【未経験OK!?】転職活動時にやめておこうと思ったweb系の求人例【採用側も知ろう】
段々、年齢を重ねると共に、後輩から『先輩って、今、フルリモート・フルフレックスでしたよね?自分もweb系に転職したいんですけど…』と、相談も受ける事も増えてきました。
世の中はフルリモート廃止の流れも出ていますが、web系ならまだリモート制度やそれにあわせたフレックス制度が生き残っている会社もある…。
という事で、後輩の求人探しに付き合う中で、『これは大変なんじゃないかな?』と思った求人の特徴を、実際に『web系』を経験した私が具体例と共に紹介します。
転職を考えている人は、求人選びの参考に、求人を募集したい人は、人材入社後のifルートの参考として読んでくださったら嬉しいです。
こんな求人は、応募をやめました
【1社目】webデザイナー不在の、少数精鋭な宝飾メーカー
自社でアクセサリーを企画・販売する会社。オンラインストアの強化の為、増員募集する、という事ですが…。
■応募をやめたポイント
自社企画のファッション商材は、こだわりが強いのはきっとそうだと思うのですが、その『こだわり』が応募者にもわかる様なサイトや商品紹介ページがありませんでした。
今までの経験上、少数精鋭の会社は、こだわりや強みは、教わるのではなく、会社にいながら知る!という所が多く、そうなると、先輩デザイナーがいない中で、こだわりを言語化し、ビジュアルに落としていくのは結構大変なのでは…?!と思いました。
それに、後輩は結婚を機に転職するのに、転職先の募集理由が、出産を機に退職…となると、求人側からの求める人材像も、彼女とは少しズレがある様に感じます。
■入社後のあるあるルート
多分、社長のこだわりをきちんとヒアリングできる人材なら大丈夫なのかもしれません。
でもそもそも、商品ページだけ単体を改善して売上に直結するか?というと、そうでもなかったりしますよね。
結局、デザインとともにマーケティング担当者としての能力も問われるだろうな…と思うと、少数精鋭で教育コストもそんなに掛けられないであろう会社はハードルが高いかも、と感じます。
【2社目】商品企画や広報はデザイン業務に慣れてきたら!なフラワーショップ
ECサイトを中心に全国のフラワーギフトを製造・販売する会社。自社サイトやショッピングサイトでの売上の増加に伴い、増員を募集中で、PCスキルは基本的な操作ができればOK、との事ですが…。
■応募をやめたポイント
商品企画や販促企画、広報、広告運用や効果測定は、いわゆるwebデザイナーやwebディレクターでもカバーしきれない、マーケティングやブランディングの範囲にも食い込むかなり幅広い業務内容だと感じました。
それだけならまだいいかも知れませんが、加えて繁忙期には花の制作や梱包もあるとの事なので、ポジション的にかなりバタバタしてしまうと感じました。
サイトの雰囲気も見る限り、内部に先輩デザイナーも居ない様子…。そうなると、給与の割にかなりハードそう。
花好きな彼女の持ってきた求人でしたが、そんな指摘をしました。
■入社後のあるあるルート
今回の様な、マーケティング的思考も求められるポジションだと、社内に同様の知見を持った人が居ないと、『いつも忙しそうだけど何をやっているか分からない人』になってしまいそう…。と思います。
何をやっているか分からない、と社内のメンバーに思われてしまう事の恐ろしさとして、仕事量が周囲に分かってもらえないからどんどん仕事を振られたり、その働き分をきちんと評価してもらえる社内の評価基準がなかったりする点。
彼女は正社員として働きたいとの事だったので、そういった観点からも意見を伝えました。
【3社目】新規事業部を立ち上げる、老舗食品製造会社
ある意味、社内メンバー内でしか共有されていないナレッジがある会社より、新規事業立ち上げなどで、ナレッジが0ベースの会社の方が、色々とやりやすかったりもしますよね。
創業が長いけど、新しい事をやりたいという会社は、その分自由度も高い社風だったりしますが…。
■応募をやめたポイント
未経験OK、ECサイト経験者や、webディレクションの経験者は優遇する…、との事でしたが、『新しい知見で会社全体を引っ張って行って』という部分がちょっと心配になりました。
今の販売経路は、オンラインストアが中心との事でしたが、そちらもだいぶ古いデザインで、FAX注文なども受け付けている様子。
在庫管理とか、どうなっているのだろう…。
おそらく、入社後『社内で一番PC周辺の事がわかるweb担当者』として、Excelなんかの相談も来たりする予感がします。
実際、細かく要項を見ると、歓迎する人材の所に、DX化の推進経験の項目なども…。
個人的に、デザインもExcelも満遍なくできる人材ってなかなか出会った事がありません。
