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惑星ソラリスのラストの、びしょびしょの実家でびしょびしょの父親と抱き合うびしょびしょの主人公「オオタニ・ピープルの逆襲」
◆作品紹介 通訳が解雇されたというニュースの直後くらいだったと思う。 僕はソファに座って、ビールを飲みながらテレビを見ていた。テレビでは夜のニュース番組をやっていて、ちょうどオオタニショウヘイの通訳の話をしていた。アメリカの法律に詳しいという40代くらいの男(彼の頭部は綺麗に禿げ上がっていた)が神妙な面持ちで、元通訳がこのあとどうなるのか、ということについての見解を述べていた。まあ引き出した金は返せないでしょうから、司法取引で減刑、つまり4年か、5年程度ですね、刑務所に
彗星の核へ(著:グレゴリイ・ベンフォードとデイビッド・ブリン)【(くそっ、読書紹介なんて、どいつもこいつも自分たちの事しか考えない)「諸君、聞いてくれ」】
絶版名作。 SF探検もの。 彗星の核に派遣された探検隊は、 彗星の核に穴を掘って調査するのが任務。 が、 未知の病原体でメンバーのほとんどがやられる。 治療法がわからないので、冷凍睡眠で未来に託すしかない。 さらに、地球からは帰還を禁止されてしまう。 伝染病を地球に持ち込むなという話だ。当然だ。 絶望的な状況の中で、 探検隊の数十年にわたる苦闘が始まる。 **** 私が思うには当作品は、 ひとつの民族集団が出現する過程を、 SFとして描こうとした作品である。 **
アルジャーノンに花束を(著:ダニエル・キイス)【今回の読書感想文はちょっと変化球を投げてみた。その名も、爆発する魔球!「永久退場っ!」】
言わずと知れた名作文芸。 いちおうSF枠でもあったらしいけど、忘れ去られている。 いや、いいんだ。 さて。 こんな有名な作品にたいして、もはや述べることはない。 ないのだが。 少し引っかかった部分がある。 **** 東大の偉い学者さんが、IQ92とジャッジされちゃった件。 ワイス式IQテストよ。君はやらかしたようだね。 **** まあ、ワイス式IQテストはアルジャーノンにも、全編出てくるやつで。 彼のIQが上下するのが、このテストで数値化される。 なのでドラマの
七都市物語(著:田中芳樹)【読書紹介くん、君はなぜベストを尽くさないのか?「なぜベストを尽くしてもダメなんでしょうか?」】
田中芳樹の描いたSF未来戦国史。 今回は銀河スケールではなく、 惑星地球に限定。ただし、 ポールシフトにより南北の位置がバグっている。 カリフォルニアが北極。マダガスカルが南極。 この図で7つの都市国家が戦国春秋を繰り広げる。 ちなみに宇宙空間は、月政府によって閉鎖されているが、 月人類は滅び、自動システムによって軌道上が永久封鎖された状態。 ここで戦国をやるのだ。 アクイレニア(シベリア) ニューキャメロット(イギリス) プリンスハラルド(南極) クンロン(チベット)
永久戦争(著:P・K・ディック)【かつては読書紹介が自由にできた時代があったんだ(ロボットが語る過去の真実は果たして?)】
PKディック短編集だ! 昔のSF短編集。 そしてディックと言えば、ディストピア系の作品がブランドであり、 そういうのを集めたアンソロジー系なので、 モヤる感は最高! 本作も例外なく、 救われない話を描きながら、 人類とは?技術とは? の本質へとぶっこんでいきます。 *** ディストピアには希望があるのだ。 いずれこの苦しい生活から脱出できるという希望。 かつては自由だった時代があったという期待。 しかしながらその実態は・・・ *** さてディック短編集は再編されち
花粉戦争(著:ジェフ・ヌーン)【読書紹介は鼻がむずむずした。マスクを取ると自分が柴犬に変わっていた「うーむ。道理で」】
まず「ヴァート」というSF小説がありまして。 未読。 そのヴァートによって、人類は種の壁を越えてしまい、 ありとあらゆる相手との子どもを作れるようになったのです。 ロボ人間族。犬人間族。エトセトラ。 真正人類ももちろんいます。 そしてシャドウ能力なる、死者の記憶を垣間見る能力者も登場。 当然ながら警官として最適の種族です。 さてそんな世界観の元で、 今度は新しいガジェットとして花粉が出現します。 謎の花粉の出現によってパンデミックが発生してしまう。 そんな背景世界で、