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食の不安&こじらせ解消編~キケン情報バスターズ~

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ちまたに溢れる“食の情報”。みな閲覧数稼ぎたいがために、流行りのコトバで大袈裟に専門家のようにアブナイキケンと好き勝手なことを言います。さも本当かのように誇張されたチープで根拠レ… もっと読む
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記事一覧

美味しいくだものは生産者から直接買おう【八百屋からみた“食”no.38】

美味しいくだものは生産者から直接買おう【八百屋からみた“食”no.38】

果樹(≒樹木で実るくだもの)の今後は本当に厳しいです。

◆異常気象(暖冬の開花異常・遅霜の枝花凍結・台風の風水塩害・夏秋の高温多湿&病害)
◆流行病・ウイルスによる伐採。高温耐性&耐病品種への植え替え
◆生産者高齢化による労働力不足&廃業(継いでも未来が見込めない)
◆大幅な需要減(贈答文化の消滅+今まで食べていたご年配層が噛めなく剥かなくなる+元々美味しいくだもの食べたことない層)
◆生産資材

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買い物と多様性【八百屋から見た“食”no.1】

買い物と多様性【八百屋から見た“食”no.1】

いつからか出てきた多様性というワード。
「多様性こそ大切」と言われてしばらく経ついっぽう、
興味の細分化(分散)と情報化社会が相まって
【共通認識(基礎知識≒一般常識)の低下】を招いている
「多様性は大切」と朧気には皆思いつつ「分断」が進んでいて、
極論の両岸から主張し合っている・相容れない状況が進んでいるように思えるのです。

日本史・戦国史・幕末に詳しい・詳しくない
海外居住・現地事情・外交に

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八百屋からみた“食” ー序章ー

八百屋からみた“食” ー序章ー

こんにちは。noteで出会えたこと、嬉しいです。
対面販売・小売り、学生時代からずっとやってます。
いつのまにか八百屋になってそろそろ20年。独立して10年以上経ちます。

「食」の対象は広いです。とてもとても広いです。
職業柄、青果・農産物に限定しても「原料生産・食品製造全体・世界の政治経済情勢・気候変動・農法(生産技術)・流通(輸送貯蔵技術)・市場出荷/非市場出荷・法律・栄養・ブーム・外食産業

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都合のよいSDGs【八百屋から見た“食”no.4】

都合のよいSDGs【八百屋から見た“食”no.4】

こんにちは。
タイトルがまたアレですが、SDGsでもスローフードでもフードロスでもなんでもいいです。

あくまで個人の見解ですが、数年に1度新たなワードが出て、賑やかで盛り上がっていて、さぞ世の全員が知っている…ように見えるだけです。
商業上(商売上)都合よく使われて、消費の一部になり、消耗して、また新たなワードが出て。

都内の八百屋の店頭で、ずっとそんな状況を見聞きしてきました。

今話題のS

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画面の中に「解」はない【八百屋から見た“食”no.9】

画面の中に「解」はない【八百屋から見た“食”no.9】

動画・雑誌記事・ワイドショー・健康番組。
すべて“話半分”、もしくは“すべてエンタメ”と思って接してください。

特に動画配信関連。
注目を浴びたいがために『キケン』だ『危機』だと大層な見出しを付ける。過激な物言いをする。皆、フォロワーを増やし、動画再生回数を上げて収入にしたい。要は胴元が囲い込みと換金に必死なだけです。

前回投稿でいうところの
“コダワリが強い・多い”人ほど、囲い込みに弱いです

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流れる情報と人間の距離感【八百屋からみた“食” no.10】

流れる情報と人間の距離感【八百屋からみた“食” no.10】

Web動画・文字媒体・TV・雑誌・新聞・ニュース・口コミ。
さまざまなコンテンツから、リアル体験《以外》の情報を得る機会は山ほどありますが、
極論、(その人が判断できない)余計な情報を入れるだけで無益です。

先入観・固定観念にしかならない情報は不要。

本人がこれまで得た「体感/体験/事実」と、都度得る「情報」が本人の脳内で『判断』できてこそ。『判断≒有用無用の取捨選択』ともいえます。判断の蓄積

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味でつながる信頼。【八百屋からみた“食”no.11】

味でつながる信頼。【八百屋からみた“食”no.11】

産直八百屋をずっと続けて思うことです。

作り手からお客さんが食べるまで。
私が仕事とする“食”は、生産者も 消費者も 売場も 飲食店も
『味』でつながっている(から成り立つ)と思っています。

作り手(生産者・食品製造/加工業者)
売り手(卸・売場・飲食店・通販)
買い手(消費者・お客さん)

