八百屋ノムさん

お初の方も「いいね!」押してくださると大変喜びます。書く原動力です。都内23区隅の美味…

八百屋ノムさん

お初の方も「いいね!」押してくださると大変喜びます。書く原動力です。都内23区隅の美味しい野菜売り/八百屋歴20年超/埼玉秘境出身/音楽&クラフトビール愛好家 #小売 #野菜 #流通 #経営 #個人事業主 #農業 #食 #食生活 #オーガニック気にしない #おいしい #八百屋

マガジン

  • 店舗経営編~時代を先読むチカラ~

    小さな店は【先手を打つ】に限ります。小さな店の運営を20年以上続け、売上もそれなりにあります。運営/経営/店の切り盛り/世相とこれからにについて書いてます。

  • 八百屋編~2030年の食と農と食生活を考える~

    生産者&お客さんと20年以上コミュニケーションとりながら営業する八百屋。会話の中で話題にのぼる「農や食の時事」あれこれについて、思い込み文章ではない個人的見解を書いています。

  • 八百屋の現在地

    世相やニュースを見ながら、八百屋(農と食)の現状に照らし合わせた記事。

  • 食の不安&こじらせ解消編~キケン情報バスターズ~

    ちまたに溢れる“食の情報”。みな閲覧数稼ぎたいがために、流行りのコトバで大袈裟に専門家のようにアブナイキケンと好き勝手なことを言います。さも本当かのように誇張されたチープで根拠レスな情報発信に踊らされないトレーニングはお客さん側にも必要です。不安にならずこだわり過ぎずこじらせない食生活をサポートする記事です。

  • 野菜・食材の買い物ヒント

    野菜は旬・高い/安い・農薬あれこれとニュースになりがち。でも日々の食事に必要な野菜。ちょっとした心積もりで悩まず楽しく日々の食生活を豊かにできます。そのお手伝いをする記事達。

最近の記事

猛暑と闘わない運営〜個人商店の実験と実践【八百屋から見た“食”no.56】

決めました!猛暑回避します! 8月の営業体制変えます!いわゆるサマータイム導入です! お客さんにも勤務するスタッフにも負担の少ない運営と、最小限の売上&収益確保を(あと私の健康維持・体力消耗回避) 究極の「開いてる日・開いてる時間に来てもらう」スタイルで営業します。いかに短い営業日・営業時間で、同レベルの収益取れるか考えた方がいろんな意味で健康的ではないでしょうか。 理由①:今年も熱中症になってしまいました 毎年どこかでダウンします。振り返っても思い当たるフシしかありませ

    • キッチンに立つ。一緒に食べる【八百屋から見た“食”no.55】

      ※夏野菜の象徴“オクラ”が今回の表紙です※ 真夏です。梅雨明けです。 猛暑酷暑がやってきてしまいました。 東京は午前中から実測35度。夕方18時でも35度。22時で30度の日々。 2週間先までずっと同じ予報。その強烈さにゲンナリしてしまいます。 真夏はキッチンに立つ時間をなるべく減らしたい。 真夏に食事を作る全員、同じ感情同じ思考を持っているんじゃないかなと勝手に思ってます。 なにせ暑いし熱い。 八百屋店内でも「(暑すぎて)何作ろうか迷う/考えたくない」の話がおのずと多

      • トマトから透ける生産・流通小売・消費の実情【八百屋から見た“食”no.54】

        個人農家、特に少量他品目栽培の農家は、少人数の家族(チーム)経営・少ない労働力総量で多岐にわたる品目&工数をいかに効率的に合理的に労働投入少なく効率よく、栽培管理・収穫・調整・袋詰・梱包・受発注・出荷準備といった作業がこなせるかに、営農の継続(量✕単価≒売上)がかかっています。 生産や栽培にどんな理想や信念があっても結果的に上記に抗えません。 栽培品目&品種選択も、理想と作業合理性の狭間で揺れます。 大玉トマトほど形が暴れず、ミニトマトほど量が暴れない。 ヘタが残った状態

        • 病院食の実感【八百屋から見た“食”no.53】

          持病の手術で4日ほど入院しました。術後2日目に退院。 ぱっと見は健康体。歩行速度がネジ巻のおもちゃ並みです。 ぼちぼち営業再開への準備をはじめます。 (スタッフ皆のチカラをいつも以上に借ります!頼りにしてます!) 病院食というと味も素っ気もない代表みたいに評されることもありますが、 可能な限り味がつき、惣菜も毎食工夫されています。ゆっくり美味しくいただきました。 病院食の特徴は以下6項目にあります。 ①消化が良い ②しっかり加熱・冷却されていて食品衛生が保たれている ③