中小企業は、部の垣根もあまり無かったりするので、実際に入社したら、今の事業のDX化の作業までカバーしないといけない様に感じました。
■入社後のあるあるルート
ナレッジが0の状態で、自分達で事業を作っていける…。という点までは良かったものの、蓋を開けてみれば、思っていたより既存の事業のタスクが多く、苦労するなんて事も。
もちろん、新しく入ったメンバーとして積極的に事業に関わる事は大切ですが、せっかくデザインスキルを持って入ってきたのに、実際に現場で重宝されるのは、DX化に役立つ様なExcelスキルだとしたら、応募側も求人側もミスマッチで苦しくなってしまうのかなと思います。
経験的に、同じ様な経緯の募集でも、新規事業部の中のデザイン担当や、広報担当など、細分化されている求人の方が、入社前後のイメージギャップが少ない様に感じます。
【4社目】オンライン勉強会サポートもバッチリな、OEM中心のニット製造会社
中小企業は教育コストがかけられない所が多い…と言いつつも、リモートやフレックスを推奨している会社には、その辺りの意識が高い企業も。
この会社は、責任者候補を募集している事もあり、比較的給与も良い求人、かつ未経験もOKだったのですが…。
■応募をやめたポイント
リモート勤務OK、研修体制も整っている、社内にデザイナーもコーダーもいる、業務範囲も比較的絞られている…。でも何故だろうこのざわめき。
あ、分かった。実際に社内にマーケティング経験者がいないから、研修後が厳しいんだ。多分。
そして、『ブランディング活動』というのもポイント。実際、マーケティングとブランディングの知見ってかなり違うので、責任者としてKPIを立てながらその両軸をまわすってかなり大変ですよね。
■入社後のあるあるルート
制作部が既にある会社は、制作部のメンバーがある程度マーケティングやブランディングの知識がある事もあるかと思います。
でも、その知見は本で得ただけで、実務レベルまでいかないスキルだったりする事も…。
加えて、そういったメンバーが既にデザイン作業に大半のリソースを割いている場合、新しいメンバーの仕事に対し、ツッコミは入れられるけど、具体的なサポートは出来ない、という状況になる事も考えられます。
そうなると、社内でナレッジも方針もバラバラなまま、プロジェクトも指摘の分だけ迷走してしまいがち。
こうなると、ブランディング活動どころか、社内のナレッジを集約して、方針を決める、というチームマネジメントから始めないとプロジェクトがうまく動かなくなってしまう様に感じます。
中小企業は、オーバースペックじゃない程度に色んな事ができる人材がほしい
今まで紹介した様な、DX化の作業やwebサイトのデザインやコーディング、マーケティングやブランディング、そしてそれらが反映されたSNSの広報業務ですが、これらを本当に1人で全部できるとしたら、かなり貴重な人材だと思います。
今回の求人は、大体月20〜28万円前後の給与レンジでしたが、企業が求める事が全部できる人材は、月40万円位の給与レンジの方になります。
じゃあ、企業側が無理な事を言っているだけ?というとそうではなく、中小企業ってどうしても人員の関係で、作業が分業化できなかったりするのですよね。
特に、何かしらサービスを拡大しようとしている企業や、新規事業を立ち上げようとする企業は、月40万円の人材を雇う余裕はないけど、月20万のクオリティでいいから、月40万円の人材が出来る事を全部やってほしい!という構図が出来がちです。
全部出来なくていいから、全部やって!という矛盾
その構図には、『全部出来なくていいから、全部やって!』という矛盾があります。
そして、その矛盾の中で恐ろしいのは、『誰も正解がわからない事』。
分からないなりに、出来る事はたくさんあります。試行錯誤だって出来ます。
でも、失敗した後に、どういう風に改善していくか?この領域はもうモロにマーケティングやブランディングの戦略の部分の話です。
最初は改善点も分かりやすいかもしれません。でも回数を重ねるごとに『何故うまくいかないんだ?』がサイトに分析ツールを入れて、分析しないと分からなかったり、商品や広報、販売ツールさまざまな経路の関係性が複雑化する事により、改善に繋がる深度での思考が出来なくなっていきます。
結果、誰も改善の正解が分からないまま、同じ所をグルグルとまわり続ける様なwebの運用になり、結果的には月20万円のバリューにすら辿り着かない『なんだかいつも忙しそうだけど、それだけの状態』になってしまうのです。
それはとても悲しいので、後輩の様なデザインスキルやPCスキルを持つ人のweb系への転職は、webデザインならwebデザインのみ、webディレクションならwebディレクションのみで職務範囲が業種ごとに決まっている場での転職をまずは勧めています。
中小企業が求める『痒い所に手が届く』人材は存在しない?
