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地方ローカル鉄道の危機に、サブスク制度で存続できないか考えてみる~北海道沼田町の鉄道ルネサンス構想~

地方ローカル鉄道の危機に、サブスク制度で存続できないか考えてみる~北海道沼田町の鉄道ルネサンス構想~

「これからの時代は発想の転換が必要になりますよ」
 およそ30年前くらい、鉄道会社の新人研修の担当講師からこのように言われたことを今でも覚えている。当時から鉄道事業の経営状況は良いとは言えず、特に地方ローカル線の利用者が少なく赤字体質となっていた。

 配属となった現場では、多くの先輩社員から「なんで、うちの鉄道会社に入ったの?」と言われ返答に困った。さらに現在はコロナ禍により全国で路線の廃線議論

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国語ってなぜ学ぶの?という問いに、どう答えればよいのか悩んだときのエピソード

国語ってなぜ学ぶの?という問いに、どう答えればよいのか悩んだときのエピソード

「国語ってなんで勉強するの?」
もし、子供からこんな質問をされたら、みなさんどう答えますか?
今回は、僕のエピソードを交えつつ、とある著名人の名回答をご紹介したいと思います。こんな美しい答え方があるんだ...そう思わざるを得ません。

ひとまず、こんな息子です質問への回答の前に、少しだけ背景を説明しますね。

小学生になる僕の息子が、なんでそんな質問をしてきたのか?
それは、彼の「好き嫌い」がはっ

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国語の教科書熱、再燃。

国語の教科書熱、再燃。

小中学校で大好きだった授業、それは国語。
年度はじめに国語の教科書が配られると、嬉々としてまずペラペラとめくる。
うわーこの話、面白そう。早く読みたい。気になる〜
ダメダメ、先に読んでしまうと授業が面白くなくなってしまう。やっとの思いで読むのを我慢する。それを毎年繰り返していた。
 

1.ふたりはともだち アーノルド🟰ノーベル作

一番初めに感動した作品は、小2の教科書に載っていたがまくんとか

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ZINEを作ってる人にお話を聞いた!/文学フリマに出店するまでの道

ZINEを作ってる人にお話を聞いた!/文学フリマに出店するまでの道

文学フリマに出店申し込みをしたものの、出品する作品をどんなふうに/何を/どうやって作ればいいかさっぱりわからない。なのでイベントに参加していろいろ見てみたい、あわよくば教えてもらいたいと思った。

関西で開催のものを探して、見つけたのがこちら。

当日は初めての環状線に乗って、2時間弱ほどかけて大阪のイベントに参加した。

結論から言うと、めちゃくちゃ楽しかった! 大人ばかりのイベントでこんなピー

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【書評】夏目漱石『門』は暗くない。実はポジティブな小説である。

【書評】夏目漱石『門』は暗くない。実はポジティブな小説である。

ロッシーです。

夏目漱石の『門』を読みました。

言わずもがな、『三四郎』『それから』『門』の漱石三部作の最後の作品ですね。

夏目漱石の作品に関する論文は、それこそ腐るほど存在しています。彼の文学作品に関する論文がまた別の論文を呼び、結果として関連する研究がどんどん積み重なり、圧倒的なシェアを獲得していくわけです。いってみれば、日本文学におけるGAFAMみたいなものですね。

そんな状況ですか

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言霊信仰=文学というグノーシス

言霊信仰=文学というグノーシス

『犠牲の森で: 大江健三郎の死生観』菊間晴子

図書館本なのでそろそろまとめて返却しないと。犠牲というのは大江健三郎が時代の犠牲となったものを作品に取り上げながら(動物の犠牲というメタファー)生きた戦後世代の学生運動とか三島由紀夫の自決とかそういう歴史を動物をメタファーとして、ナショナリズムの中心の物語には回収されない辺境の物語として四国の森の鎮魂としての物語が描かれたのだと思う。

それは大きな

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シンプルさは究極の洗練である

シンプルさは究極の洗練である

日本画、特に墨絵においては、何も描かれていない表現されていない場所を意識させられることが多いとおもう。
実はそれは空間的な間(ま)や余白なのです。

鑑賞者へ表現者から心の余白が用意されているのです。
それが余韻や解放感を見る者へ与えてくれるのですが、周到に用意された隙間や空間がその役を担う表現法で日本人はこの感覚を余白に価値づけたのです。