        猛暑と闘わない運営〜個人商店の実験と実践【八百屋から見た“食”no.56】

        マガジン

        • 店舗経営編~時代を先読むチカラ~
          23本
        • 八百屋編~2030年の食と農と食生活を考える~
          38本
        • 八百屋の現在地
          25本
        • 食の不安&こじらせ解消編~キケン情報バスターズ~
          25本
        • 野菜・食材の買い物ヒント
          28本

        記事

          都市生活の食はもっと値上がりする【八百屋からみた“食”no.52】

          毎月のように値上げのニュースが飛び交います。 物価高ではありません。今が普通。 “食”はまだまだ安いです。もっと価格帯は上がります。 コロナ禍前の20-30年値上げ幅を小さく我慢した反動。特に外食産業・食品全般・惣菜・中食は堰き止めきれません。 誰かが育て作って届けて提供される“手間”。すべての段階でヒトや動力が関わり価格に反映されます。食材自体も育てて獲って詰めて運んでの手間が価格に反映。ヒトや動力が関わる以上、値上げは続きます。 生産/製造/輸送/提供すべての段階を

          都市生活の食はもっと値上がりする【八百屋からみた“食”no.52】

          オーガニック と 政策推進 の違和感【八百屋から見た“食”no.51】

          オーガニック(農法/農産物)は、優劣を比較して自己賞賛や他者非難をするものではありません。環境負荷・特定物質・慣行農法との優劣善悪を比較/糾弾したとて解決しませんし(溜飲下げ案件でしかない)。オーガニックを選びたいかどうかは、好み(単純な好き嫌い)・生き方(ライフスタイル)の問題。要は個人の選択の範疇でしかありません。 よって、オーガニックを政策推進するという団体芸が私は大嫌いです。 “声を聞く政治”というフレーズを近年よく耳にしますが、(我こそが世間の声と主張する)少数

          オーガニック と 政策推進 の違和感【八百屋から見た“食”no.51】

          農薬不使用の栽培/食材普及を政策に嵌め込むのは無理筋【八百屋から見た“食”no.51】

          農薬を使わない栽培の最もプラスな点は【味が素直(≒品種・農地の特性・肥培管理に対して正直)】なこと。これ以外ないと言っていいです。 慣行農法との比較を各種記事で見かけますが、環境負荷面で優位かと言われると微妙です。病害虫を物理的に避ける際に使う農業資材は(トンネル・マルチ・ビニールハウスetc.)一緒。燃料も石油資材も使います。農薬に頼れない分、農業資材を慣行農法より多く使う場面もあり、大差ない(というか農業者の使い方次第)と言ったところです。 持続性(再現性・経営継続性

          農薬不使用の栽培/食材普及を政策に嵌め込むのは無理筋【八百屋から見た“食”no.51】

          梅の受難・果樹の受難【八百屋から見た“食”no.50】

          画像:和歌山の梅農家へ梅もぎに行った際の選別作業。まずは目視と手作業で落葉や不稔の実を省き、機械で大きさを選別します。 梅の時期になりました。 が。 「今年は(梅の)実がつかない」の声、そこかしこで聞きます。関東以西ほぼすべての地域で(スレ傷の実と合算しても)収穫量は平年の半分以下。傷のない秀品率はさらに下がります。 ↓2024年の不作凶作状況をわかりやすく伝えたニュースがこちら。 === 梅だけではありません。 サクランボ・桃・ぶどう・梨・柿・みかん・りんごetc

          梅の受難・果樹の受難【八百屋から見た“食”no.50】

          いま、ブロッコリーが高い理由【八百屋から見た“食”no.49】

          現代の家庭で最も食べられている(当社比)であろう野菜、ブロッコリー。 栄養価高く&量も食べれて彩りもよい。指定産地野菜の仲間入り(2026年度)でさらなる安定供給が望まれています。 ところが、今年4月~5月初めにかけての店頭価格はちっちゃーい1個298円~標準1個400円前後。つぼみもフカフカで今にも花開きそう。出荷農協も売場もベストを尽くしていますが、高いし小さいし美味しくなさそうです。なぜでしょうか。 ブロッコリーetc.の露地野菜が、年間通して同じ産地で育つことはま

          いま、ブロッコリーが高い理由【八百屋から見た“食”no.49】

          ITとヒトとの関わり方・バランス・距離感・適正化【八百屋から見た“食”no.48】

          近所にあるファミレスで目にする光景。 人手不足編でも書いたように、働くヒトが減っています。 アルバイトはひと昔前のような規模では採用できず、大手個人といった経営規模にかかわらず、常時配置が難しくなっています。 注文取りのパネル化・QRコード化は一般に普及しましたね。 さらに一歩進み、飲食産業では配膳(運搬)・会計を非対面方式にシフト。 猫型ロボット(←ん?)が出来上がった料理を運びます。 ここまで割り切った状況になり気づいたのは、今までヒトが関わる場面が多すぎたのだろう

