミステリーの技法(2012年9月号)

【伏線、ミスリード、トリック】すべての小説に役立つミステリーの技法(2012年9月号)


創作の手順ミステリーもミステリー以外の小説も、創作の手順に大きな違いはありません。

ネタ探し(アイデア出し)

アウトラインを決める

文献調査・取材

プロット(ストーリー)

執筆

ネタとアイデアはほぼ同じ意味ですが、ネタは素材そのままであるのに対し、アイデアは料理方法と考えてください。

とある殺人事件をネタとして使うと決め、ではそれをベースにどんな小説にするのか、ホラーっぽくするのか

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【あなたは使いこなせている?】ストーリーの5つの型(2012年4月号特集)

【あなたは使いこなせている?】ストーリーの5つの型(2012年4月号特集)

※本記事は「公募ガイド2012年4月号」に掲載された柏田道夫先生のインタビュー記事を再掲載したものです。

ストーリーの5つの型ーー面白いストーリーとはどういうものでしょうか

この先どうなるのだろうと思えるようなものや、キャラクターに感情移入できるようなものですね。

――ストーリーの型にはどのようなものがありますか。

ストーリーには五つの型があります。一つめは「サクセスストーリー」。スポーツ

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【視点の切り替えに注意!】映像にはできても、文字ではやれないこと(2013年10月号特集)

【視点の切り替えに注意!】映像にはできても、文字ではやれないこと(2013年10月号特集)


文字の情報量はわずか映像と活字の絶対的な違いは、一にも二にもその情報量にあります。
たとえば、左のような写真を見た場合、まず太陽が目に入り、その前に川が流れている、手前の土手には草が生えていて、川の向こうには森がある、という情報がほぼ一瞬で入ってきます。

しかも、現実そのままを写した写真ですから、距離感や(カラー写真なら)色合いもつかめます。

では、文字によって、この映像から得た情報と同じ量

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【物語の方程式を身に付ける】トレーニングとしての模倣のススメ(2013年2月号特集)

【物語の方程式を身に付ける】トレーニングとしての模倣のススメ(2013年2月号特集)


テーマは発見するものテーマというものはよくよく考えるとなんだかよく分かりませんし、主題、題目、コンセプト、モチーフなど似た言葉がたくさんあって混同してしまいそうですが、ここではシンプルに、
「作品を通じて伝えたかったこと」と定義づけましょう。

このテーマというものには、どうやら意識できるものとできないものがあるようで、書き終えたあと、「そうか、私はこんなことが書きたかったのか」と改めて気づくこ

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物語の屋台骨を支える語彙力「場面設定編」|monokaki編集部

物語の屋台骨を支える語彙力「場面設定編」|monokaki編集部

 こんな文章から始まる書籍が、8月13日に日本文芸社から発売される。以前にもmonokakiで紹介した『プロの小説家が教える クリエイターのための能力図鑑』の著者であり、現役の小説家である秀島迅氏による『プロの小説家が教えるクリエイターのための語彙力図鑑 場面設定編』。
 冒頭にはプロローグとして「PROLOGUE 1 登場人物が「どこにいるか」で物語の印象は大きく変わる」「PROLOGUE 2

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【原稿に向かうだけではいい小説は書けない】自分の作品に向き合い続ける覚悟とは(2013年2月号特集)

【原稿に向かうだけではいい小説は書けない】自分の作品に向き合い続ける覚悟とは(2013年2月号特集)


※本記事は2013年2月号に掲載された高野和明先生のインタビュー記事を再掲載したものです。

映像化できないことを小説に――高野先生はもともと映像業界で活躍されていたそうですが、制作の現場に入ったきっかけは?

 実は映画監督を目指していて、高校卒業後、浪人時代に城戸賞(脚本の公募)に応募しました。運よく最終候補に残り、あるプロデューサーが岡本喜八監督を紹介してくれたんです。それで岡本監督に弟子

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物語創作ツール「物語の幹」を公開しました

物語創作ツール「物語の幹」を公開しました

 初めまして。「物語の幹」運営チームです。先日、webアプリ「物語の幹」を公開しましたので、本日はそのご紹介をさせていただきます。

「物語の幹」とは 「物語の幹」は、物語創作を支援するためのツールです。
 小説だったり、映像作品の脚本だったり、他にもゲームのシナリオなど、「物語」に関する創作であれば、どんなジャンルや形式でも活用できます。
 以下の画像は「物語の幹」の実際のスクリーンショットです

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【実例で学ぶ小説の技】名作短編に隠された物語のコツ6選(2014年6月号特集)

