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お母さんに会いたい/「天からのたより」が生まれた日


✾ noterさんから素敵なコメントをいただき、「天からのたより」が生まれた時のことを、懐かしく思い出していました。


Mさんは
生まれて間もない赤ちゃんを抱え
朗読会に来られました

おっぱい、オムツ、と
眠くて忙しいのに
よく来てくださいました

朗読の後
ゆっくりお話しするうちに

“お母さんに会いたいです
  声を聴きたい”

そう言って
涙を流されました

赤ちゃんが生まれる
本当に直前に
お母さまが亡くなられたのです

あまりに急なことで
悲しみの実感もないような時に
赤ちゃんは生まれました

よろこびと悲しみが
混ぜこぜになったままでの
待ったなしの子育て

初めてのことで
わからないことばかり
戸惑うことばかり

お母さんがいてくれたら
教えてほしかった
助けてほしかった
喜ばせてあげたかった

もっと一緒にいたかった

幾度も幾度も
願われたでしょう

“お母さんに会いたい
  声を聴きたい”


Mさんは
たくさん涙を流されました

わたしは
ただ傍らにいて
その背を撫でるばかりでした


その日の夜のこと
横になって休んでいたら
心に溢れてくるもの

慌てて書きとめていったものが
「天からのたより」でした

それは
Mさんのお母さまからの
お手紙のように思えました

お母さまは
きっとこんな気持ちで
見守っておられる


次にMさんに会えた時
この詩をお贈りしました

そして
Mさんと一緒に泣き
一緒に微笑みました




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