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人手不足を言語化する【八百屋からみた“食”no.45】

人口動態の統計で明らかな通り、日本人の年齢別人口が最も多いのは75歳前後の各年代。近年毎年200万人の日本人が高齢者&後期高齢者となり正社員やアルバイトといった労働市場から消えています。

かたや就職やアルバイトで労働市場に新たに参入する日本人は毎年85-90万人。

ざっくりとした計算ですが1年進むたび、差引100万人以上の日本人働き手が居なくなっています。実際の人口減以上に働き手が急速にいなくなった印象をもつ店主は多いはず。アルバイトは、すでに募集する採用する時給上げるの世界観ではありません。もう居ないのです。

全国全業態・大手零細を問わず、全ての雇用主は
◇アルバイトは運営に必要なだけの人数(労働力)が確保できない
→今以上には増えない/定着しない/改善しない
→雇用側が望むような採用条件では募集にかからない
◇社員雇用も労働力の中長期囲い込みにはならない
→居続ける理由がない/人のライフステージや優先順位生き方は変わる/理念よりスキル優先/実質1年契約更新
◇ITやDXの導入は、労働環境改善や業務効率化に貢献できても、絶対的人手不足の解消には繋がらない

個人経営でも会社組織でも、慢性的人手不足の解消は難しく、所属する“中の人”の個人的頑張りに結局頼らざるを得ない現状。いつまで今の運営をキープできるだろうかと綱渡りの運営責任者がほとんどだと感じます。もちろん私もです。

もしくは、労働力総量/働き方に合わせて経営キャパシティ(仕事量・サービス提供内容・営業時間etc.)を減らす/圧縮するか、です。

社会全体でこの先1〜2年で上記全ての事象が急速に急激に進みます。

経営側はできることをできるだけやる。健康を害すほどの無理無茶は年数回に留める(←リアル)。現況を周囲に伝え相互理解を深める。どんな状況であれその繰り返しですね。小さな経営であれば“やりよう”はいくらでもあります。休んでいいです。普段から通うお客さん(ファン)は長期休業や閉店を望みません。店は続けてこそ評価されます。健康状態や精神安定は店の雰囲気に現れます。どうぞ健康的に。しんどくても楽しみましょう。

お客さん皆さんにお願いしたいのは、カツカツの人手不足の中、時短しても休業しても(廃業せず)店舗営業&サービス提供を続けるスタッフ/店主を褒めてくださると大変ありがたく嬉しいです。逆に「なんで臨時休業したの?」「この前も休みだったじゃない」とか「アルバイトもっと採用したらいい」とか「毎日開けてくれたらいいのに」「遅くまで開けてほしい」とか言われるとキツイです。想像ナナメ上の超絶人手不足の中でも、できる範囲で店を開け、やれることはmaxでやっています。どうかご理解ください。

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