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小説と、コラムともエッセイともつかない何かまとめ。 それとtwitterに投稿した読み…

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小説と、コラムともエッセイともつかない何かまとめ。 それとtwitterに投稿した読み物の写しはまったり保管作業中。 使い勝手が違うので色々模索してる。 暇つぶし、雑談の種にでもなれたら嬉しいな。

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  • さっくり

    検証、考察、まとめなど、中の文章を読み飛ばしても内容把握に差し支えないもの。 また、小説は掌編以下が目安。

  • じっくり

    それなりに腰を据えて読む分量。 短編以上が目安。

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見つけてくれてありがとう

「見つけてくれてありがとう」慕っている配信者が時に嬉しそうに、時に畏まって口にしていた言葉。 クリエイターにはきっと身に染みる感慨。 だって、スマホひとつでもはや誰もが表現者。 好きを気軽に晒せるようになったことは、それを強く押し支えてくれている。 好きを気軽に探せるようになったことは、やっぱりそれを強く押し支えてくれている。 好きなものを好きと言えるのは幸せなことだし、好きな人に好きを伝えられるのも幸せなこと。 その意味なら、幸せはわりと気軽な距離まで近づいてきて

    • パスト・タイム推して参る

      「ああどうしてあんなことを。あの時に戻ってやり直したい」 「後悔は大人への通過儀礼です」 「へ?」 「来ちゃいました」 「どちら様?」 「往にし方から来た過去です。過ぎた時に戻れないあなたに、過去の方がやって来ました」 「本当に? 何か証拠は?」 「……参りにけり?」 「警察呼びますね」

      • デジタル廃墟

        「廃墟とは人と自然が生み出す至高のアート。手入れから離れた人工物が自然に侵されてゆく。それはさながら熟成酒の味わいよ」 「ならこれはどうだ?」 「更新の途絶えたサイト? 規格に置き去られ、徐々にエラーに埋もれ、やがて訪問も叶わず痕跡も残らない。自然の手入れもないのに確かに廃墟だ!」

        • 黒猫権現の戯れ(まとめ)

          黒猫権現が戯れるこっそりを描く掌編小説『黒猫権現』シリーズのまとめ pixiv版はこちら ↓ 「不吉」に救われた話黒猫権現の戯れ #1 139字 糾える縄の如し。テーマ「猫」の140字トライアル。 黒猫権現の戯れ黒猫権現の戯れ #2 138字 そっと貸し与えられる猫の手。テーマ「猫」の140字トライアル。 恐ろしい偶然黒猫権現の戯れ #3 139字 不吉な幸運が重なれば。テーマ「偶然」の140字トライアル。 黒猫権現の腹いせ黒猫権現の戯れ #4 138字 こっそり押

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        記事

          猫好きさんは試される

          「猫と和解せよ」 「私これでも今までどんな猫とでも秒で打ち解けてきたの。叶うならスミロドンから眠れる獅子、翼ある虎に猫又、果ては猫被りまで、いかなる猫とも手を繋ぎたいと思ってる。そんな私が一体どんな猫と揉めるのかにゃ?」 「泥棒猫と和解せよ」 「それは無理。……そんなの、無理だよ」

          猫好きさんは試される

          眠の懊悩

          「就寝チャレンジに失敗するのと、夢の中で自分の睡眠不足を嘆くのとならどっちがいい?」 「寝れてる分だけ後者かな」 「よろしい。正直者のおまえには、就寝チャレンジには失敗するし、たとえ寝付けても自分の睡眠不足を嘆く夢を見る体を与えよう」 「結構です。どうか安眠をくださいどうか切に!」

          眠の懊悩

          ヘソ天よ、仰げば尊し佇まい

          「ヘソ天って何なん?」 「猫とかが仰向けに寝る?」 「なら仰向けでいいじゃんか! 何だよヘソ天て。ゲソ天か天界、天部の諸尊の一つかと思うだろ」 「なら臍の天使でもいいわけか」 「お臍の天使ヘソミエル。……これは局地的信仰が篤くなるな!」 「雷様には用心だな」 「そこはくわばらと祈ろう」

