にしだひろみ

手紙をしたためるように詩や散文を綴っています。第26回金子みすゞ賞優秀賞。 ❁著書『い…

にしだひろみ

手紙をしたためるように詩や散文を綴っています。第26回金子みすゞ賞優秀賞。 ❁著書『いのちへ』(南の風社) /『ちいさな箱』

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    ずっと共に生きたい本と 生涯忘れることはないと思う本をめぐるお話し。

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    魂が触れ合う 微かな音の記憶。

記事一覧

願いを叶える魔法のことば /『七いろのはなびら』

幼い頃に 物置で見つけたこの絵本は わたしの宝物でした あれからどんなに 七いろの花を探したでしょう 七つだけの願いを 幾度考えてみたでしょう 花もおばあさんも 見…

22

2冊目の詩集『ちいさな箱』が発売になりました

箱に入った小さな詩集は 箱以外すべて手作り 箱入りなのにも理由があって 蓋を開けた時の小さなサプライズも😌 完成までの物語はこちらです 『ちいさな箱』WEBサイト …

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ふしぎな約束/詩集『ちいさな箱』ものがたり(最終話)

『ちいさな箱』を作る過程で 製作者のさくらちゃんと びっくりしたことがあります わたしたちは以前から お手紙のやり取りをしていました さくらちゃんは ふとお手紙を送…

8

そんな空間も贈れたら/詩集『ちいさな箱』ものがたり⑤

ものごとを コンパクトにできる時代だから かたちあるもの 手間のかかったものが かえって大切に思えます たとえば 幼い子どもからの手紙 折り紙の裏にクレヨンで  「…

6

ひとつひとつ手作りで/詩集『ちいさな箱』ものがたり④

詩集『ちいさな箱』は 箱以外 すべてが手作りです 詩に添えられたモチーフは 製作者さんの手作りスタンプ 製本も手作業で 味わいのある糸綴じです 箱のおめかしも手作…

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詩集が箱に入った理由/詩集『ちいさな箱』ものがたり③

さて詩が決まりました デザインはどうしましょう どんな風に 持っていてほしいかな できたら お守りみたいになりたい 暮らしの隅っこにあって 時々開いてホッとしたり …

6

15編の詩をえらぶ/詩集『ちいさな箱』ものがたり②

これから作る詩集に どんな詩をおさめよう あれこれ考えました 初めは 子育てをめぐる お母さんへの詩集を考えました でも さくらちゃんとお手紙交換しながら 思いが変…

3

お手紙から始まりました/詩集『ちいさな箱』ものがたり①

詩集『ちいさな箱』は お手紙から始まりました 2012年に詩集を作り それ以降もゆっくり 詩を書きとめながら また詩集を作りたいな 今度はどんな風にしようかな ぼんやり…

3

この春の花/ちいさな村の ちいさな愛しい物語④

息子とふたり 近くの森を歩いていました 春を見つけよう 森はかぐわしく 始まりの希望に満ちています あ、桜だ もう咲いてる 山桜だね 蕾がいいね 咲こうと頑張ってる…

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お母さんに会いたい/「天からのたより」が生まれた日

✾ noterさんから素敵なコメントをいただき、「天からのたより」が生まれた時のことを、懐かしく思い出していました。

9

天からのたより〜娘へ〜/詩

↓この詩が生まれた日のこと

11

紙ヒコーキ/詩

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遺影/ちいさな村の ちいさな愛しい物語③

仲良しのおばあちゃん(102歳)から お電話がありました 何かご用があるようですが いつもの声と少しちがいます 伺ったわたしに おばあちゃんは言いました 「遺影を選んで…

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微笑み/ちいさな村の ちいさな愛しい物語②

あれっと思ったのは その人が去った後でした その郵便配達員さんは たまたま玄関先にいたわたしに 郵便物を手渡して下さったのですが 何かが違いました その人は 微笑ん…

17

ふたつの瞳/詩

18

わたしのこと/はじめまして ①

わたしは 山あいの 小さな村に暮らす 高校生の息子の母です 若いお母さんから 100歳を越えたおばあちゃんまで  みんな お茶飲み友だち いろんなものに包まれて 毎日を重…

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願いを叶える魔法のことば /『七いろのはなびら』

願いを叶える魔法のことば /『七いろのはなびら』

幼い頃に
物置で見つけたこの絵本は
わたしの宝物でした

あれからどんなに
七いろの花を探したでしょう

七つだけの願いを
幾度考えてみたでしょう

花もおばあさんも
見つけられませんでしたが

そういうことも
あるかもしれないと思うことが
人生を豊かにしてくれました

あの呪文は忘れられず
ふとした時に
心のなかで唱えてきました

叶えられなかった願いと同じく
叶えられた願いもあったから

七い

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2冊目の詩集『ちいさな箱』が発売になりました

2冊目の詩集『ちいさな箱』が発売になりました

箱に入った小さな詩集は
箱以外すべて手作り

箱入りなのにも理由があって
蓋を開けた時の小さなサプライズも😌

完成までの物語はこちらです

『ちいさな箱』WEBサイト

素敵なご縁がありますように😊

ふしぎな約束/詩集『ちいさな箱』ものがたり(最終話)

ふしぎな約束/詩集『ちいさな箱』ものがたり(最終話)

