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見上げればいつも四角い青空#18 都会に森という贅沢

地方の離れで構成される、豪奢なリゾートホテルに来たのか?と錯覚しそうになる。

空はもくもくと入道雲が覆い尽くし、残念ながら青空と森とのコントラストは見ることはできなかったけれど、かえって天気が変わりやすい雨待ち空だったせいか、“うるっ“とした空気感が漂い、森の中に居るような感覚を助長する。時折刺すように注がれる陽射しを、しっかりと遮る深緑の葉が黒く見える。庭園内を流れる小川に架かる朱塗りの欄干の橋やうっそうと茂る樹々は、ボクたちが都会にいることを忘れてしまうほどの静けさだ。

東京の都心の丘に沿って立つ伝統あるホテルを訪れた。

そのホテルは、広大な敷地の中に、ホテル棟とバンケット棟を持つが、その他の大部分は大きな庭園、そして森だった。周囲の喧騒からも分離され、他の建造物もほとんど見えず、点在する飲食店等をつなぐように道が紡がれる。

東京には、豪奢なロビーやステキな部屋を持つホテルはたくさんあるだろう。地方には、ホテル棟の他に大きな庭や森を持つホテルもたくさんありそうだ。
“でも”、これを東京の、しかも都心で実現するというのは、ほとんど模倣不可能とも思える。なにより、この体験はクセになる。

そして、森は生き物でもあり、自然は動き続けるからこそ、実現するのと同じくらい、もしくはそれ以上にその環境を維持することはとてつもなく難しい。

道を照らすように配置される様々な形の灯篭がいい塩梅に置かれる。手つかずの自然ではなく、手入れの行き届いた自然は、素晴らしい文化財であり、人工物との調和という言葉を思う。

うちのおくさまに誘われて、アフタヌーンティーを楽しむために訪問したが、いつの日か泊まってみたいものだ。
ちなみにこのホテルのアフタヌーンティーは、お茶も食事もサービスも最上級、再訪を誓うほどすばらしい!

この季節、この森では、ホタルが舞うという。
きっと、その体験は贅沢この上ない。

最後まで読んでいただきありがとうございます。同じようでいて同じではない日々の生活の中で、感じたことや考えたことをスケッチしています。よかったらまた立ち寄ってください。

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