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見上げればいつも四角い青空#19 台風の記憶…往きはよいよい、帰りは怖い

台風7号が近づいている。
依然として強い勢力を保って接近しているとのこと、大きな被害がないことを心から願う。周囲には、できるだけリモートワークを推奨したものの、ボク自身は出社しているという、言行不一致はどうしたものかと自嘲してしまう。

どこにも寄り道せず、関東めがけて一直線に進んでくる台風は、久しぶりだ。大谷翔平選手のツーシーム並みに東京湾手前で北東へと急激に方向転換し、東北地方沖を進む進路が予想されている。

昼前の東京都内の天気は小康状態のようで。風もさほど感じないが、嵐の前の静けさといったところだろうか。

“親の心子知らず”だったのだろう、子どものころ、ボクは台風が好きだった。
東京に来てからのボクにとっての台風は、特に最近では、通勤を気にする仕事を増やす“招かざる客”のような存在になっている。大人になって考えてみると、考えることは山積みだ。

子どものころのボクには、もちろんそんな発想はない。
台風が近づけば学校は休みになり、宿題もなく、共働きだった両親は家にいなかったから、本を読んだりして過ごした。インターネットがない時代、メディアの王様はテレビだったけれど、そのほとんどが台風情報だったので辟易して観るのをやめたものだった。そして、台風が通り過ぎてしまえば、台風一過よろしく、晴天の下、広場に遊びに行く。三々五々集まってくる友だちと日が暮れるまで遊んだ。
今考えてみれば、子どもにとっては文字どおり臨時休暇だったのだ。

さて、今日の帰りはどうだろうと思いながら、帰り支度をした。

往きはよいよい、帰りは怖い。

そんなことを思っていると、急に窓に雨が打ち付けられるようになり、あっという間に雨は雫ではなく、幕のように窓を覆うようになった。風の音も吹き付ける雨音と比例して大きくなっていく。
無事に帰り着けますように、そして、大きな被害がないことを、無力ながら願うばかりだ。

最後まで読んでいただきありがとうございます。同じようでいて同じではない日々の生活の中で、感じたことや考えたことをスケッチしています。よかったらまた立ち寄ってください。


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