十村碓氷

佐賀県唐津市出身。 山口大学人文学部を卒業後、岡山市での営業マン生活を経て、根室市に移…

十村碓氷

佐賀県唐津市出身。 山口大学人文学部を卒業後、岡山市での営業マン生活を経て、根室市に移住。 現在は牧場に勤務する傍ら、写真撮影や執筆などを行っている。

記事一覧

あぐり日記④「人見知りと背徳の山岡家」

◇ 朝3時、根室の自宅を出て 帯広での農業バイトへ向かう。 帯広までは往復500km。 ガソリン代や運転する労力、 さらに飲食代に宿泊費を考えると 日当1万円では正直全然割…

十村碓氷
3週間前
4

あぐり日記③「農業バイト、はじめました」

◇ 牧場の仕事なんか 休みないし、給料安いし、時間長いし、 臭いし、汚いし、きついし、危ない。 ここに来るまでそう思っていたけれど、 実際は完全週休二日制だし、 有…

十村碓氷
3週間前
2

あぐり日記②「向かい風に高く跳べ」

◇ 「北海道に行って、農業をやってみる!」 そう決めたはいいものの、 北海道に行ったこともなければ、 農業の経験や車両免許もない、 さらに時代はパンデミックで移動制…

十村碓氷
4週間前
9

あぐり日記①「俺ら北海道さ行ぐだ」

◇ すっかり酪農の仕事が板についてしまったが つい4年前まで僕は広告営業マンだったのだ。 スーツを着て、ネクタイを締めて、 営業カバンを持ち、 岡山の街を朝から晩ま…

十村碓氷
4週間前
12

今年の登山はじめ日記@剣山(北海道)

◇ 剣山といえば徳島の方が有名で、 十勝の剣山はかなりマイナーな山。 それでも日高山脈のなかでは、 比較的気楽に登れる山で、眺望もよく、 梯子や鎖場といったアクティ…

十村碓氷
1か月前
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33さいの幸福論ノート④「だから僕は結婚できない」

◆現代社会の構造的問題 結婚するにしても今の時代は 高校、なんなら大学までは出とけと言われて 親の意向なんか時代錯誤も甚だしく 情欲のままに…が許されるのは ごく一…

十村碓氷
1か月前

33さいの幸福論ノート③「長寿という病」

ほんのひと昔前までは、 義務教育を受けたら社会に出て、 親の意向や欲情のままに家族を作って、 ひたすら働いていたら勝手に死んでいた。 だからこそ60歳で定年退職なの…

十村碓氷
1か月前
4

33さいの幸福論ノート②「君たちはどう老いるか」

とかく歳をとるというのは この時代ただ悲しいだけで、 長生きなんかするものじゃないと思う。 長生きが長「寿」だったのは、 昔の人が短命で希少価値があったからで、 今…

十村碓氷
1か月前
2

33さいの幸福論ノート①「人生全部黒歴史」

歳を重ねることは、 色を重ねることである。 色を重ねることは、 黒くなることである。 人間は真っ白に生まれ、 真っ黒になって死んでいく。 つまり人間は 生まれた瞬間か…

十村碓氷
1か月前
4

はじめに

はじめましての方も、そうでない方も。 noteでは、はじめまして! 根室のおーぞのさん またの名を十村碓氷(とむらうすい) と名乗りたい人です。 名前の由来は 北海道の大…

十村碓氷
1か月前
15
あぐり日記④「人見知りと背徳の山岡家」

あぐり日記④「人見知りと背徳の山岡家」


朝3時、根室の自宅を出て
帯広での農業バイトへ向かう。

帯広までは往復500km。
ガソリン代や運転する労力、
さらに飲食代に宿泊費を考えると
日当1万円では正直全然割に合わない。

それでも、ただやってみたい。
4年前、農業がやりたくて北海道に来たのだから。


それにしても
未明に食べる山岡家のラーメンの背徳感は
何物にも代えがたい。
店に入った瞬間の独特なトンコツ臭、
殺伐しきった空

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あぐり日記③「農業バイト、はじめました」

あぐり日記③「農業バイト、はじめました」


牧場の仕事なんか
休みないし、給料安いし、時間長いし、
臭いし、汚いし、きついし、危ない。

ここに来るまでそう思っていたけれど、
実際は完全週休二日制だし、
有給休暇も自由に取れるし、
給料は営業マンの頃より多いし、
実働7時間くらいだし、
臭さも、汚さも、きつさも、危なさも
案外すぐに慣れた。
そして何より、ウシが可愛い。

