さんさ

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ウェブ系おしごとの会社員で3児の母。 日々の読書記録を中心に。 ジャンル問わず、読みたいと思える本と出会えることがよろこびです。 #読書感想文 #ワーママ #アラフォー

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  • 本と私

    本の読み方、本の整理法、本の選び方…… 今の自分と本について、あれやこれや書いた記事たち

  • 課題感から読むビジネス書

    目の前の仕事は課題感だらけ。 ヒントが欲しくて逆引き的に読むビジネス書から学んだことを書きます。 組織開発・プロダクト開発のプロジェクトマネジメント系多め。

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サイトマップ|さんさ読書感想文の索引

このアカウントでは読書感想文を中心に記事を更新しています。 記事の本数も増えてきましたので、以下にこれまでの記事をジャンル別(記事公開時系列降順)にまとめました。ジャンルは個人的な分類に基づくものですので、多少の認識の差異はご容赦ください。 書名をクリックすると読書感想文記事ページに遷移します。 興味のあるものを中心に読んでいただけたらうれしいです。 [2024/4/13時点] 文学🆕『水中の哲学者たち』[エッセー] 🆕『コーランを知っていますか?』[エッセー] 🆕『忘

    • 当たり前に気づき受け入れられるか──『シリコンバレー式超ライフハック』読書感想文

      図書館で見かけてパラパラっと読んでみる。 いくつか「そうだよなあ」と思った点をピックアップ。 「やって」「力にして」「自信にして」、それをモチベにしてまた「やる」人間の主要な動機である「個人としての自由の追求」を阻むもの──自己抑圧と社会的抑圧。その二つの障害を克服できる手立てが、能力─自信ループを発展させることだという。 「自分のできることを究める」実用から追求と、「自分がやりたいことを究める」願望からの追求など、アプローチの別はあるものの、今の状態を抜け出すにはやるし

      • 特に財政政策は不満タラタラ──『資本主義と自由』読書感想文

        本書の解説で、東洋大学教授の高橋洋一氏はこのように書いている。 自由主義を軸として政治・経済の政策への提言がなされる本書。今ではもはや常識のようになっている内容もあるので、上記のように「書かれた時代を踏まえて」読む必要がある本だ。 ケインズの理論への批判が根本にあるという。私はケインズの理論を良く知らないのだが、そんな私でももうちょっとお手柔らかに……と感じてしまうほど徹底した自由主義支持の立場から、過去・現行の政策を批判し、市場に対し政府が介入すべきところ、してはならな

        • 共通言語を獲得する──なぜ読書を続けるのか

          私が読書が好きな理由を、以前このように書いた。 くらしの中で、また違う角度から「こういうのも読書の良さだな」と思うことがあったので、補記的にここに書き留めておこうと思う。 *   *   * 最近、引っ越して新しい人との出会いが増えた。 (引っ越し後1週間で、ご近所さんや子どもたちに関係する先生、友だち、保護者など含めると、直接会話した人だけでもゆうに30人を超える……) 新年度なので、仕事でも新しい人と会う機会が比較的多い。 要は、いろいろな年齢の、立場の、性格の

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        • 当たり前に気づき受け入れられるか──『シリコンバレー式超ライフハック』読書感想文

        • 特に財政政策は不満タラタラ──『資本主義と自由』読書感想文

        • 共通言語を獲得する──なぜ読書を続けるのか

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          私のリセットボタン──『かぞくのじかん』雑誌感想文

          主婦雑誌のすすめ今まで3回の育休を取得していますが、育休中は給料も減るし「節約でもするかな!」「家事ちゃんとやるかな!」と主婦モード全開になっていた単純な私。 けっこう好きなんですよね、細々管理するのも。働きはじめたらとたんに「多少汚くても死なないから大丈夫」と、ザルですが。 ということで、お休み中は働いている時にはあまり見ない、いわゆる『主婦雑誌』を借りたりwebマガジンで読んだりしていました。 一口に主婦(というか仕事の長短や有無に関わらず家庭を持つ女性)といっても、雑

