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#ホラー小説が好き

ホラー小説への愛や、好きな作品・作家を語ってください!

人気の記事一覧

再録:重ね夢

■まえがき今回は1月に公開した「重ね夢」の再録になります。 こちらの作品は私も気に入っている作品で、書き慣れない時代物の割にはよく書けたかなあと思っています。 フォロワーさんの中でもこちらを好きな作品に挙げてくださる方がいたりして、最初の頃の作品だけに嬉しかったりします。 初期の頃だけに、きっとまだ読んだことがない方もいらっしゃるだろうなと思いまして、今回再録でアップさせていただきました。 繰り返される悪夢の中に堕とされた経験はおありですか? もしおありの方がいらっしゃれ

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グルーブ・ドレジング

 第三次世界大戦は阻止された。だがそれは、けっして人類が望んだ方法によってではなかった。  大戦の火蓋が切って落とされようとしたまさにそのとき、世界各国の空に竜が現れて、都市を、街を焼き払った。それは白銀に輝く、飛行機ほどもある竜だった。その竜が無数に、夕刻の雁の群れのように空を悠然と泳ぎながら、口から熱線を放射して世界を焼き尽くしたのだ。  各国は大戦のために備えていた軍備を竜に向けた。皮肉なことに、竜という脅威が大戦を止めただけではなく、国同士の繋がりを強化した。団結した

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【読書コラム】平和に見えて、最後の最後でゾクっとくるタイプのホラーが好き! - 『脳髄工場』小林泰三(著)

 わたしは気になる本があったら、とりあえず買ってしまう人間なので、積読が尋常ならざることになっている。平均して3日で1冊読んでいるけれど、2日に1冊買っているので、どう頑張っても増えていく一方。  しかも、積読とは名ばかり。ポンッ、ポンッとそこら辺に放っているので、さながら我が家は坂口安吾の部屋みたいになっている。  だから、次はなにを読もうかなぁと探すとき、地面をガサガサ掘り起こすような感覚で、フィーリングの合う一冊を見つけたときは世紀の大発見をしたかのような感動がある

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絵描き、ソフトなホラー小説?に挑んでみる

ずっとホラーが書きたかった。 でも、いつもほんのちょっぴりホラーじみた背景をちらりと入れるくらいで、ホラーとは呼べない。 たとえば……前に書いたストーカー男の話 ↓↓↓ とか。 今回のお話は、noteかアルフォポリスか悩んだけれど、連載であまり日を開けずに出すことに挑戦しようと思って、アルファにしました。 (絵を描かなくてはならないのに、そういう時に限って他の創作をしたくなる悪い癖汗) ストーリーの冒頭を考えついただけで、思い切りの見切り発進(汗) 書きながら考えなが

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蟹壺

 バスを降りた先に広がっていたのは、どこか懐かしさを感じる田舎道だった。  閉じるバスの扉を振り返ったときに、運転手の袖口に数珠のようなものが覗いているのが象徴的で、僕は全身の毛がぞわっと瞬時に逆立った気がした。  バスは終点の先も道を進んでいき、やがて山間に消えていった。  残された僕はリュックを背負い直すと、結んだカラビナの束がかちゃかちゃと鳴った。  一車線しかなくて、道の両側には田んぼが山の麓まで続いて見える。バス停の錆びて変形したプレートの曲がり具合さえ、ノスタルジ

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note創作大賞2024に出すぞ

note創作大賞というものがありまして。 ここに応募しようかなと思います。 応募期間: 4月25日 (火) 〜 7月17日 (月) 23:59 部門というのがあります。 エッセイ部門 ミステリー小説部門 ホラー小説部門 恋愛小説部門 お仕事小説部門 ファンタジー小説部門 漫画原作部門 創作漫画部門 コミックエッセイ部門 レシピ部門 ビジネス部門 オールカテゴリ部門 この中で何をやるのか? ホラー小説部門にいきたいと思います。 怪奇現象とかそういう話ではないのですが、怖

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もとい #SS

 塾の古文の横山先生は、しゃべる時にしばしば「もとい」という言葉をつける。でも、なんだか変なのだ。 「では先週の続き。サ行変格活用は、もとい、せ、し、す、する、すれ、せよ」 「ひさかたの、は光にかかる枕詞です。もとい、ひさかたの光のどけき春の日に……」  「もとい」を辞書で引くと「言い間違えて訂正する時に発する語」とある。つまり、 「方丈記の作者は吉田兼好、もとい、鴨長明」 「源氏物語の作者は清少納言、もとい、紫式部」  この使い方が正しいのだ。先生のもといは全然関係ないと