【実例で学ぶ小説の技】名作短編に隠された物語のコツ6選(2014年6月号特集)


削れるものは削る ヘミングウェイの文体は、心の中を書かず客観的行動描写で書いていくハードボイルド文体と言われていますが、短編を読むと、字数制限のせいなのか、説明的なこともかなり省略されています。

 地の文は「かれは言った。」だけで、どんな感じでどう言ったかは省かれています。だから、読者は表現の隙間を埋めようとして勝手に推測してしまいます。
 場面転換についても同じです。前出の「清潔で明るい場所

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【日本にはない景色がそこにはある】あなたが書く小説の可能性を広げる世界文学の世界(2014年5月号特集)

【日本にはない景色がそこにはある】あなたが書く小説の可能性を広げる世界文学の世界(2014年5月号特集)


※本記事は2014年5月号に掲載した清水義範先生のインタビューを再掲載したものです。
※文中の数字は注釈となっています。詳細は記事末尾をご覧ください。

真似は勇気ある挑戦――世界文学を読む意義は?

 小説を書こうとしたとき、日本文学しか見ていないのは断然損ですよね。日本が文学的に劣っているということはないんだけれど、世界文学には圧倒的な広さがあるわけだから、それはサッカーが好きな人がJリーグ

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【短編は長編より難しい?】短編に必要な5つの要素とは(2014年6月号特集)

【短編は長編より難しい?】短編に必要な5つの要素とは(2014年6月号特集)


※本記事は2014年6月号の川又千秋先生のインタビュー記事を再掲載したものです。

短編に必要な条件――長編と短編は、長さ以外では何が違いますか。

 基本的な構造は同じだと思うのですね。
 ただ、長編の場合は、大アイデア、中アイデア、小アイデアと、ピラミッド型になっていて、短編の場合はそんなにたくさんのことは書けませんから、核になるアイデアを一個選んで書くんですね。

――何を核とすればいいで

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【基本が一番難しい】今すぐ直せる! うまくなった気になる! 文章の基本(2018年6月号特集)

【基本が一番難しい】今すぐ直せる! うまくなった気になる! 文章の基本(2018年6月号特集)


本記事は下記記事の続きを掲載しています。

文の問題15.係り受け距離

「文章を書く」の「文章を」と「書く」の関係を係り受け関係と言い、係る文節と受ける文節の距離を係り受け距離と言う。
 係り受け距離は離さないほうがいい。「文章を」と言われれば、読み手は「文章を直すかな、書くかな」とどんな動詞が来るか探すが、それが出てこないと落ち着かず、そのうち係る文節がなんだったか忘れてしまう。
 「とても

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では物語ってみよう(4.プロット実践編その2)

では物語ってみよう(4.プロット実践編その2)

 というわけで続きです。
 今回の説明で使いますのは、角川文庫より発売中の『カブキブ!』という小説の二巻のプロットになります。榎田ユウリ名義なのでBLではありません。まだ読んでない方にとっては当然ネタバレになりますので、早く買って読みましょう(笑) いやいや冗談です。いやいや半分本気です。
 高校生たちが部活で歌舞伎に挑戦するという物語で、歌舞伎にまったく馴染みのない方にも読んでいただけます。とい

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【その小説、視点がぶれてない?】具体例から視点のブレのNG文例を学ぶ(2017年11月号特集)

【その小説、視点がぶれてない?】具体例から視点のブレのNG文例を学ぶ(2017年11月号特集)


 ナラティブ、日本語で言うと語り方。ここではその中の人称と視点について解説。小説は視点について知らなくても書けないことはないが、知っていれば強みに!

長編を書くなら、三人称がおすすめ 長編を書く場合も、書く前に人称を決めなくてはならない。
 長編は、一般的には話も複雑で、登場人物も多い。その点を考えると三人称で書くのがいい。
 三人称小説は、「タカシは」とか「山本は」のように、主人公を第三者と

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【普通の話もおもしろく!】導入部の工夫で物語は劇的に面白くなる(2017年6月号特集)

【普通の話もおもしろく!】導入部の工夫で物語は劇的に面白くなる(2017年6月号特集)


 ここでは、なんということもない話を面白く変えてしまうテクニックを紹介します。
 ごく普通の日常を笑い話にする、面白くなかった話をリメイクするときに使えます。

持ち上げておいて一気に落とす まったく同じ体験をしても、どう書くか、どのような組み立てにするかによって、話の面白さは全然違ってきます。
 その実例として、ひとつ皆さんに練習問題をやってもらうとしましょう。

当博物館の訪問者数はあまりに

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