水石鉄二

リアルでは話す仲間のいない文学の話をしたい! 記事の内容については転載等もOKです。(一応、引用していただけると嬉しいですが。)

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      色んな小説に関してエッセイを書いてみました。

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      今までに書いてきた読書に関するエッセイやコラムをまとめてみました。

    • 三島由紀夫シリーズ

      三島由紀夫作品の考察記事・解説記事をまとめました。 ラインナップは、 『金閣寺』全10章分(完結済) 『美徳のよろめき』 『豊饒の海』シリーズ(不定期更新) 短編小説などなど……。

    • エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』読書メモ

      エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』の読書メモをまとめています。(不定期更新)

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    記事数が膨大になってまいりましたので、サイトマップを作っておきます。 プロフィール文学系動画投稿者関連○ 私が注目している文学系動画投稿者 📚三島由紀夫関連三島由紀夫作品に関する読書感想文や考察を書いております。 ○ 三島由紀夫作品をいっぱい紹介する ○ 三島由紀夫と4つのモチーフ~太陽・鉄・海・炎 ○ 三島由紀夫『金閣寺』から、生きづらさの原因を問う ○ 年の初めは三島由紀夫の話から(2020) 📖『金閣寺』の読書感想文 『金閣寺』に関しては、一章ごとに感想を書いて

      • 神本町漱石通り「鏡子の家」03~漲る読書会編

        承前 『神本町漱石通り「鏡子の家」02~読書会勃発編』を読んでくださると幸いです。続き物とまっています。 01.自己紹介と遮られる説明  長方形テーブルの6人席に座る参加者たち。挨拶を済ませ、読書会を始めようとするが、ベージュのカジュアルスーツの老紳士が一声。 「自己紹介も一通り終わりましたが、  名前をおさらいさせてください。  最近は記憶力も衰えまして」 「まず僕が鹿金、  隣のグレーのカジュアルスーツの友人は舞鶴。  僕から見て奥にいるチェックの大学生が神薙さん

        • 小説探訪記07:高村光太郎『智恵子抄』など

           小説は読めても詩が読めないのがコンプレックスだった。中身を味わうどころか、字面を追うことすら難しかった。  倍速視聴に慣れ切った現代人には、韻文特有の音楽的なリズムは遅すぎる。視覚的に読もうとしても、頭の中で声が響いてしまう。そのせいでつっかえる。走ろうとしても足がついていかない。そういう感覚に似ているかもしれない。 1.高村光太郎『智恵子抄』を読む ただ、最近は詩も読めるようになってきた。高村光太郎『智恵子抄』を読み返した。中学校のとき以来だ。久々に「レモン哀歌」を読

          • 【掌編小説】パフェ攻城戦

            ※※ヘッダー画像は bluedaisy さまより  パフェというのは、城のように複雑な構造を持っている。  下地層にはスポンジケーキやムースの石垣。  高級なものだと、ティラミス、タピオカ入り紅茶のムース、ミルフィーユ、苺のババロアと、4層にもなる。一世を風靡したスイーツたちが積み重なる様は、ローマの城壁のような歴史と伝統を感じさせる。  マンゴー、オレンジ、バナナ。器の外周はカットフルーツで彩られていた。中心にはホイップクリームで化粧したプリンの城。白鷺城よりは美しくな

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            小説探訪記06:面白さをどう伝えるか?

            ※※ヘッダー画像は ちーぼー さまより  私は、コラムのように読書感想文を書いてきた。何冊かの本に限って話題を絞れば、効果的に自分の意見を伝えられるからだ。論点を数か所にまとめれば、記事も読みやすくなり、PV数も伸びる。  しかし、コラムのような文章にも悩みがある。以下、4点に絞って並べてみた。 1:構成を決めねばならない コラムのような文章を書く場合、「型」に沿った論理展開が求められる。大学生や社会人であれば、同じ説明をうんざりするほど受けているかもしれない。が、その

            【短編小説】神本町漱石通り「鏡子の家」02~読書会勃発編

            「先輩、この喫茶店ですよね?」 「そうですね、この店です」  町子は後輩からの質問に答える間、カフェの内装を気にしていた。 (……星3.7。業者の介入はなさそう。外装は新しめで、写真を見る限り店内も清潔。お手洗いは大事なのに、レビューサイトに書いてくれないことが多い。特に、便座はおしりと触れる部分。日本の飲食店は大概おいしいのだから、お手洗いのレビューをしてくれればいいのに。ついでにウォッシュレットの有無もね。友人は大丈夫だと言ってたけど、その点が気がかり)  二人は神本

            【短編小説】神本町漱石通り「鏡子の家」

            ※エッセイ風フィクションです。私の体験や意見が書かれているわけではありません。 ※神本町はシェアワールドとしてお使いください。  カール・マルクス通りにローザ・ルクセンブルク通り。ベルリンの真似事をしたいのだろうか。神本町の都道にも「漱石通り」という名が冠されることになった。神本町にゆかりがあるのは漱石だけではないだろう。ポピュラリティに弱い役人の感性が遺憾なく発揮されている。  神本町漱石通り、「Waterstones」という有名な本屋の裏に「鏡子の家」というカフェが