北海道の冬だって
乗り切れる気がしなかったけれど、
慣れると案外

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あぐり日記②「向かい風に高く跳べ」

あぐり日記②「向かい風に高く跳べ」


「北海道に行って、農業をやってみる!」

そう決めたはいいものの、
北海道に行ったこともなければ、
農業の経験や車両免許もない、
さらに時代はパンデミックで移動制限。
県境を跨ぐと叩かれていた頃である。
そのためなかなか採用にならない。

ましてやあの頃は全国に先がけて
北海道でコロナの感染爆発が起きていたので
周囲からは反対されまくった。
というより、
賛成してくれた人なんかほぼいなかった。

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あぐり日記①「俺ら北海道さ行ぐだ」

あぐり日記①「俺ら北海道さ行ぐだ」


すっかり酪農の仕事が板についてしまったが
つい4年前まで僕は広告営業マンだったのだ。
スーツを着て、ネクタイを締めて、
営業カバンを持ち、
岡山の街を朝から晩まで駆け回っていた。
…自転車で。

これでも一応、
「営業主任」という肩書きがあった。
しかし手当が付くわけでもなければ、
扱いが良くなるわけでもない。
ただ会議に呼ばれる頻度が増えて
責任を押し付けられるようになっただけである。
よく

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今年の登山はじめ日記@剣山(北海道)

今年の登山はじめ日記@剣山(北海道)


剣山といえば徳島の方が有名で、
十勝の剣山はかなりマイナーな山。

それでも日高山脈のなかでは、
比較的気楽に登れる山で、眺望もよく、
梯子や鎖場といったアクティビティ要素もあって、北海道の登山者にはそこそこ人気があるらしい。

しかしどんなに気楽に登れる山であっても
天候ひとつで難度が格段に高くなる。
そんな登山の恐ろしさを
まざまざと見せつけられる登山になった。


この日は早朝に帯広を

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33さいの幸福論ノート④「だから僕は結婚できない」

33さいの幸福論ノート④「だから僕は結婚できない」

◆現代社会の構造的問題
結婚するにしても今の時代は
高校、なんなら大学までは出とけと言われて
親の意向なんか時代錯誤も甚だしく
情欲のままに…が許されるのは
ごく一部の人間だけである。

現代の多くの人は
最低限の容姿と性格を兼ね備え、
生活能力があって、恋愛を経て、
将来設計があって、タイミングが合って
それからようやく結婚がある。

そうなると当然、
結婚は遅くなるし、自ずと僕みたく
結婚でき

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33さいの幸福論ノート③「長寿という病」

33さいの幸福論ノート③「長寿という病」

ほんのひと昔前までは、
義務教育を受けたら社会に出て、
親の意向や欲情のままに家族を作って、
ひたすら働いていたら勝手に死んでいた。

だからこそ60歳で定年退職なのに、
それを「終身雇用」と呼んでいた。

でも今の時代は、
それから平均20年ほど生活しなければいけない。
そのために、老後の生活資金や、増大する社会保障費、さらに介護離職にヤングケアラー、老老介護、人手不足、レーゾンデートルに至るま

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33さいの幸福論ノート②「君たちはどう老いるか」

33さいの幸福論ノート②「君たちはどう老いるか」

とかく歳をとるというのは
この時代ただ悲しいだけで、
長生きなんかするものじゃないと思う。

長生きが長「寿」だったのは、
昔の人が短命で希少価値があったからで、
今みたくそこかしこに老人がいる時代には
何のめでたさもありがたみもなければ、
老害だの社会のお荷物だのと蔑まれるだけだ。

これからの時代は、
老人の数が増える分、価値が減り、
若者の数が減る分、価値が増える。
要は需要と供給の問題で、

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33さいの幸福論ノート①「人生全部黒歴史」

33さいの幸福論ノート①「人生全部黒歴史」

歳を重ねることは、
色を重ねることである。
色を重ねることは、
黒くなることである。

人間は真っ白に生まれ、
真っ黒になって死んでいく。
つまり人間は
生まれた瞬間から黒に向かって突き進んでいる。

だから歳を重ねるほどに
腹黒くもなるし、黒歴史も増えていく。
これは致し方ないことである。
けれど過去を振り返って
それが「黒歴史」だと思えるのなら、
その分だけ成長したとも言える。

今この一瞬も

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はじめに

はじめに

はじめましての方も、そうでない方も。
noteでは、はじめまして!

根室のおーぞのさん
またの名を十村碓氷(とむらうすい)
と名乗りたい人です。

名前の由来は
北海道の大好きな山、トムラウシと
鉄道好きにはお馴染みの「碓氷峠」
根室の酒蔵「碓氷勝三郎商店」から。

出身は佐賀県唐津市の離島で、
現在は北海道根室市に住んでいる
1991年生まれのアラサーです。

趣味は旅に登山、写真撮影、マラソ

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