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見上げればいつも四角い青空#26 ヘルシンキに想いを馳せる/映画『かもめ食堂』を観て
少しネタバレを含みます。
フィンランドのヘルシンキの一角、石畳の坂道の途中にあるガラス張りのお店、一見何のお店かも分かりづらい、その名もかもめ食堂。中を覗くと店内は、木目を基調としたインテリアで満たされ、カウンターに腰を預け、皿を拭く日本人女性。
店の外では年配の女性3人が中を伺いながら、こそこそ話。「大人かしら?」「あんなに小さいんだから子供じゃないの?」という感じ。
サチエが気づいて、お辞儀
見上げればいつも四角い青空#25 天高く馬もボクも肥ゆる秋(笑)
先日、所用で四谷から学習院大学初等部と迎賓館の間を通り、東宮御所に沿った道を登っていると、空には真夏のような太陽ともくもくと湧くように広がる入道雲が見えるのに、東宮御所の中からは、まるでベルだけで構成された器楽隊でも潜んでいるのでは?と思うほどのスズムシの大合奏に出くわした。
ビッグバンド並みの音量で響く“りんりん““りんりん“という演奏には、東宮御所の周囲を巡回しながら警護する警察官も辟易してい
見上げればいつも四角い青空#17 これまで通らなかった道を歩き、知らなかった角を曲がる
ボクが初めて引越しをしたのは、高校を卒業して大学に入学するタイミングだった。
生まれ育った地元を離れ、初めて見知らぬ土地へ移り住んだ。
当時は、親元を離れられることに、この上なく自由を感じたものだ。
だけど、ボクが手に入れたと思っていた“自由”は、“自覚と責任”というそれまで両親に守られて見ずに済ませていたものをしっかりと手渡されることだったと知るのに、あまり時間はかからなかった。
毎日の食
見上げればいつも四角い青空#13 時間を一瞬にして遡る
先日、30年来の友人が約2年ぶりに上京した。これまた30年来の友人と一緒に歓迎の宴を催した。
話は、学生時代の失敗から、最近の状況や将来の展望まで、取り留めもなく、止めどもなく。再会して、一瞬で学生時代のボクたちに戻れるのは、立派なおじさんになったボクたちの特権だ。
そして、この関係がボクにとってとても重要なことは、とある研究結果からも明らかだ。
ハーバード大学の成人発達研究は、ある人の人生を