          私のリセットボタン──『かぞくのじかん』雑誌感想文

          狂気の中の正気──『南京の真実』読書感想文

          南京事件の時、南京に駐在していたドイツ人の商社員であり、南京事件中の通称「安全区」の責任者であったジョン・ラーべ氏の手記をもとにした書籍。 この事件に関する南京の被害・犠牲者はさまざまな説がある。 中国側・日本側の言い分は、被害者・加害者としての当事者であるという背景を多分に含んでおり、事実が歪められているという印象を受けるものが数多くある中、いわゆる当事者でない第三者として現場を経験したラーベ氏の手記は、彼が目にした範囲の物事は少なくとも確実に起こっていたと多くの人に知ら

          狂気の中の正気──『南京の真実』読書感想文

          そもそも戦略ってなんだっけ──『MBAの経営戦略をざっと10時間で学べる』読書感想文

          MBAは「ビジネスパーソンなら知っていて当然」と言われる独自の用語が多く、それらがインプットの障壁を高くし、学習者の頭の中をごちゃごちゃと複雑化する原因なのではないかと思う。 少なくとも固有名詞の暗記を苦手とする私にとっては、そこが大きな壁である(そしてこの知識は実務に還元していくことが目的なので、覚えるだけじゃもちろん意味がない)。 事業の戦略立案フェーズでよく耳にする言葉がいったいどういう役割を担っているのか、全体を整理して覚える必要があるな……と思っていたところでこの

          そもそも戦略ってなんだっけ──『MBAの経営戦略をざっと10時間で学べる』読書感想文

          この哲学を、どのように用いた?──『空海の哲学』読書感想文

          「小乗、大乗、密教とは?」「密教と顕教の違いは?」「成仏における日本仏教・各宗派の理解とは?」など、日本仏教に関する初歩的な疑問を丁寧に解説してくれる非常にわかりやすい本だった。 本書の一番の論点は、空海の思想の中核をなすといわれる「即身成仏」についての、空海自身の解釈である。 仏教のゴールは「涅槃に至り仏になる」ところにあり、その「仏になる指標と方法」に諸宗派あり。というのが、本当に方々から怒られそうだけど、私の仏教へのざっくり理解である。 人はさまざまな執着を持って

          この哲学を、どのように用いた?──『空海の哲学』読書感想文

          2024年上半期読書 1-3月(一言感想つき)

          2024年1〜3月までに読んだ本一覧です。 ※個別に記事化したものは除く。 3月は次女の卒園、県外への引っ越し、それらに伴う送別会などでなかなか読書&感想文執筆ができず。下書きを食い潰して更新しています。 GW明け頃には新生活にも慣れているかな〜 2024/1佐久間宣行のずるい仕事術|佐久間 宣行 佐久間さんは仕事で成功している人。でも、本書に書かれているのは当てる仕事の仕方ではなく自分を最大限に活かして続ける仕事の仕方。その通り!なことばかり過ぎて、迷っている20代若

          2024年上半期読書 1-3月(一言感想つき)

          トラップだらけのシステム開発──『動かないコンピュータ』読書感想文

          社内のエンジニアさんに勧められた本。 「動かないコンピュータ」とは、開発内容が当初の目的を達成できていなかったり、開発後に事業に支障が出るほど不具合が多く生じてしまった情報システムのことを指す。 2002年刊行。書かれていることの本質的な課題感は、20年経っても変化していないように見受けられる。 それだけ人間と人間とがより集まって新たな仕組みを構築するという行為は「難しい」ということなんだろう。技術の進化により、つくるものがさらに複雑化し、関与する人間が増え、それぞれの専門

          トラップだらけのシステム開発──『動かないコンピュータ』読書感想文

          わかりあえないことをどう捉えるか──『水中の哲学者たち』読書感想文

          歩み寄ってくれる哲学に初めて出会った。 永井さんの文章は、一つ一つが彼女の身体性と共にあって、この世の出来事としてたしかに存在するんだとわかるとてもクリアな描写で、そこかしこに溢れたくすぐったいユーモアと一緒にじんわり心に染み込んでくる。 エッセイとして、抜群に面白かった。 永井さんは哲学研究の傍ら、いろいろな場所で「哲学対話」を行っている。 哲学対話とは、 という行為。 ほとんどライフワークのように、学校や、文化施設や、企業や、時に街頭(!)などで、ファシリテーター

