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小説と、コラムともエッセイともつかない何かまとめ。 それとtwitterに投稿した読み…

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小説と、コラムともエッセイともつかない何かまとめ。 それとtwitterに投稿した読み物の写しはまったり保管作業中。 使い勝手が違うので色々模索してる。 暇つぶし、雑談の種にでもなれたら嬉しいな。

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  • さっくり

    検証、考察、まとめなど、中の文章を読み飛ばしても内容把握に差し支えないもの。 また、小説は掌編以下が目安。

  • じっくり

    それなりに腰を据えて読む分量。 短編以上が目安。

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見つけてくれてありがとう

「見つけてくれてありがとう」慕っている配信者が時に嬉しそうに、時に畏まって口にしていた言葉。 クリエイターにはきっと身に染みる感慨。 だって、スマホひとつでもはや誰もが表現者。 好きを気軽に晒せるようになったことは、それを強く押し支えてくれている。 好きを気軽に探せるようになったことは、やっぱりそれを強く押し支えてくれている。 好きなものを好きと言えるのは幸せなことだし、好きな人に好きを伝えられるのも幸せなこと。 その意味なら、幸せはわりと気軽な距離まで近づいてきて

    • キスの秘密

      「サクランボの柄を舌で結べるとキスが上手いんだって」 「ああ、聞くね」 「何でだろ?」 「そりゃあ、ね。……何でだろうね?」 「キスってさ、口でちゅってするやつのことでしょ?」 「唇を重ねるやつだね」 「どうして舌が関係あるのさ!」 「あー、キスにも深い情、……いや事情があるのかもね」

      • 干す儀式

        「すまん遅れた」 「よし乾杯だ。乾杯は何度してもいい」 「「「乾杯!!」」」 「そういや乾杯って、儀式っぽいよな」 「おーよく気付いたな。承認、受容に係る呪術だよ」 「え、呪術? ……今飲んだのって」 「いや毒じゃない。契りだ。契約を飲んだんだよ」 「?!」 「さて、何の契約だったかな」

        • ぶらぶらサプライズ

          「最近さ、宛てもない散歩に嵌ってて。見慣れたはずの光景が、見過ごしてたのかそれが未知で異様に見えたりして」 「センス・オブ・ワンダーか。俺もあるよ。ただ大抵酔ってて覚えてないし、起きたら知らない場所なんだがな!」 「普通に危ないから止してくれ。それじゃナンセンス・オブ・ワンダーだ」

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        見つけてくれてありがとう

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        記事

          光るセンス

          「この人、良いセンスだわって思っても、人柄諸々とかで素直に受け入れづらいことがある」 「まあ人間だからな。そもそも人柄関係なく単純にハイセンス過ぎてちょっと真似できないなってのもあるよな」 「どんな?」 「なんかめっちゃ光ってた」 「ルミネセンスだ!」 「そう云うの?」 「どうだろう」

          光るセンス

          センシティブを知る機械

          「投稿作がセンシティブ判定くらったー」 「やったじゃん! イラスト?」 「純情短歌」 「あー、人工知能くんのセンサーにはそれでも刺激が過ぎたのか」 「感度高過ぎでしょ。感性誰が育てたんだよ」 「そりゃ創作物を学習した嗜好なんだし、人類の性癖の鏡と見れば」 「……禁忌に触れた気がするわ」 ----- 記念すべき初めてのセンシティブ判定を受けたその短歌 そのセンシティブ認定解除を巡って生まれた掌編小説

          センシティブを知る機械

          再新星

          「このアイドル、期待の新星なんだとか」 「いつまで新星なんだ?」 「先輩風を吹かすまで?」 「先輩風吹かす星」 「そこはスターって言ってあげて」 「新星は爆発の後、しばらくしてまた新星になったりするが、人間だとな」 「異業種異分野転向か、転生するか」 「人間なら違う宇宙を選べるわけか」