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青写真2 #青写真 #シロクマ文芸部 #小説

青写真を表示したガラケー。 ピンクのキラキラしたデコレーションと ガラケーよりも大きいぬいぐるみ。 画面には『青池』が写っていた。 元カレと行った時、 天気が凄く良くて 綺麗に写っている青池は、 透けて池の底までハッキリと見えた。 数年後、夫と『青池』に 行った時は 天気が悪くグレー色の沼だった。 まるで、今後の事を 案じているかのように思った。 自分の下腹部を撫でる。 新しい生命の誕生。 夫に子育てが出来るのか 不安だった。 グレー色の青池のように 私の心もどんより

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君に幸あれ 第6話 朴訥が故に

君に幸あれ 第6話 朴訥が故に 第5話はこちら 「あのねぇ! あんた社員なんでしょ?そんな基本的な事も出来なくてどうすんのよ? いい加減成長したら? 全く進歩の欠片もないんだから! あぁ!ちょっと休み取っただけで、こんなになるんなら、あたしゃ一生休めないんですけど!」 奈央が店に入るや否や、ヒステリックな女性の声が店内に響き渡った。 店内の他の客もその声の大きさに、一瞬ざわついたが、皆、我関せずで、それぞれの買い物カゴに目を戻す。 奈央はよもやと思い、その怒声の

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短編小説 | ニフヨク | シロクマ文芸部

 「雪化粧」のことを考えていたはずなのに、いつの間にか「ヤマ瀬まみ」のことを考えていた。 どういう流れでそうなったかなって、かっぱえびせんをポリポリしながら思い出している。ポリポリというかボリボリかな。それともしゃくしゃくかな、と湯船の中で。  「雪化粧」って聞くと「月化粧」を思い出す。大阪のお菓子なんだけど、見た目は福岡で有名なアレだ。だけどこういった類は「間違いのないお菓子」として、駅や土産店なんかで、これまた間違いなく買われていくもんだ、なんて、思っていたんだよ。ラベ

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短編 | 着の身着のまま

   突然部屋の中が真っ白になった。  何が起こったのか分からず、着の身着のまま部屋を出た。  あわてて出た廊下は、もっと真っ白で視界が遮られていた。  「火事か?」と思ったが、何か違う。よく分からないまま、とにかく出口へ急いだ。 「何事ですか?」 「いや~、四階の村松って奴がいるでしょ?あの人が酔っぱらって、寮にある消火器を全部開けちゃって。それはともかく、包丁を持ってわめいているから何とかしないと」 「こわいな。酔っぱらって包丁を持って、歩き回るなんて」 「あ

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事故物件  企画参加作品 カバー小説

心理的瑕疵物件。 ようするに事故物件。 東京に安く住むなら そのくらい我慢しなきゃ住めない。 特に霊感も強くないし バイトが深夜に集中するので そんなに気にしなかった。 確かに、ポルターガイスト?的な 物が落ちるとか、物が移動してる 様な気がする事はあった。 だが、金銭が盗られる事もないし バイト先からも近いので 俺には優良物件だった。 ただ、朝方帰って寝ようと すると、隣のへやの赤ん坊の 泣き声に多少悩まされた。 引っ越しの時に会った時、 シングルマザーのようで

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メガネ朝帰り  企画参加作品 カバー小説

私は目が悪い。 性格も悪い。 ちょっとしたことで 彼と喧嘩した。 本当に些細な事で それが何だったのか 思い出せない。 今は、私の一言で彼の罵声が 酷くなった事と、それと 同時に私も大声を上げて しまった事を反省している。 泣いた時に落ちたメガネ。 彼の家にあるだろう。 取りに行かなきゃ いけないのに、 意地と後悔で 帰りたいのに帰れない。 両目合わせても 0.1にならない視力でみる世界。 何もかも、くっついて見える。 色の区別がつくだけ良いかと 諦めて交差点を渡

