ひらめきは地道な努力から──『アイデア大全』読書感想文
だいぶ前にたまたまブログを見つけた読書猿さんの本を図書館で見つけたので借りてみました。
読書猿さんのブログ↓↓
知識量が凄くて、「何者?!」って感じです。
本もたくさん出版されているのですね。
今回読んだのはこちら↓↓
どんな本か
過去の偉人たちの「アイデアの創出方法」が紹介されています。
具体的な活用法も書かれていたり、関連する雑学が織り交ぜられていたり、読み物としてとてもおもしろかったです。
42のツールがアプローチ別に下記のように章立てされて展開されます。
第1章 自分に尋ねる
第2章 偶然を読む
第3章 問題を察知する
第4章 問題を分析する
第5章 仮定を疑う
第6章 視点を変える
第7章 組み合わせる
第8章 矛盾から考える
第9章 アナロジーで考える
第10章 パラフレーズする
第11章 待ち受ける
章名を見ているだけでも、アイディアが湧いてきそうですね笑
アイディアは湧き出るものなのか
忘れてならないのは、あくまでこれらのツールは、アイディアの創出の最後の一手を担うものであるということです。
出産でいえば、医師や助産師さんみたいな役割だと思います。
出産までに9ヶ月胎児をお腹の中で育てなければならないように、アイディアの萌芽というのも一日にしてならず。
からっからのスポンジをいくら絞っても、水は一滴たりとも出てきませんから、周囲を観察したり、知識を身に付けたりといった、スポンジに少しずつ水を吸わせる地道な作業の積み重ねがあってこそ、これらのツールが活きるのだろうなと思います。
そしてその地道な努力は、きっと必要に応じてその状況に最適なツールを選ぶ賢さも与えてくれるのでしょう。
アイディアを閃くための一歩
本書を読んでいると、アイディアの創出にはある程度決まったアプローチがあるように思えてきます。
自己観察、他者観察、情報の飽食、情報のインデックス化、情報同士の対比、情報のシャットダウン、言語化、自己との対話、他者との対話。
※これらは私が勝手に思うところを並べたもので、本書内に言及はありません。
一見矛盾した行為もありますが、別に同時にやれというわけではなく、必要な時に相応の手段を採用すればいいということなのだと思います。
中でも情報の飽食と言語化は特に短期では到底手に入れられないので、日常の中でも意識して行わないといけないなと改めて感じました。
良いなと思ったツール
エジソンノート
書き留めることを主としたツールは他にもいくつか取り上げられるのですが、アイディアスケッチ的なノート活用はやはりいいなと思いました。
手書きが合う人もいるでしょうし、
今の時代は思い出しの短縮も兼ねて検索性のあるデジタルツールを活用しても良いですよね。ノート・メモ帳機能を持つオンラインツールはかなり便利ですし、ブログも然りだと思います。
ノートのひとネタとして、本書にも上がっている「バグリスト(嫌なこと・不満を書き出す)」は良いなと思いました。良いサービス開発には、自身のユーザーとしての実体験を踏まえることがなにより重要だと思うからです。
※もちろん、自分がエクストリームユーザーである可能性を忘れてはいけませんが。
なぜなぜ分析
「なぜを突き詰める」──とっつきやすく単純でいて真理に辿り着ける、非常に良い方法だと改めて感じました。
バイオニクス法
超絶文系畑を歩んできた私が「なるほど〜」と思ったツール。
生物の生体システムを研究し、その構造モデルをプロダクト設計・デザインに還元する方法です。
例として、ひっつき虫を参考にした面ファスナーや、蓮の葉の表面構造を参考にした撥水繊維などが挙げられていますが、本当に「なるほどな〜」です! 本書の中で紹介される「ランダム刺激」もそうですが、アイディアのインスピレーションは、まったく別な角度から来ることも多いのですね。
知識を得る道筋はどう歩めばいいのだろうか
答えはないですが笑
いくらたくさんのアイディアを得ても、それが人のため、世の中のためにならなければ意味がないので。
たくさんの人と関わること
良い本(天才の時間の結晶)をはじめ、たくさんのコンテンツを摂取すること
それらをすべて自分なりに解釈し、目の前の問題に結び付けられること
自分の専門分野にしたいものを1つ見つけること
専門分野を拡張するために自分野・他分野関わらずより広範な知識を身につける意識を常に持つこと
これが、私にとって一番ベストな「知識を得る道筋」なのではないかと思っています。
知識を身につけるうちに、専門分野が増えるかもしれませんし、専門分野が深まるかもしれませんし、人間関係が上向くかもしれません。
なんでも繋がっていると思って、まずは情報をたくさん食べてみよう!
(食物の飽食は早死を招きますが、知識の飽食では死にませんし)
その気持ちが一番大事なのではないかと思います。
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