          再新星

          言葉の生まれる場所

          「君、この言葉、辞書に載ってないよ?」 「僕が作った言葉ですから。でも意味は通じますよね?」 「だとしてもだ」 「辞書から言葉は生まれるんですか?」 「言葉は生き物なんだ。とても移ろいやすい。だから受け継いだ言葉を一層大切にしなければ!」 「新語大賞大好き先生には言われたくないです」

          言葉の生まれる場所

          一年生のピカピカ

          「一年生ってさ、何がピカピカなの?」 「真新しさ?」 「肌艶からして違うもんね」 「未来」 「眩い! それは大人に効く」 「あとは無垢? 良くも悪くも。だから悪戯には事欠かない。コンセントにピンセット挿し込んだり」 「春雷イノセンス! そういうピカピカもあるか」 「で、雷を落とされる」

          一年生のピカピカ

          躍る小数点

          「ねえこれ、何か桁がおかしいんだけど?」 「というと?」 「数の並びはたぶん合ってる、と思うんだけどね。小数点の位置が変なの」 「あー、浮動小数点のことですね?」 「え?」 「生々流点、生き生きしてるでしょう?」 「ほんとだー。リアルタイムで動いてるー。奇想点外な才能の無駄遣いだー」

          躍る小数点

          ニードル・スケール

          「家の屋根に穴が空いちゃってさ。拳大の穴!」 「何があったの?」 「針が刺さったの」 「そんな針。……盛り過ぎでしょ。たとえ高速で撃ち込んでもそんな穴は空かないよ。それが針だとしたら、もう棒か槍だよ」 「針だって!」 「千本飲める?」 「一本だって飲めるもんか。巨人の使う針なんだから」

          ニードル・スケール

          ファッティ・タイトル

          「こぶとりじいさんって太ってたの?」 「ああ、瘤取られじいさんなんだよ」 「瘤取り鬼に瘤取られじいさん?」 「うん」 「なら、瘤取り鬼に瘤取られじいさんと瘤付けられじいさんだよ」 「それは小太りな題名だね」 「鬼が瘤だと思って取っちゃったんだ!」 「それで小太りな作品名が増えたのか!」

          ファッティ・タイトル

          あんこ大戦争

          「こしあんつぶあん論争ってあるじゃん」 「どう使うかに依るね」 「小利口はいいの」 「つぶあんはつぶしあんと小倉あんの確執が」 「さてはつぶあん派を分断する気だな?」 「それぞれに美味しいのが一番だって言ってるの。別に食べてくれなくていいんだよ? 私の桜餅」 「……それとこれとは話が」

          あんこ大戦争

          デートのハードル

          「互いを値踏みする二人から熟年カップルまで、映画はデートの定番よね」 「話さずとも間が持つし、共通の話題も持てるからね。活弁の頃もそうだったのかな。芝居よりは気軽そうだし」 「なら誘いなよ。大事そうに握りしめてるの」 「それがこっちは言うほど気軽でもなくて。汗を握りしめてるところ」

          デートのハードル

          シネマ・コンプレックス・コンプレックス

          「やっぱ映画館と来ればこれだよな」 「何でポップコーンなのさ」 「持ち込みを禁じて客単価を上げたんだと。咀嚼音が小さいし、掃除も楽」 「ならポン菓子でもいいだろ」 「経費とアメリカ演出かな」 「拝米なのに米は蔑ろかよ」 「それ巧くないぞ」 「ポン菓子は美味いだろ」 「ポン菓子は美味いな」

          シネマ・コンプレックス・コンプレックス

          とにかくフィルムは燃えやすい

          「そりゃセルロイドはニトロセルロースだからな。けどもうデジタルが主流だろ」 「デジタル化は一方で大衆の声を明瞭に可視化、増幅した。スポンサーがそれを気にしないわけもなく、大作ほど無難に寄りがちに」 「デジタルの燃えやすさな。だが無反応なくらいならいっそ燃えた方が」 「やけくそかい」

          とにかくフィルムは燃えやすい