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「みんなのフォトギャラリー」

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2022年10月以降に「みんなのフォトギャラリー」で私の写真を使って下さったみなさまのnoteをまとめています。 使っていただいたみなさま、ありがとうございます!とっても嬉しいで…
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#月

小説「光の物語」第101話 〜聖夜 3 〜

小説「光の物語」第101話 〜聖夜 3 〜

マティアスはシエーヌで降誕祭を迎えた。
大雪被害の対応もひと段落し、無事にこの日を迎えられたことに安堵する。
礼拝の参加者たちが到着し始めるまでの間、マティアスは城内を歩き回ってみることにした。

来客に備えて使用人たちは忙しそうだが、厨房の裏手にはたむろする子どもたちの姿がある。
きっとナターリエが手紙に書いていた子たちだ。マティアスは彼らに近づいた。
「やあ」
「あ・・・領主様・・・」
マティ

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月に彩られた君

月に彩られた君

「その美しさ。君は僕のお月様だ。物静かながら豊かな表情。多才で瀟洒な振る舞い。それにいつでも僕に寄り添ってくれて」

「当然です。貴方が見初めた私ですから」

「何よりこれだけ一緒に居て、全然裏が見えてこないミステリアスさ」

「それがサブスクリプションな関係というものではありませんか」

「拝啓、あの日のお月様」

「拝啓、あの日のお月様」

何気ない言葉に浮かんでは沈む日々
痛くも愛しい
もう戻らないのだと
ようやく気づいて泣いた

ずっと続くと信じて疑わなかった
あの日の私

お月様、どうかあなただけでも
離れないでいてほしいの
何年も何千年も
そのまま変わらずそこにいて

何気ない幸せに気づけなかった日々
今さら恋しい
もう戻れないのだと
ようやく気づいて泣いた

知らなかった感情いくつも知れたから
無駄ではなかったと信じたい

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短歌:手を繋ごうよ

短歌:手を繋ごうよ

冴えた夜を歩く二人を半分の
月が追うから手を繋ごうよ

(今日のヘッダーは素敵なお写真をお借りしました。)

月を探し歩く

月を探し歩く

娘を保育園に迎えに行く時間は、もうすっかり暗い。冬の訪れを感じる。

まぁそれがまだ明るい夏の頃でも、白っぽい月が見えてることは結構あった。空を見上げた娘が「あっ!おつきさま!おつきさま見つけた!」と嬉しそうに声を上げるのは、いかにも幼児らしくて愛らしい。
自転車を漕ぎながら、建物の影から月が顔を出すごとに「おつきさま出てきたー!」と喜べるのは、大人から見れば一種の才能ですらある。まぶしいー。月も

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すばる文学賞・文藝賞・映画『月』に、まとわりつく、週末の

すばる文学賞・文藝賞・映画『月』に、まとわりつく、週末の

しばらく日記を書くのも、控えようと何度も思っていたけれど、やはり、日々の感情のいきさつを自分でつづらなければ、申し訳が立たない気さえしてくる。

それほどに、あふれて止まらないものなどあるのだろうか。
 
 金曜日、美容室に行くことにしていた。
仕事の帰りに、いつもとは反対方向の地下鉄へ。

 金欠で行けなかった、いつもの美容師さんのところに行こうと予約をしていた。金欠が解消されたわけではないので

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【詩】風の時代 朝を迎えて

【詩】風の時代 朝を迎えて

金星と月がともに朝を迎えて

朝の茜色は雲を染める

雲は太陽の居場所を知らせ

黄金に輝いて白にかえる

白のひかりに たなびく雲は

秋の空を高く広げて

あらたな世界の水を汲み上げ

秋の空まで高く飛ばす

白のひかりに たなびく雲は

秋の空を高く広げて

あらたな世界の風はやさしく

秋の空まで高く飛ばす

「短編小説」蒼い月は見ていた

「短編小説」蒼い月は見ていた

子供の頃に描いた月は、まんまるで黄色かった。
大人になって『蒼い月』と言う言葉を耳にする。
蒼い月って、どんな月?
多分、こんな月…

すー、すー、すー
かすりの着物が板廊下を滑る音がする。
(まただ…)
ゆきは自分達夫婦に与えられた六畳間の和室から、姑の這うこの音を聞くのが嫌いだ。
ゆきの姑は心臓が弱いといって昼間は寝て暮らしている。夜になると起き上がって、這って家の中を動き回る。それは厠へ用足

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スマホにばかり見を向けていないで、たまには夜空を見上げてみると良いと思う

スマホにばかり見を向けていないで、たまには夜空を見上げてみると良いと思う

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こんにちは、旅人先生Xです。

今日は中秋の名月と呼ばれる満月の日ですね。

そこで「夜空を見上げること」について書いていきたいと思います。

良かったらぜひ、目を通していってみていただければ幸いです!

目次は、以下の通りです。

いつのまにか夜空を見上げなくなっていた自分私は小さい頃、理科が大好きでした。

実験をしたり、観察をしたりするのはどれも楽しかったです。

不思議な

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満月が怖いあなたへ。十五夜、中秋の名月をどう迎えるか。

満月が怖いあなたへ。十五夜、中秋の名月をどう迎えるか。

今日は9月29日、
旧暦8月15日となり、
中秋の名月と満月が重なる日ですね。

十五夜と言って、新月から数えて十五日目にあたり、
秋の中でも最も月が美しい時期とされています。

中秋の名月をめでる習慣は、
平安時代に中国から伝わったようで、
農業の行事と結びついてもいます。

まさに刈り取りの時期。

お芋さんの収穫時期とも相まって
芋名月とも言われています。

豊穣を祝い、天と地、
自然と八百

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ただただ、月を追いかけた

ただただ、月を追いかけた

今日は8月30日。
家族LINEに通知が入った。
「今日はスーパームーンだって。大きいよ」
兄からのスーパームーンのお知らせだった。
あたしは仕事帰りの電車の中で、大きな月を見ることを楽しみにしていた。しかし、電車を降りて買い物をしている間にうっかり忘れてしまい、2リットルのペットボトルを2本をぶらさげ歩いている途中に「ああ」と声をあげて、月を探した。

今日の月はとても低いところにあった。満月は

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満月

満月

大きな月を見た。

団子みたいな月だなと思ったけど、団子にしてはサイズが大きい。

パンケーキやホットケーキみたいな月だなと思った。

アメリカならハンバーガーみたいな月、イタリアならピッツァみたいな月と例えるのだろうか。

ブラジルやアルゼンチンはサッカーボールみたいな月というかもしれない。

他国は呼び方があるのか気になって検索してみたけれど、検索力が足りず調べられなかった。

気になる、気に

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短歌2首 ~シロクマ文芸部~

短歌2首 ~シロクマ文芸部~

月の耳澄ますを知らぬ僕は言う綺麗ですねと月の君にね

月の耳澄ますを知らぬ君の愛新月の日も届いているよ

💓🌛

こんばんは。2週間ぶりです。
小牧幸助さん、今週も、素敵なお題をありがとうございます!
今週は、趣向を変えて短歌と返歌にしてみました。
「僕」が知らないのに「知らぬ」と言っているのは、過去を振り返っているからだということにしておいてください(強引)。
小説のときはタイトルだけ、とさ

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美しいもの 循環

美しいもの 循環

風は 鳥をはこび
鳥は 種を大地にはこぶ
大地は 種を抱き 木々を育む
枝葉をのばした木々たちは うたい 風を呼び起こす

星はまたたき 月に合図する
月は 人々の闇をてらし
人々は 希望の星を胸に抱いてゆく