マガジンのカバー画像

店舗経営編~時代を先読むチカラ~

22
小さな店は【先手を打つ】に限ります。小さな店の運営を20年以上続け、売上もそれなりにあります。運営/経営/店の切り盛り/世相とこれからにについて書いてます。
運営しているクリエイター

記事一覧

ITとヒトとの関わり方・バランス・距離感・適正化【八百屋から見た“食”no.48】

ITとヒトとの関わり方・バランス・距離感・適正化【八百屋から見た“食”no.48】

近所にあるファミレスで目にする光景。

人手不足編でも書いたように、働くヒトが減っています。
アルバイトはひと昔前のような規模では採用できず、大手個人といった経営規模にかかわらず、常時配置が難しくなっています。

注文取りのパネル化・QRコード化は一般に普及しましたね。
さらに一歩進み、飲食産業では配膳(運搬)・会計を非対面方式にシフト。
猫型ロボット(←ん?)が出来上がった料理を運びます。

もっとみる
八百屋からみた“食” ー序章ー

八百屋からみた“食” ー序章ー

こんにちは。noteで出会えたこと、嬉しいです。
対面販売・小売り、学生時代からずっとやってます。
いつのまにか八百屋になってそろそろ20年。独立して10年以上経ちます。

「食」の対象は広いです。とてもとても広いです。
職業柄、青果・農産物に限定しても「原料生産・食品製造全体・世界の政治経済情勢・気候変動・農法(生産技術)・流通(輸送貯蔵技術)・市場出荷/非市場出荷・法律・栄養・ブーム・外食産業

もっとみる
都市生活における「自炊」【八百屋から見た“食”no.7】

都市生活における「自炊」【八百屋から見た“食”no.7】

私は(特に都市部において)
【自炊=時間と労力のぜいたく】と捉えています。

巣ごもり生活で自宅調理は一時的に増えました。
それでも大きな流れとしては、自炊しない生活に向かいます。
人口動態の変化(人口減と高齢化)、前後5年の暮らしぶりを想像するに自宅調理は1世帯平均1日1食(週3-5食)がイイトコでしょう。

そんな2022年以降の生活環境下でも
自炊前提の八百屋/食材屋ができるアプローチとはな

もっとみる
画面の中に「解」はない【八百屋から見た“食”no.9】

画面の中に「解」はない【八百屋から見た“食”no.9】

動画・雑誌記事・ワイドショー・健康番組。
すべて“話半分”、もしくは“すべてエンタメ”と思って接してください。

特に動画配信関連。
注目を浴びたいがために『キケン』だ『危機』だと大層な見出しを付ける。過激な物言いをする。皆、フォロワーを増やし、動画再生回数を上げて収入にしたい。要は胴元が囲い込みと換金に必死なだけです。

前回投稿でいうところの
“コダワリが強い・多い”人ほど、囲い込みに弱いです

もっとみる
買い物と多様性【八百屋から見た“食”no.1】

買い物と多様性【八百屋から見た“食”no.1】

いつからか出てきた多様性というワード。
「多様性こそ大切」と言われてしばらく経ついっぽう、
興味の細分化(分散)と情報化社会が相まって
【共通認識(基礎知識≒一般常識)の低下】を招いている
「多様性は大切」と朧気には皆思いつつ「分断」が進んでいて、
極論の両岸から主張し合っている・相容れない状況が進んでいるように思えるのです。

日本史・戦国史・幕末に詳しい・詳しくない
海外居住・現地事情・外交に

もっとみる
誰かが支える生活・誰かが支える食【八百屋から見た“食”no.2】

誰かが支える生活・誰かが支える食【八百屋から見た“食”no.2】

こんにちは。コロナ渦2年が過ぎました。
毎日事細かに発表される数字に怯える、ではなく
国/自治体/各施設/店舗の対応の正しさを議論する、でもなく
他者&環境のセイにしない「行動判断をご自身で決める」大切さを以下書きます。

***
街がざわついています。新たなウイルスが発見されては拡散と縮小をくり返す現在。毎日のように1日あたり感染者数が更新され、スマートフォンのポップアップや速報で流れます。

もっとみる
都合のよいSDGs【八百屋から見た“食”no.4】

都合のよいSDGs【八百屋から見た“食”no.4】

こんにちは。
タイトルがまたアレですが、SDGsでもスローフードでもフードロスでもなんでもいいです。

あくまで個人の見解ですが、数年に1度新たなワードが出て、賑やかで盛り上がっていて、さぞ世の全員が知っている…ように見えるだけです。
商業上(商売上)都合よく使われて、消費の一部になり、消耗して、また新たなワードが出て。

