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20世紀の小説作品年表(ジャンル混合)ができました!
20世紀(正確には1900-2000年)の小説作品年表を作成してみました。ジャンル混合なので、純文学やSF・ミステリなどに特化している方でも意外な発見があるかと思います。作業工程や補足説明は脇に置きましょう。まずは完成品をどうぞ。
小説作品年表(完成品)スプレッドシートのリンクをご用意しました。ぜひクリックしてご覧ください。
以下は年表を見る際の補足情報となります。
年表のテンプレート完成品
植物をえがく小説家:キム・チョヨプ『地球の果ての温室で』
”ダスト”という大気汚染物質が拡散したことによって、ほとんどの動植物が死に絶えてしまうという厄災が起こった、『風の谷のナウシカ』を連想させるような世界が、作品の舞台となっている。
人類滅亡の危機であることには間違いないものの、文体は暖かく静かなものであり、大樹に守られているかのような気分になる。植物に対する豊かなイメージは、大江健三郎の中期作品に描かれるような巨木の印象と相通ずるものがあるか
白昼の娯楽、深夜の娯楽、未明の娯楽
午前2時と深夜2時は違う。そして、午前2時に観たい娯楽というものがある。
午前2時に観たい娯楽といっても深夜アニメではない。深夜アニメは、深夜2時、夜更かしをするために観るものだった。日常の精神的な疲れを麻痺させるために、あるはずだった青春の夢を見る。そんな役割を『けいおん!』の中に見出していた。
しかし、夕方から寝てしまって、うっかり午前2時に目が覚めてしまったらどうしようか。漁師が船
人工知能の人権宣言:S.B. ディヴィヤ『マシンフッド宣言』読書メモ
今日は短めに。Twitterで書いた読了ツイートと感想文を紹介します。紹介するのは、S.B. ディヴィヤ『マシンフッド宣言』について。
舞台設定の原風景人工知能と労働市場
21世紀末、弱いAI(自意識を持たないAI)の活用によって、大半の仕事が人類から奪われた。その結果、高度な知的専門職に就くか、安価な請負い労働に従事するか、人類の労働状況および経済状況の二極化が進んだ。
[現実にも、S
小説探訪記10:年末特番~ツイートするように書く
今回はツイートのような短文で本の感想や所見を述べていく。メモ代わりに。
01.トルストイ『戦争と平和』
新潮文庫版を読んでいる最中。今は第2巻まで。12月24日から読み始めて、1月7日には全4巻を読み終えるつもり。西欧のクリスマスからロシアのクリスマスまでに。
藤田嗣治の『アッツ島玉砕』を鑑賞した後に、この小説を読むと気が引き締まる。
再読するときは、クラウゼヴィッツの『戦争論』を片手に読
📚名刺代わりの小説10選・今年も自分なりに選考中📚
名刺代わりの小説10選をどうするか。新年が近づくと、毎年こんなことに悩んでいる。全ての本から10冊に絞るのは大変だ。なので、今回は部門ごとに10冊ずつノミネート作を発表していきたい。
いきなり小説を分けるのも難しい。今年からは自分がある程度読んできた分野について、部門賞を設置した。具体的には下記の7個である。今後の展開次第では増えていくかもしれない。
画像付きの発表結果は、12月31日に
小説探訪記09:煙草の香りが染みついた古本
※※ヘッダー画像は きよひこ さまより
01.煙草の香りがする古本 むかし古本屋で買った椎名麟三の文庫本を、自宅に帰って開いてみたら、煙草のにおいがむわっと漂ってきた。そんなことがあった。普段は文字通りタバコを煙たがる私であるが、そのときは良い買い物をしたな、と思った。いま再び開いても、頁から何もにおってくることはない。私は少し罪悪感を覚えた。
02.煙草の香りが似合う作品、似合う作家 ちょっ
小説探訪記08:古書店小説のフシギ
※※ヘッダー画像は なつ さまより
今回は小説探訪記。お題は古書店を舞台とした小説について。以後、これらの小説を「古書店小説」と呼ぶことにしたい。
私はそういう小説を読んでこなかった。だから詳細はわからない。有名なのは、三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』だろうか。この小説のヒットを機に、多くの古書店小説が本屋に並ぶようになったと感じる。
01.古書店街というブランド これらの小説において