本当に全部出来る人材はオーバースペックで雇えない、でもなんとか事業は推進しないといけないし、どうすれば…?結局、実務レベルに対応できるまで教育しながら頑張ってもらうしかないのか…?と、中小企業の採用担当者の方は思っているかもしれません。
結局、中小企業の採用担当者の方が欲しているのって、マーケティング、ブランディング、企画、広報、デザイン、コーディング、分析改善が出来る、小回りの効く、痒い所に手が届く人。それで事業を推進できたらベスト!
でも、現実的にそんな人材はなかなかいない…。という事で。
『レンタルweb担』なら、丸っと頼める丁度良さ
そんな矛盾をもつ中小企業の方向けに、web周辺のあれこれをサポートするオンライン人材アサインサービスをご用意しました。
web施策やマーケティングを強化したいけど、もう⼀⼈、経験者を採⽤するものハードルが⾼い…。出来る⼈を採⽤しようとするとオーバースペックで、給与が合わない…。という会社様に活用いただいています。
求めていらっしゃる、『この辺はデザイン作業をお願いしたい』、『この辺はどんな施策が合うか教えてほしい』、『社内のDX化を手伝ってほしい』と言ったお悩みを、定例やチャットを通じ、webのプロが対応します。
アサインされるメンバーは、エンジニア歴10年以上、 デザイナー・ディレクターは、歴8年以上の管理者相応の経験者。
資料ダウンロードはこちら
こちらのサービスは月額20万円からの定額サービス。
人材教育のコストや採用活動の手間暇をかけずに、 最短3営業日からサポートが開始できます。
『管理者相応のweb経験者』はそれこそ給与レンジ40万円〜のプロ。
常駐型のサービスではないとは言え、必要な時にスキルやナレッジを提供する方式なので、今回のような、『とにかく色々やらなきゃいけない!』という新規事業推進中の企業の方にはマッチ度が高いサービスだと思っています。
業務のお任せも、社内の内製化も可能です
また、こういった月額サービスで不安なのが、『一度頼み続けたらもう社内ではできなくなっちゃうの…?』という点。
レンタルweb担は、実務を丸っとお任せいただく事も、社内の内製化をゴールに活用いただく事も可能です。
担当するメンバーは社内の仕組み化も得意。ご安心してお任せください。
■資料ダウンロードはこちら
具体的に、web担を通じ、私たちがどんなお手伝いができるかや、どういった事からお手伝いをさせていただくと効果的なのか等の情報整理は、オンラインでの無料相談会での、すり合わせも可能です。
■無料相談会でwebの悩み事をとりあえず話してみる
オンラインでの無料相談会では、実際にアサインされるエンジニアやデザイナーが、『web周辺のお悩みの壁打ち』として、 『依頼するほどじゃないけどwebでこういう部分に困っている』、 『なにからやったらわからない』といったレベルから、お困り事をお伺いさせていただきます。
今後のweb戦略の頭出しにでも、壁打ち的に使っていただけたら嬉しいです。
選んで良かったなと思う場所で働きたい
こうして見ると、転職する側も、企業側も、大変ですよね。
それぞれ、色んな理想があるけれど、入社後になんか違ったな…。と思ってしまうのはお互いにとって悲しい事。
仕事って、成人してから大半の時間を費やす、人生に色濃くのこるものだからこそ、皆が自分でより良い人生やマッチングを選べると良いな。
ここに居られて/居てくれて良かったな〜って思う瞬間が一瞬でもあったら、転職する側も、企業側も、転職活動は成功だと思います。
後輩も、彼女の才能がマッチする職場を見つけられます様に。
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