          わかりあえないことをどう捉えるか──『水中の哲学者たち』読書感想文

          そういう考えはなかったわ、と気づく──『コーランを知っていますか?』読書感想文

          昨今の世界情勢を見るときに「イスラム教のことを知らない」では何もわかることがない。 イスラム教の聖典である『コーラン』についても、さわりだけでも一般常識として知っておくべきだろうと思ってはいたものの……コーランそのものを読むのは、たとえ日本語訳であっても難しそうだ。 ということで、旧約聖書・新約聖書同様にまた阿刀田さんの著書に頼ることにした。 コーランは親父の説教?各聖典の特徴を阿刀田さんは下記のように述べている。 旧約聖書・新約聖書の見立ては私もすごく同感。 ではコー

          そういう考えはなかったわ、と気づく──『コーランを知っていますか?』読書感想文

          本とくらしを行き来する──なぜ読書が好きなのか

          わたしの日常は、毎日いやになるほど、あくせくと忙しない。 子どもたち三人を育てて、フルタイムでそれなりに責任のある仕事をし、友だち付き合いだって近所付き合いだってけっこうちゃんと楽しむ。 忙しない。 忙しないけど、そんな現実世界の日常があるからこそ読書が楽しいのだと、最近思うようになった。 読書は逃げ場生きていると、「ままならないな」と思うことの方が多い。 自分が描いた理想のストーリー通りになることなんてない。 まず一本道でないし、曲がりくねったり分岐したり、雑然として

          本とくらしを行き来する──なぜ読書が好きなのか

          秩序は常に人の想像からつくられる──『サピエンス全史(上)』読書感想文

          人類が狩猟採集民であった時代については、あまり目新しい情報はないなと思って読んでいたが、農耕の幕開けからの解釈が俄然面白かった。 下巻はまだ読んでいないが、すでに入手しているので必ず読もうと思う。 第2章「虚構が協力を可能にした」の章段のまとめとして、このようなことが書かれている。「サピエンスの特性である虚構(=想像上の秩序)を生むの能力から生まれたゲームとは何なのか」というところから、この本のメインストーリーが幕を開ける。 進化ではなく悲劇第5章は、狩猟採集生活から農耕

          秩序は常に人の想像からつくられる──『サピエンス全史(上)』読書感想文

          自分の物語を忘れないで──『忘らるる物語』読書感想文

          大好きなファンタジージャンルを久しぶりに読みました。十二国記の新シリーズ『白銀の墟 玄の月』以来かも。 梨の木の読書記録さんの記事でお見かけして気になっていました。 高殿さんの作品ははじめて読みましたが、大人向けのだいぶ骨太なハイファンタジーでした。 世界観その世界の「誰も知らない果ての果てのさらに果て」に、最強の女性たちがいる。子宮に神を宿し、男性を“消し去る”力を持つ女戦士たち。 一方でその世界には、男性を中心とした社会が根付いている。 帝国“燦”をはじめ、「世界に

          自分の物語を忘れないで──『忘らるる物語』読書感想文

          走り出したら止められないシステム──『ファシズムの解剖学』

          主に1930年代〜第二次世界大戦終結までのドイツ・イタリアと周辺地域で起こったことをもとに、“ファシズム”の本質とは何かにせまる本。 Bruscoさんの記事でお見かけして、読んでみよう!と思いました(トランプ元大統領の存在には疑問符しかわかない私なので)。 ファシズム運動の起こった前提、過程、その結果を緻密に考察するプロセスは圧巻。そしてそこから導き出された定義は、自分的には腑落ち感50%くらいでした。 ※本書のファシズムの定義については、本記事の末尾に引用文を掲載してお

          走り出したら止められないシステム──『ファシズムの解剖学』