ミサカエヨツヤ@428CXdesignworks

文章を書くことが好き。そして旅が好き。日々、思っていることや考えていること、それから、…

ミサカエヨツヤ@428CXdesignworks

文章を書くことが好き。そして旅が好き。日々、思っていることや考えていること、それから、旅行記などを書いています。ビジネス・プロセス・デザイナーで中小企業診断士。文章を書くのと並行して、「世の中をステキなCXに溢れる世界にする」ことをミッションとして活動しています。

記事一覧

見上げればいつも四角い青空#11 「洋の東西を臨み、サバサンドを食す」を想像してみる

我が家のすぐ近くにあるケバブサンド屋さんが、郊外に移転することとなった。土曜日の朝、ベッドから起きたときに思い浮かぶと、うちのおくさまにわがままを言い、連れだっ…

見上げればいつも四角い青空#10 かくうとましと思ふものなれど…

「酒は百薬の長」という。 本当だろうか。洋の東西を問わず、古代では有益な薬であるとする言葉も多い。 一方で、徒然草では、「百薬の長とは言へど、万の病は酒よりこそ…

見上げればいつも四角い青空#9 居心地のよさというご馳走

天井が透明な球体の宿泊施設で星空を鑑賞する予定だった昨夜、あいにくの雨で星は観ることができず、残念さを抱えて眠りについた。 今朝も大雨ではないけれど、しとしとと…

見上げればいつも四角い青空#8 シチューはどうする派?

先日、ロサンゼルスで5月17日を大谷翔平の日と制定したことが話題となっていた。 アメリカに渡ってからの大谷選手の活躍は、比類ないことに争いはないけど、そもそも地方…

見上げればいつも四角い青空#7 自分にも届く贅沢な時間の使い道

「・・・」 マンションの集合ポストの前で郵便配達員の横に無言で立ち、自分あての手紙を一刻も早く受け取ろうとする主人公の姿が印象的だった。映画「P.S.I Love You」(2…

見上げればいつも四角い青空#6 那須にて影絵に浸り、沼る

初めて出会ったのはいつの頃だっただろう。 小学生になるかならないかそのぐらいのころだったように思う。出会ったころは、暗く物悲しい印象を持っていたことを憶えている…

見上げればいつも四角い青空#5 「おやつ」はいつだって心を揺らす響き

「カルビーのポテトチップス♪」 昭和末期に小学生だった世代には、たぶん口ずさめるくらいに刷り込まれているフレーズ。 調べてみると、サウンドロゴというらしい。 最近…

見上げればいつも四角い青空#4 新緑のころに思う

さわさわさわささわーっ♪♪♪ ここちよい風が新緑の葉を揺らす ボクは今、きれいな青空の下、新緑の木漏れ日の中を歩いている。 あなたは今、どんな季節を過ごしているだ…

見上げればいつも四角い青空#3 いただきものには福来たる

青空と春の陽気に誘われて、いただきもののチケットを手に、散歩がてら広尾にある山種美術館を訪れた。 いただきもののそのチケットは、抽選に当選していただいたもので、…

見上げればいつも四角い青空#2 さくらの季節が終わる

今年の、さくらの季節が終わる。 3月上旬にとても暖かい日が幾日か続き、当時は3月中旬が満開になると言う。 それを聞いたボクとうちのおくさまは、紀尾井坂のさくらが見…

見上げればいつも四角い青空#1

あなたが見上げる青空は、どんな青空だろう。 ボクが、江戸城を囲むこの辺りに住み始めて、いつの間にか20年以上が経過した。何度か引っ越しもしたけれど、ボクの部屋から…

見上げればいつも四角い青空#11 「洋の東西を臨み、サバサンドを食す」を想像してみる

見上げればいつも四角い青空#11 「洋の東西を臨み、サバサンドを食す」を想像してみる

我が家のすぐ近くにあるケバブサンド屋さんが、郊外に移転することとなった。土曜日の朝、ベッドから起きたときに思い浮かぶと、うちのおくさまにわがままを言い、連れだって朝ご飯を食べにいったものだ。

ピタパンにたくさんの野菜とこれでもかというほどの肉が詰められたケバブサンドを頬張ると、異国の香りが鼻から抜ける。聞けば、スタッフはみなトルコの方々で、東京に居ながらにして異国を感じられる場所だった。

トル

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見上げればいつも四角い青空#10 かくうとましと思ふものなれど…

見上げればいつも四角い青空#10 かくうとましと思ふものなれど…

「酒は百薬の長」という。
本当だろうか。洋の東西を問わず、古代では有益な薬であるとする言葉も多い。

一方で、徒然草では、「百薬の長とは言へど、万の病は酒よりこそ起れ。」(徒然草 175段)と書かれるなどし、万病のもとでもあるという。そして、同段で吉田兼好はお酒の飲み方についても考察している。

とはいえ、「かくうとましと思ふものなれど、おのづから、捨て難き折もあるべし。」とし、困ったことではある

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見上げればいつも四角い青空#9 居心地のよさというご馳走

見上げればいつも四角い青空#9 居心地のよさというご馳走

天井が透明な球体の宿泊施設で星空を鑑賞する予定だった昨夜、あいにくの雨で星は観ることができず、残念さを抱えて眠りについた。
今朝も大雨ではないけれど、しとしとと降ったり止んだりを繰り返す。実は、こんな空模様もそんなに嫌いじゃない。

チェックアウト時刻までのんびり過ごし、施設を後にしたボクたちは、途中寄り道をしながら黒磯へ向かった。黒磯駅付近には、美味しいパン屋さんがたくさんあると聞いていたから、

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見上げればいつも四角い青空#8 シチューはどうする派?