各ステージ・個々が持つ“コンセプト・こだわり”は
各自で大切にしてもらって。
【食べて美味しいという

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安全に食べる=農薬&肥料の使用不使用“ではない”話。【八百屋から見た“食”no.13】

安全に食べる=農薬&肥料の使用不使用“ではない”話。【八百屋から見た“食”no.13】

栽培期間に起こり得るあらゆる病害・虫害・天候不順を経験されながらも、いわゆる無農薬(≒栽培時農薬不使用)のポリシーを持つ生産者皆さんには敬意しかありません。美味しい状態にまで仕上げ、当店に出荷される農薬/化肥不使用の生産者も多数いらっしゃいます。本当にお世話になってます。

しかし出来上がったいわゆる無農薬野菜/農産物に対して、
“病気治す効果”とか
“栄養価高い”とか
“安全に生で食べれる”とか

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食べ物にも“ベストバイ”の習慣を【八百屋から見た“食”no.14】

食べ物にも“ベストバイ”の習慣を【八百屋から見た“食”no.14】

直近のあらゆる原材料&食品の値上がり要因は主に4つです。

①原料の供給減:稀少化・輸入減・不作
②動力費:ガソリン・電気・ガス
③輸入品:円安
④給与増:人件費上昇

小麦・大豆・食用油・砂糖・カカオ等含めた豆類は現地コスト増と円安の掛け算で値上げ続き。いま挙げた5種はほぼすべての食品でなにかしらの原材料となるため、今後も数段階の値上げが想定されます。また、輸入果物(&原料にしたジュース類)も安

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not full_organic, but delicious.【八百屋から見た“食”no.15】

not full_organic, but delicious.【八百屋から見た“食”no.15】

なにげなく並ぶ小松菜を買う。食べる。美味しい。
つぎはトマトを買ってみた。食べた。美味しい。
じゃ、りんごを買ってみた。美味しい!

表示やストーリーに特色が無くてもいい。
採れたてもぎたて、味が乗った野菜の美味しさ。
私が心がけているのは、普段遣いの美味しいお店です。

情報化社会の果て【八百屋から見た“食”no.16】

情報化社会の果て【八百屋から見た“食”no.16】

伝えなくても知っていたであろう食の知識(一般的な経験則や常識といわれる情報)の範疇が年々狭まっています。
知りたい情報を画面上で見て済ませてしまい、体験経験として蓄積されないのも一因と推察します。

大昔より、昔より、今の方が
【商品紹介・理由説明が必要で、会話の時間がかかる】事実。

自炊する。料理する。素材食材を買う。
都市部では「家でご飯を食べる」生活が、すでに非日常です。
家庭内調理がある

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お客さんが売場で“目利き”しても無意味。モノを選ぶより店を選ぼう【八百屋からみた“食”no.17】

お客さんが売場で“目利き”しても無意味。モノを選ぶより店を選ぼう【八百屋からみた“食”no.17】

秋です。りんごの収穫出荷の声を各地からいただくようになりました。
長野・青森の生産者直送。最速もいだ翌日に売場に並びます。いま(10月前半)のおすすめは「サンつがる・早生ふじ」です。

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Q. 売場でできる美味しい〈りんご〉の見分け方は?(ホントよく聞かれる)
A. 正直なところ、ありません。
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〈り

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こだわりより大切なのは【八百屋から見た食no.18】

こだわりより大切なのは【八百屋から見た食no.18】

有機JASとか
○○不使用とか
〇〇栽培とか
自然○○とか
無とか減とか。

何を志向してもこだわっても構わないけど

出荷側の冷蔵庫で
店の売場で
通販のセンター内で
自宅の冷蔵庫で

時間経つと劣化する。
外見も栄養価も食味も食感もダメにして
付加価値とか手間暇とか丁寧とか
安全とか安心とか〇〇治すとか

カネかけた意味が
あなたのコダワリ自体が消滅して元も子もなくなる。

生産者も販売者も通

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お子さんに安全な野菜を食べさせたい。【八百屋から見た“食”no.21】

お子さんに安全な野菜を食べさせたい。【八百屋から見た“食”no.21】

というご要望を慣用句レベルでいただくのですが、
仮に生育時の農薬使用があったとして、散布終了→生育→収穫→袋詰め箱詰めor貯蔵(商品化)→出荷→陳列購入と相応の時を経ます。「お子さんが安全に食べる」という観点からは【買う時点での農薬使用不使用は関与が極端に低い】ことをお知らせいたします。

農薬使った使わないを気に掛け、無農薬と言われる野菜を揃えたとして、
土埃に付着する雑菌とウイルスの問題、固形

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