『突然死』【ショートショート】
消毒液の香りが鼻を突き刺す。白くて明るい蛍光灯に照らされた部屋で、回転する丸いイスに座っていた。机の上の画面には、どこかのロゴが上下左右にぶつかりながら漂っている。
「お待たせしました」
私と同い年くらい、つまり40代くらいの男が、白衣を着てやってきた。その顔はひどく疲れていて、それは私の診断結果が悪いことを無言で伝えてきているようだった。
「驚かないで聞いてくださいね」
「はい」これは相当悪いんだなと直感した。唾を飲み込む。
「結果は、大腸がんでした。でも、それほど問題