空間においてあるもの同士の間の空間は隙間である。日本の

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土を踏む

土を踏む

直に触れることの意味田舎育ちが比較的長いせいだろうか、自然に触れるのが好きだ。
その影響か、直接触れることを大事にしている。

昨今、リモートで出来ることが増えた。
それはそれでとても良い事ではあると思う。

今までわからなかった事、出来なかった事が出来る。
時間の短縮が出来、効率も良くなった。
得られたものも多い。

反面、それによって失われたものも多い。
直に触れるとわかる事が沢山ある。

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文明開化をちがう角度【井上ひさしの名言】

文明開化をちがう角度【井上ひさしの名言】

本日の名言井上ひさしさんってどんな人?小説家、劇作家、放送作家です。鋭い風刺とユーモアで人間と社会の在り方を問い続け、「現代の戯作者」とも呼ばれています。生涯に100を超える戯曲と小説を世に問いました。

私の説明おはようございます。

2024年2月16日

情報の氾濫っていわれて。

今の時代そうですよね。

このブログも数多のブログや名言から行き着いた人達がいると思います。

情報が氾濫して

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読書感想 『苦役列車』  「正直を極めることの美しさ」

読書感想 『苦役列車』  「正直を極めることの美しさ」

 その作家は、21世紀には、もしかしたら珍しい存在になった「私小説作家」であることは知っていた。それは、芥川賞受賞会見での受け答えでの印象とも真っ直ぐにつながっていた。

 それでも興味がありながらも、読めなかったのは、自分が、ちょっと怖く感じていたのだろうと思うけれど、その西村賢太に関するドキュメンタリーは見た。

 その中で、著名な人だけではなく、いわゆる西村賢太のファンでもある人も出てきて、

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ことばについて探究する人間(4,000字)

ことばについて探究する人間(4,000字)

 中学校・高等学校国語科教育論の入門的内容であり、詩の授業方法論です。中等国語科教育法で「国語科の学習をつくるための重要事項を考える」と題して行ったこともあります。谷川俊太郎「はる」を取り上げていますが、別の詩教材を使うこともできると思います。
 この文章は、2021年3月に佐賀県中学校教育研究会国語部会が発行した『創立六十周年記念誌』に特別寄稿として掲載されており、それが初出になります。掲載にあ

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檸檬読書日記 カフカは人形になって、夏目漱石はぽこりぽこりと、秋は蘇る。 1月29日-2月4日

檸檬読書日記 カフカは人形になって、夏目漱石はぽこりぽこりと、秋は蘇る。 1月29日-2月4日

1月29日(月)

ラリッサ・トゥーリー・文、レベッカ・グリーン・絵『人形からとどいた手紙 -ベルリンのカフカ』を読む。絵本。

作家のフランツ・カフカは、ある日人形をなくした女の子と出会う。
悲しむ女の子に、カフカは人形から手紙を預かっていると、何通かの手紙を渡すのだった。

この話、実際にあった出来事を元に、現代風にアレンジ(特に手紙の内容を)しているものらしい。
カフカといえば、不条理だの救

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こころ【読書感想②】

<先生の言う「明治の精神に殉死する」とは、どのようなことだろうか?>

【民衆の思想対知識人の思想?/先生にとっての明治の精神とは】

『こころ』で明治という時代は〈自由と独立と己とに充ちた時代〉と称されますが、私は明治の時代といえば帝国主義のイメージを持っています。それは西欧社会を真似た国力増加の社会の動きは個人(己)よりも国家を優先する姿勢に見えるためです。また「私」の父に関する下記の文からは

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宮沢賢治さんからの学び~岩手県花巻市・宮沢賢治記念館~

宮沢賢治さんからの学び~岩手県花巻市・宮沢賢治記念館~

宮沢賢治館宮沢賢治記念館には、何度か訪れていますが、今回気になったのはこの展示です。

農民芸術概論綱要農民と芸術、なんだろうね。
そう思って読み始めた展示だったけど、帰りには一冊の本を購入しました。
それは昭和50年に発刊された『宮沢賢治農民芸術概論綱要』。
令和4年に第17版が発刊されたと記されています。

略年譜が付いても27ページの薄い冊子ですが、ずっしりと重みの感じられる内容だと思って購

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