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三島由紀夫シリーズ

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三島由紀夫作品の考察記事・解説記事をまとめました。 ラインナップは、 『金閣寺』全10章分(完結済) 『美徳のよろめき』 『豊饒の海』シリーズ(不定期更新) 短編小説などなど…… もっと読む
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記事一覧

セピアいろの写真~三島由紀夫『春の雪』より【ネタバレ有】

※『春の雪』『奔馬』『暁の寺』『天人五衰』のネタバレ有。 セピアいろの写真は冒頭から登場…

三島由紀夫『豊饒の海』所感メモ【ネタバレ有】

取り急ぎ。三島由紀夫『豊饒の海』を読んだ際に感じた疑問点や所感をまとめておきたい。詳細で…

三島由紀夫『春の雪』の主人公2人を紹介する

今日は登場人物の情報を整理するために、主人公格の2人を紹介しておきたい。松枝清顕と本多繁…

三島由紀夫『春の雪』を読む2【ネタバレ有】

※上記の記事の続きです。ぜひ前回の記事をご覧ください。 今回は本作の”色”について語りた…

三島由紀夫『春の雪』~鮮やかなモノクロの世界【ネタバレ有】

海や空の青、エメラルドの指環、絢爛な衣裳……本作に登場するものはたしかにカラフルである。…

三島由紀夫『春の雪』の時代設定【ネタバレ有】

※以下の記事で書いた内容を短縮版としてまとめたものです。 ※三島由紀夫『春の雪』のネタバ…

三島由紀夫『春の雪』を読む【ネタバレ有】

※※見出し画像は 空堂 さまより これから三島由紀夫『豊饒の海』を読んでいく。とても長い冒険になりそうだ。ひとつの記事の字数も長くなるし、記事数も多くなる。それでも、付き合ってくだされば幸いだ。 また『奔馬』以降の記述も引用していく。未読の方はネタバレにご注意を! 前置きはここまでにして、さっそく読んでいきたい。 1.松枝清顕と本多繁邦1.1 松枝清顕と本多繁邦の年齢 日露戦争が終わった1905年に11歳だったとある。よって、松枝清顕と本多繁邦は、”1894年生まれ

三島由紀夫『豊饒の海』について

今年こそは三島由紀夫『豊饒の海』を読んでいきたい。そう思っていたのだが、このシリーズはと…

三島由紀夫『金閣寺』感想文の目次

※※見出し画像は NIPPON_MARI さまより 一年前、私は『金閣寺』の感想連載を書いていました…

岡潔・小林秀雄・本居宣長・三島由紀夫

ここ最近は岡潔のエッセイを集中的に読んでいる。岡潔の思想が情としてわかれば、小林秀雄、本…

三島由紀夫作品、何から読むか?

――三島由紀夫の小説は何から読んでいけばいいですか?  そういう質問を頂く機会が多くなっ…

📖三島由紀夫『美徳のよろめき』を読む

※※ヘッド画像は serohan さんより  三島由紀夫『美徳のよろめき』を読んでみて、このよう…

📖三島由紀夫『中世に於ける一殺人常習者の遺せる哲学的日記の抜萃』を読む②

※※ヘッド画像は つゆこ さまより 今日もまた三島の短編小説『中世に於ける一殺人常習者の遺…

📖三島由紀夫『中世に於ける一殺人常習者の遺せる哲学的日記の抜萃』を読む①

※※ヘッド画像は Sut さまより 今日は三島由紀夫の短編『中世に於ける一殺人常習者の遺せる哲学的日記の抜萃』を読んでみたい。この短編は、『花ざかりの森』と同様、『仮面の告白』以前に書かれた最初期の作品である。三島にとっての第二の処女作といえるかもしれない。しかし、内容は抽象的で難しい。難解なこの作品を少しでもほぐしていければ、と思う。 ※断らない限り、引用元は『花ざかりの森・憂国』「中世に於ける一殺人常習者の遺せる哲学的日記の抜萃」新潮文庫 八十四刷とする。 この短編