            必殺技になりそうな小説のタイトル:簡易版~植物・虫・音編

            今回は「必殺技に使えそうな小説のタイトル」を一挙に並べていきたい。あらすじの説明は基本的にしない。ただ並べるだけである。 植物系のタイトル植物系の技を名づける際は、草や木、森だけでなく、花や果物についても想像できるようにしておきたい。 例には挙げなかったものの、ボードレール『悪の華』も良い。 虫系のタイトル泉鏡花『高野聖』には蛭が登場する。谷崎潤一郎『蓼食う虫』は、ことわざ「蓼食う虫も好き好き」より。安部公房『方舟さくら丸』にはユープケッチャという架空の昆虫が重要となる

            小説探訪記05:中島敦『山月記』のラストシーンにのぼる月

             今回もまた小説探訪記。昨日(2022/11/08)は皆既月食だった。今日は月にまつわる小説について。月に関する小説は数えきれないほど存在するが、やはり『山月記』はひとつ語っておきたい。『山月記』は決して、李徴が虎になるだけの小説ではない。タイトルには”月”が入っているのだから。 (1)『山月記』における「月」『山月記』の結末はこうであった。  最後の一行の中に「既に白く光を失った月」と出てくる。この月の描写は味わい深い。読者に多様な解釈をさせてくれる。自分なりに、この「

            📘ニール・スティーヴンスン『スノウ・クラッシュ』を読む[01]

            今回取り上げたいのは、ニール・スティーヴンスン『スノウ・クラッシュ』。「メタ・ヴァース」という概念を、世界で初めて提出して見せたSF小説である。 日本語訳でも新装版が出された。今更これを取り上げるのか、という感もある。しかし、本作の面白さは「メタ・ヴァース」だけではない。まだ語り尽されていない魅力は多々ある。今日はそれらを紹介していきたい。 (1) 作品舞台の設定からこの小説を一言で表せば、”サイバーパンク欲張りセット”と呼ぶのがふさわしいだろう。資本主義が経済のみならず

            小説探訪記04:世界の現代SF小説・沢木耕太郎の奥深く・司馬遼太郎の後継者

             今日もまた小説探訪記。いわゆる雑談回である。基本的にはタイトルの3本立てでお話していきたい。他にも話せることがあれば話すかもしれない。 (1) 世界の現代SF小説(1-1) 中国SFから日本SFにかけて読んできたSF  実は前回もSF小説について様々な意見を語った。取り上げた作品も劉慈欣『三体』、アンディ・ウィアー『プロジェクト・ヘイル・メアリー』、伊藤計劃『虐殺器官』、佐藤究『Ank: a mirroring ape』と多様であった。 ※※※  しかしながら、裏で

            キャラ時代の終焉が来るかもしれない

             今回は溜まった思考を吐き出すために、雑談回。内容が完全にまとまっているわけでもなければ、検証ができているわけでもない。とりとめのないアイディアである。 キャラ時代の終焉かも? 一昔前まで必ず放送されていたアイドルアニメも、(男女問わず)最近では少なくなってしまった。その背景として「キャラ」時代の終焉が迫りつつあるのではないかと、自分なりに考察している。 「キャラ」はキャラクターの略称であるが、キャラクターとはまた異なったニュアンスを持っている。そこで、自分なりに「キャラ

            小説探訪記03:SF小説回

            今日も小説探訪記。長文を縷々と書いていく。長いと感じたら、一休みしていただけると幸いだ。ゆるりゆるりと読んでほしい。 最近のSF小説についてここ最近はSF小説をたくさん読んでいる。読んだ作品をリストにまとめたい。ネタバレがあるので注意されたい。太字の作品については特に。 劉慈欣『三体』~監視への恐怖 劉慈欣『三体』から感じたのは「監視への恐怖」である。地球を発見した三体星人は、加速器に智子(ソフォン)という超小型量子コンピュータを送り込み、素粒子物理学の実験にて人間が誤

            小説探訪記02:パラレル小説編

            今回もいろんな作家について話していきたい。直感的なものが多い。共感できない話もあるかもしれない。「そんなものか」と流してくだされば幸いだ。作家名は敬称略。あしからず。 安部公房と小川洋子安部公房と小川洋子の小説は、全く異なっているように見えて、本質的には似ているのではないか。どちらも没個性的な人間を人間的に描いている気がする。固有名詞のない登場人物でも活き活きと描いてしまう能力がある。この点は安部公房『箱男』と小川洋子『ブラフマンの埋葬』を読むとわかりやすい。 しかし決定

            井上ひさしと多和田葉子の作家性も実は似ている気がする。どちらも日本語(標準語)ではない別の言語(方言)を求め続け、日本語の拡張に努めてきたのではないかと思う。井上ひさしはその意識が方言に向かった一方で、多和田葉子の場合はその意識が外国語に向かったのではないか。これも記事にしたい。

            安部公房と小川洋子の小説は、全く異なっているように見えて、本質的には同根なのではないか。どちらも没個性的な人間を人間的に描いている気がする。しかし決定的に異なる点もある。安部公房の視線は個人に集中している一方で、小川洋子の視線は物に向いている。この点を詳細に考えて、記事にしたい。