都内の八百屋の店頭で、ずっとそんな状況を見聞きしてきました。

今話題のS

もっとみる
店を続けたいなら値上げしよう【八百屋から見た“食” no.5】

店を続けたいなら値上げしよう【八百屋から見た“食” no.5】

先々続けたい店は値上げする。このシンプルな事実。
「食」関連の値上げ(だけ)は残念に感じる人が多いのはなぜでしょうか。

■原料価格の視点から
農産物価格は豊作不作で変動しますが、近年は国内外とも天候不順による不作が目立ちます。とくに土地利用型の穀物・根菜・果樹に多く、高騰が長引いています。豊作不作に関係なく“物流費・動力費”も上昇。機械を動かすガソリン・ボイラーを焚く重油・宅配便等々、実感する場

もっとみる
今後も長く続けたいなら休もう。週休2日制へ。 【八百屋から見た“食“no.6】

今後も長く続けたいなら休もう。週休2日制へ。 【八百屋から見た“食“no.6】

ひとり親方で法人10期を終えます。
学生インターンからカウントすると八百屋歴20年弱。。
トマトも食べられんかった奴がわからんもんです。
===

先手を打つ。
個人商店の醍醐味はコレしかないと言っていいです。
風を読み帆を張り、たまに風を読まずに突き進むバランス。

丸2年“棚上げ”していた【週休2日・週5営業日制】3月から実施します。
おかげさまでそれなりに盛況。週6営業で大穴があく日もありま

もっとみる
これからの小売と消費【八百屋から見た“食”no.12】

これからの小売と消費【八百屋から見た“食”no.12】

ここ2年、食品小売業界に訪れた「巣ごもり消費」という名のフィーバー。
今、ようやく平常運転と感じています。

日本社会≒個人消費がゆるやかに(やがて急激に)老衰するのは自明。

今フィーバーしている業態も、じき落ち着きます。
どの業態の消費も、コロナ禍でゲームルールの一時変更があっただけ。
老化・縮小・減退・関心の分散と低下は進み、今後さらにしぼみます。

じゃ、どーするか。
広告で(買いに来ない

もっとみる
続けるが吉〜2023年の抱負〜【八百屋から見た“食”no.19】

続けるが吉〜2023年の抱負〜【八百屋から見た“食”no.19】

2023年も、おいしく普遍的な独自路線で営業します。

◇作り手の美味しさを損ねない
◇本当に欲しい人に買ってもらう
◇本当に欲しい人に買い続けてもらう
◇物価(値上げ)を気にしない
◇農法(オーガニック)も気にしない
◇栽培方法に貴賎なし。優劣なし。それぞれの良さを伝える
◇薬効(〇〇を治す)目的の野菜摂取は無用
◇素材に正直に作ったモノの良さを伝え続ける
◇いつまでも満足にモノが揃うと思わせな

もっとみる
八百屋の真骨頂と怖さ【八百屋から見た食no.20】

八百屋の真骨頂と怖さ【八百屋から見た食no.20】

記憶力は良いほうだと自負しています。
一度訪れた場所や経路を覚えています。特技かもしれません。お客さんとの普段の会話の中であまり意識したことはないものの、営業中に交わした会話の内容をおおよそ覚えています。おそらく丸1年くらい。季節モノであれば3-4年でしょうか。

マスク社会になってしまって判別しにくくなったものの、週1以上来られる常連皆さんの顔・お名前・好み(良く買われる食材)は勝手に覚えます。

もっとみる
いまが日常。【八百屋からみた“食”no.22】

いまが日常。【八百屋からみた“食”no.22】

以前こんなことを書きました。

コロナ禍の生活観・世界観が日常となりました。
コロナ後の買い物行動を見据えつつ、
街ごとの「浮き沈み」がさらに激しくなります。

ここからは、開発ではなく継続です。
店で買い物するヨノナカではなくなりました。
過去コラム→店は減り続ける

コロナ禍の巣ごもり生活も解消。
2020/21年のような食料品店・生活用品店の特需は過去のものです。

当店沿線ではないものの、

もっとみる
新しいナニカよりも。【八百屋から見た食no.23】

新しいナニカよりも。【八百屋から見た食no.23】

【個人店運営】を20年もやっていると
八百屋(を家業でなく始めて続けている)という珍しさからか
同業他業、いろんな方と話す機会をいただきます。

売上をさらに上げるには…という話も盛り上がります。
新商材の導入、テクニック&システム&ツールの導入や、新業態の展開etc.常に新しいナニカをしなきゃならないという強迫観念が、けっこうどのレベルの経営・店舗・運営チームにもあるようです。どこどこの冷蔵ショ

もっとみる