見上げればいつも四角い青空#8 シチューはどうする派?

先日、ロサンゼルスで5月17日を大谷翔平の日と制定したことが話題となっていた。
アメリカに渡ってからの大谷選手の活躍は、比類ないことに争いはないけど、そもそも地方公共団体が大谷選手の日を制定すること自体がすごいなと感じたところだった。

一方、これを書いている5月20日は、ハウス食品株式会社が定めたシチューライスの日だそうだ。「5(ごはん)×(かける)4(シチュー)=20」の語呂合わせから毎月20

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見上げればいつも四角い青空#7 自分にも届く贅沢な時間の使い道

見上げればいつも四角い青空#7 自分にも届く贅沢な時間の使い道

「・・・」
マンションの集合ポストの前で郵便配達員の横に無言で立ち、自分あての手紙を一刻も早く受け取ろうとする主人公の姿が印象的だった。映画「P.S.I Love You」(2007年)では、突然亡くなってしまった夫から主人公あてに届く手紙から物語は展開する。主人公は、いろいろなタイミングで手紙を受け取るたびに、少しずつ人生をリセットして、前を向いて歩き出す。

ボクは、手紙を送るのも、もらうのも

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見上げればいつも四角い青空#6 那須にて影絵に浸り、沼る

見上げればいつも四角い青空#6 那須にて影絵に浸り、沼る

初めて出会ったのはいつの頃だっただろう。

小学生になるかならないかそのぐらいのころだったように思う。出会ったころは、暗く物悲しい印象を持っていたことを憶えている。
今、改めて観ると、その当時の影絵は、主題と比べると随分と大人びた絵で、今風に言えば「大人の・・・」とタイトルをつけたくなるような、そんな絵だった。

ボクが出会った当時、黒い影と白い光の作品に、原色の光が入り始めたころだったようだ。オ

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見上げればいつも四角い青空#5 「おやつ」はいつだって心を揺らす響き

見上げればいつも四角い青空#5 「おやつ」はいつだって心を揺らす響き

「カルビーのポテトチップス♪」

昭和末期に小学生だった世代には、たぶん口ずさめるくらいに刷り込まれているフレーズ。
調べてみると、サウンドロゴというらしい。
最近、すっかりこのサウンドロゴをテレビでも耳にしなくなったのは、このサウンドロゴを流すコマーシャルがほとんどなくなったからなのか、そもそもボクが、テレビをあまり見なくなったからなのか。

当時、自分で自覚していたかはともかくとして、鍵っ子だ

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見上げればいつも四角い青空#4  新緑のころに思う

見上げればいつも四角い青空#4 新緑のころに思う

さわさわさわささわーっ♪♪♪
ここちよい風が新緑の葉を揺らす

ボクは今、きれいな青空の下、新緑の木漏れ日の中を歩いている。
あなたは今、どんな季節を過ごしているだろう。

春の訪れを告げる新芽の時期に心を躍らせ、春が、街中を覆い尽くしていると感じるほどの、あの華やかなピンク色に染められた季節を過ごした後に、そうーっと、でも力強く、いつの間にか訪れているあの新緑の季節だ。

夏の走りともいいたくな

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見上げればいつも四角い青空#3 いただきものには福来たる

見上げればいつも四角い青空#3 いただきものには福来たる

青空と春の陽気に誘われて、いただきもののチケットを手に、散歩がてら広尾にある山種美術館を訪れた。
いただきもののそのチケットは、抽選に当選していただいたもので、同美術館で開催中の特別展「花・Flower・華2024」の鑑賞チケットだった。

初めて訪れた山種美術館は、落ち着いた雰囲気の、とてもきれいな美術館だった。

展示会場は地下。
チケットを切ってもらい、階段を下る。階段には、金色の鶴が描かれ

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見上げればいつも四角い青空#2 さくらの季節が終わる

見上げればいつも四角い青空#2 さくらの季節が終わる

今年の、さくらの季節が終わる。

3月上旬にとても暖かい日が幾日か続き、当時は3月中旬が満開になると言う。
それを聞いたボクとうちのおくさまは、紀尾井坂のさくらが見えるレストランを予約し、楽しみにしていたのに、それから突然寒くなって、蓋を開けてみれば、東京では何年かぶりの4月の開花宣言となった。

そうして、ボクらの目論見は、もろくも砕け散った。

そんな個人的な紆余曲折を経て、今年も、飯田橋から

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見上げればいつも四角い青空#1

見上げればいつも四角い青空#1

あなたが見上げる青空は、どんな青空だろう。

ボクが、江戸城を囲むこの辺りに住み始めて、いつの間にか20年以上が経過した。何度か引っ越しもしたけれど、ボクの部屋から見える青空は、いつも高いビルの壁面に切り取られた四角い青空だ。

「東京なんて…」

東京への転勤が決まった当時、ボクにとっての東京は、永住の地というよりも、どこの田舎にもいる若者と同じように、少しの間、遊びもかねて滞在する、外国にも似

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