『ちいさな箱』を作る過程で
製作者のさくらちゃんと
びっくりしたことがあります

わたしたちは以前から
お手紙のやり取りをしていました

さくらちゃんは
ふとお手紙を送りたくなる人で
ふとお手紙をくれる人でした

それから何年もたち
ちいさな箱を作り始めた時

わたしがさくらちゃんに送った
過去のお手紙類の中から
ひとつの詩が見つかりました

それは
「秘密の箱」というものでした

もちろん
未来

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そんな空間も贈れたら/詩集『ちいさな箱』ものがたり⑤

そんな空間も贈れたら/詩集『ちいさな箱』ものがたり⑤

ものごとを
コンパクトにできる時代だから

かたちあるもの
手間のかかったものが
かえって大切に思えます

たとえば
幼い子どもからの手紙

折り紙の裏にクレヨンで 
「ままだいすき」と書いてある

クレヨンの字ははみ出てて
平仮名はちょっとオリジナル

まだ覚えたての文字を
いっしょうけんめい描いた跡

母のよろこぶ顔が見たくて
いっしょうけんめい描いた跡

母にはそれは
掛け替えのない宝物

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ひとつひとつ手作りで/詩集『ちいさな箱』ものがたり④

ひとつひとつ手作りで/詩集『ちいさな箱』ものがたり④

詩集『ちいさな箱』は
箱以外
すべてが手作りです

詩に添えられたモチーフは
製作者さんの手作りスタンプ

製本も手作業で
味わいのある糸綴じです

箱のおめかしも手作業

ひとつひとつ
すべてが手作業です

蓋の裏に付けられる
小さなドライフラワーは
その時々で変わるので

わたしの箱は何かしら?と
楽しみに開けてくださいね

そんなわけで
ちいさな箱は
たくさん作ることはできません

たくさ

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詩集が箱に入った理由/詩集『ちいさな箱』ものがたり③

詩集が箱に入った理由/詩集『ちいさな箱』ものがたり③

さて詩が決まりました

デザインはどうしましょう

どんな風に
持っていてほしいかな

できたら
お守りみたいになりたい

暮らしの隅っこにあって
時々開いてホッとしたり
うれしくなったり

そうだ
箱に入っていたらどうでしょう

ちいさな箱に

箱の中に小さな詩集と
あと何か大切なものを入れられる
すき間があるような

大切な手紙とか写真とか
たからものを入れて
部屋の隅っこに仕舞っていたら

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15編の詩をえらぶ/詩集『ちいさな箱』ものがたり②

15編の詩をえらぶ/詩集『ちいさな箱』ものがたり②

これから作る詩集に
どんな詩をおさめよう

あれこれ考えました

初めは
子育てをめぐる
お母さんへの詩集を考えました

でも
さくらちゃんとお手紙交換しながら
思いが変わって行きました

お母さんに限らないで
もっと広く
いろんな人への詩集を

たとえば
一緒に作ってくれる さくらちゃんが
持っていたいと思ってくれる
そんな詩集にしたい

そうしてわたしは
詩を選び直しました

これまでの詩のな

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お手紙から始まりました/詩集『ちいさな箱』ものがたり①

お手紙から始まりました/詩集『ちいさな箱』ものがたり①

詩集『ちいさな箱』は
お手紙から始まりました

2012年に詩集を作り
それ以降もゆっくり
詩を書きとめながら

また詩集を作りたいな
今度はどんな風にしようかな

ぼんやりと考えていました

その時浮かんできた人が
友人の さくらちゃんでした

以前からお友だちだった さくらちゃん
その人柄と作っておられる作品に

この人と何かを作れたら···
と思ったのです

わたしはお手紙を書きました

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この春の花/ちいさな村の ちいさな愛しい物語④

この春の花/ちいさな村の ちいさな愛しい物語④

息子とふたり
近くの森を歩いていました

春を見つけよう

森はかぐわしく
始まりの希望に満ちています

あ、桜だ
もう咲いてる

山桜だね

蕾がいいね
咲こうと頑張ってる

この白いのは
キクザキイチゲだ

こっち
紫のもあるよ

嬉しそうに写真を撮る息子の
その横顔を見ながら
思い出していました

わたしが2年前
お医者さんに言われた言葉

「見えなくなることも
 あるかもしれません」

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遺影/ちいさな村の ちいさな愛しい物語③

遺影/ちいさな村の ちいさな愛しい物語③

仲良しのおばあちゃん(102歳)から
お電話がありました

何かご用があるようですが
いつもの声と少しちがいます

伺ったわたしに
おばあちゃんは言いました

「遺影を選んでほしいの」

おばあちゃんは
自分らしい最期の時のために
ひとつひとつ
支度を始められたのです

遺影は、もちろん
ご家族の皆さんで
決められることですが

せっかくのお気持ちだから
用意していてくれた写真を
一緒に拝見

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微笑み/ちいさな村の ちいさな愛しい物語②

微笑み/ちいさな村の ちいさな愛しい物語②

あれっと思ったのは
その人が去った後でした

その郵便配達員さんは
たまたま玄関先にいたわたしに
郵便物を手渡して下さったのですが
何かが違いました

その人は
微笑んでいたのです

お忙しいであろうに
静かな動作で

郵便物を届けることに
よろこびを感じておられる
そんな微笑みでした

それ以来
自宅のポストを覗くことが
以前にも増して楽しみになりました

郵便物を見つけるたびに
その人の微笑み

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わたしのこと/はじめまして ①

わたしのこと/はじめまして ①

わたしは
山あいの 小さな村に暮らす
高校生の息子の母です

若いお母さんから
100歳を越えたおばあちゃんまで 
みんな お茶飲み友だち

いろんなものに包まれて
毎日を重ねながら
すてきなこと
大切に思ったことを
言葉にして のこしておきたい

ひとり 本を読む時間も大切
モンゴメリ オルコット
エレナ・ポーター 立原えりかさん
日本の古典や 思い出の絵本
きっと生涯のたからもの

お手紙もよ

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