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降霊の箱庭 ~序~

こっくりさん、こっくりさん。 どうぞおいでください。 とある中学校でその日、秘密の儀式が行われていた。 儀式というのは大抵、人目を忍んで開かれるものだ。この小規模な儀式も例に漏れず、校舎の最上階・最奥にある空き教室にて開かれていた。 おまけに時は放課後。大多数の生徒は部活動に向かい、そうでない生徒も帰路についた後だ。 カキーン、と。 野球部のバッティングの音が、グラウンドの方角から聞こえてくる。 プァーン、と。 吹奏楽部の合奏の音が、反対側の校舎の中で響いている。 妙

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絶望のメリークリスマス 企画参加作品 カバー小説

絶望のメリークリスマス|しめじ ※ しめじさんの作品 カバーさせていただきました。 しめじさんの華美な 感じを残せたでしょうか? ※ 〈甘いキス〉や〈甘いくちづけ〉 って全て比喩だと思っていた。 久しぶりに彼と会う時間。 ずっと楽しみにしていた。 もちろんプレゼントも用意してある。 「メリークリスマス」と彼が シャンパンのグラスを掲げる。 ふたりで過ごす秘密の時間。 彼と合う為のホテルの一室。 ルームサービスで 赤ワインと軽めの オードブルを注文して、 古い映画

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かさぶた #SS

 哲夫はかさぶためくりに魅入られてしまった。きっかけは体育の授業だ。サッカーの試合中にこけて、右ひざを派手に擦りむいてしまった。保健室で手当てをしてもらい、ひざを包帯でぐるぐるに巻かれた。  毎日、ガーゼを交換する。傷あとに赤黒くグロテスクなかさぶたが出来はじめた。一週間たち、傷あとが完全にかさぶたで覆われると、ガーゼをやめた。乾かして、かさぶたが自然に剥がれるのを待つ。  でも、これ、きれいに治るのかなあ?  かさぶたは無理やり剥がしてはならない。あとが汚く残って

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205号室 #SS

 県外から就職した私は会社の借り上げアパートに入居することになった。同時に入居する同期S子、および社宅担当者と一緒にそのアパートへ行った。S子は一階の101号室。1Rでユニットバス。ええ~と思うが文句は言えない。フローリングで窓が広く、まあまあ明るい雰囲気なのは喜ばねばならない。  次いで二階へ。205号室が私の部屋だ。扉を開ける。……瞬間、もやっとした空気が前面から被さってきた。なんだか埃っぽい。それに心なしか部屋が暗い。101号室と同じ間取りなのに。いやな予感がする。

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短編小説 | 青写真の娘 | シロクマ文芸部

 青写真で見た娘が嫁いできた。  未来を下書きしたような青い写真に映る、その澄んだ印象とは違い、実際の娘は、どことなく怯えている様子だった。  「なにか困っていることがあるかい」  僕は、十四、年の離れたその娘に、毎朝同じことを尋ねた。  「なにも。全て、ありがたいことです」  娘は下を向く。それで、僕たちが一日に交わす会話の半分は終わりだ。  夜、仕事から帰宅し、娘の用意した食事を済ませる。風呂に入り、寝る支度をする。毎日はその繰り返しだった。  あるとき、あとから布団

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<モキュメンタリーの隆盛とJホラーのリアリティについて>

文=近藤亮太  関連キーワード: ホラー映画、ホラー小説、フェイクドキュメンタリー 「モキュメンタリー」「フェイクドキュメンタリー」はどのように社会に受け止められてきたのか? 「モキュメンタリー」あるいは「フェイク・ドキュメンタリー」は、主に映画の世界で使われていた言葉だったと思う。  『食人族』まで遡っても良いが、おそらくいちばんわかりやすいのは『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』だろう。  メディアミックスの手法を取り入れ、映画のみでなく、インターネット上でも情報を補

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胸いっぱいのアイと情熱をアナタへ─仲間─

『胸いっぱいのアイと情熱をアナタへ』|まくら|note ↑こちらの作品の スピンオフになります。 これだけ読んでも ワケワカメです(笑) 現在60話まで連載ですが 1話1000文字以下なので サクサク進みます( 。˃▿˂ )੭ꠥ⁾⁾ww と書いてて 私の作品2000字くらいです(笑) よろしくお願いいたします♥ ※ しくじった。 普段じゃあんな ポカなんてしない。 何で、あんなところで 出てくるかな。 後悔しても仕方ない。 しくじったのは、自分のせいだ。 体力

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