          ITとヒトとの関わり方・バランス・距離感・適正化【八百屋から見た“食”no.48】

          美味しい野菜を食べるという推し活【八百屋から見た“食”no.47】

          GWです。 私の地元埼玉(とはとても言えない)秘境も例年になく大賑わい。 美味しい水と特産品・鮮やかな新緑・青空・川の流れ・鳥のさえずり・早朝の雲海・夜空の星。温泉・神社・絶景ポイント・体験農園・直売所・地ビールに有名ウイスキーと日帰りでも一泊でも楽しめます。 全国各地にある「道の駅」は行楽の楽しみのひとつ。 道の駅に限らずですが、農園直売所でも土産物エリアでも帰り途中のサービスエリアでもいいです。 美味しそうな見た目の野菜があったら1つでいいので買ってみましょう。 自

          美味しい野菜を食べるという推し活【八百屋から見た“食”no.47】

          続・つづけたいなら休もう【八百屋から見た“食”no.46】

          ※これまでの経緯※ 序章:2019〜コロナ禍〜2022年の経緯を書きました。 前回:人手不足という次元を超え、働き手が年100万人ずつ消えている現在(2024)を書きました。 前回お伝えした人手不足の状況と弊害について もう少し細かく、より運営に準じた話を書きます。 これまでの食品小売業界、ファーストフード・惣菜販売・スーパー・コンビニ・デパ地下・飲食店・パン屋八百屋etc.専門店といったあらゆる店舗運営は『アルバイトの人手が充足した上で運営する』が原則でした。製造にも

          続・つづけたいなら休もう【八百屋から見た“食”no.46】

          人手不足を言語化する【八百屋からみた“食”no.45】

          人口動態の統計で明らかな通り、日本人の年齢別人口が最も多いのは75歳前後の各年代。近年毎年200万人の日本人が高齢者&後期高齢者となり正社員やアルバイトといった労働市場から消えています。 かたや就職やアルバイトで労働市場に新たに参入する日本人は毎年85-90万人。 ざっくりとした計算ですが1年進むたび、差引100万人以上の日本人働き手が居なくなっています。実際の人口減以上に働き手が急速にいなくなった印象をもつ店主は多いはず。アルバイトは、すでに募集する採用する時給上げるの

          人手不足を言語化する【八百屋からみた“食”no.45】

          あなたの食生活が日本の「食の変遷」であり「未来」になる【八百屋から見た“食”no.44】

          「りんごが減ったのはなんで?美味しいのに。」という会話をちょくちょく聞きます。 霜害の不作や台風の落果。凍結・降雹・異常開花。 2018年長野千曲川氾濫・2022年青森岩木川氾濫による埋没や流出。 表年裏年等、生産者(供給側)の状況は店でもこれまでしてきました。 今回は、逆の視点から。 つまり消費者(需要側)の状況説明により、よりリアルに考察します。 ===== 皆さんに質問です(._.) ご自身が今年に入って(1月+2月)【リンゴを生で何回食べたか・食卓に出てきた

          あなたの食生活が日本の「食の変遷」であり「未来」になる【八百屋から見た“食”no.44】

          展示会でゆっくり考えてみた【八百屋から見た”食”no.43】

          先日、和食展に行ってきました。 東京農大出身なので大根画像を撮ってみました。 深い内容は専門家にお任せするとして、 【展示を見る】自体久々で、展示見ながら考えに耽る・想いを馳せる時間は動画SNS全盛の今、かえって貴重だな贅沢だなと感じました。 食を囲む時間がコミュニケートの中心だった古代〜昭和中期。何かに急かされるように栄養摂取する現在との比較に違和感と合理の両面を感じています。そしてとても大切な何かが抜け落ちているのだろうとも。 食べる時くらいは、時間を取って。 世

          展示会でゆっくり考えてみた【八百屋から見た”食”no.43】

          40代以上は気をつけよう【八百屋から見た“食”no.42】

          目の前にあるモノ・場・人・状況から連想することでヒトの判断力は育ちます。 スマホ(web)・テレビ・雑誌といったメディアを閲覧して情報を“仕入れ”たところで、誰かが発した悪い意味での「伝言ゲーム」には参加したくないし、参加するメリットがありません。 10代20代30代の皆さんは、物心ついたころからWebやスマホとの付き合い方に慣れていて、エンタメとして(≒情報の距離を置いて)閲覧できても、40代以上の方々はスマホ発信の全てをメディアだと思い込んでいて、エンタメとして見れな

          40代以上は気をつけよう【八百屋から見た“食”no.42】