          ヘソ天よ、仰げば尊し佇まい

          お疲れドーニング・コーヒー

          「課題終わりー。って雀鳴いてるー」 「お疲れ。コーヒー飲む?」 「飲むー。どうせ夜明けのコーヒー飲むならさ、色っぽいのが良いよね」 「それ告白?」 「あーそっか。そうだね」 「でもそれさ、言葉通りなら体だけの関係ってことに聞こえない?」 「うーん。……そうか」 「そこは否定してくれよ」

          お疲れドーニング・コーヒー

          朝を返して

          「朝起きれない。もう世界から朝を取り上げるしかない」 「朝起きれない? 寝なければいいんだよ」 「その道は遥か昔に通り過ぎたのだ」 「朝が来ないってどうなるの? 夜が明けないの? 日が沈まないの?」 「ん? ん-。……すぅ」 「それ、それをしよう。夜更かし前に。きっと朝が手に入るよ」

          朝を返して

          朝泥棒

          「おはようございました!」 「昼だからな。もう将来の重役の練習では通用せんぞ?」 「また盗まれまして」 「ひったくり犯の確保なら七人目か?」 「朝を盗まれたんです。春に活動するはずが花粉症を患ったらしく、最近は夜更かし者を狙っての犯行に」 「よし。盗難届か反省文、好きな方を提出しろ」

          毎日乗り合わせたあの子

          「高校時代にさ、登校時に毎日目が合う同じ中学の子がいて。一貫でもないのに高校も同じ。でもどっちもクラスは離れてて」 「これは何かが始まる予感?」 「いや何も。陽でもない純情多感な高校生に無茶を。事実でも大概そういうもんよ」 「でも私、そういうのが大好物なの」 「あまり嬉しくない需要」

          毎日乗り合わせたあの子

          興の微睡み

          「じゃあ何? あんた遊ばれてたってわけ?」 「遊ばれるところだった、ね。夢見てるだけで済んだわけ」 「夢で良かったね。こうして無事に醒めたわけだし」 「夢で良かったのに。夢のままのあの人だったら」 「いやー幻滅だわ。まさかそんな人だったとは」 「ほんと幻滅だわ。自分の見る目の無さに」

          興の微睡み

          君のいる世界、君のいた世界、君のいない世界

          「俺の助けが必要か?」 「困難を前に途方に暮れる俺。そこに颯爽と現れ、事情も取り敢えず手を貸してくれる親友のお前。お蔭で目的を遂げる」 「もうお前に俺は不要だな」 「そう言って消滅するお前を目に叫んだまま俺は目を覚ます。夢オチ。だからこうしてお前と話して。……?! おい冗談だろ?」

          君のいる世界、君のいた世界、君のいない世界

          幻想懸想癖

          「世界は五分前にできたのかも知れないし、その時間自体が存在しないという説もある。実在の実感さえ不確かで頼りない世界で、実体や質量の有無に拘ることにどれほどの意味があるのかな」 「そうやって定型の反応しかしない二次元女を口説くわけ?」 「幻を幻として愛せるのは人間の特権だと思うんだ」

          幻想懸想癖

          ぽんぽんハラスメント

          「頭ぽんぽんされたー」 「セクハラだよそれ」 「別にセクシャルとは思わなかったよ。関係性や状況にも依るのかな。子供扱い? とは思ったけれど。まあ親子ほども歳が離れてれば、子供も同然だよね」 「訴えないの?」 「別に」 「訴えようよ! 私もぽんぽんされたの。許せない」 「頭?」 「肩!」

          ぽんぽんハラスメント

          うきうきカバー・アップ

          「好きな子の誕生日に気の利いた贈り物をしたくて、漫画で良いなと思ったプレゼントの実験台にしたんだ」 「照れ隠しか」 「透明な瓶に金平糖を詰めたんだ。見て楽しく、日持ちする消え物だから後腐れが無い。まあ元ネタ即バレだったが反応は上々でな。真似してくれていいぞ?」 「照れ隠し下手か」

          うきうきカバー・アップ