読書日記~現代小説のブックガイドは貴重:2024/01/24

 今日はリハビリがてら短めの記事を。

現代小説のガイドブック

 酒井さかいまこと『現代文学風土記』というブックガイドが面白かった。風土記と銘打つ通り、日本の小説を作品舞台となった地域別に180冊紹介する、という本だ。

 この本では取り上げられている作家が幅広い。村上春樹や吉本ばなな・朝井リョウといった現代のメジャー作家はもちろんのこと、遠野遥や宇佐見りん・乗代雄介といった若手の純文学作家の小説も紹介されている。もちろん、大江健三郎や中上健次・筒井康隆といった大御所の作品もある。

 しかし、純文学だけがピックアップされているわけではない。有栖川有栖や森博嗣・綾辻行人といった新本格系のミステリ作家、果ては古川日出男や桜庭一樹といった玄人好みの小説家の作品も扱われている。

 正直に申し上げて、こうした本は貴重だ。現代小説について幅広く言及した書籍は、本作と佐々木敦『ニッポンの文学』しか知らない。

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