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スキ数関係なく、思い入れのある記事をまとめました.
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#友達

滲み出るものは嘘じゃないから

滲み出るものは嘘じゃないから

言葉で伝えられないってことは自覚してないってことだと思っていた。

言葉はいくらでも嘘を吐ける。言葉はいくらでも取り繕うことができる。それに比べて行動は嘘を吐かない。

そう言われることは知っていて、それが現実になることがあるってことも知っていて、でもその上で、行動はサルにでもできるけど言葉を尽くせるのは人間だけなんだから、言葉で行動の意図を伝えたり、伝えた言葉を嘘にしないよう行動すればいいのに、

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きみの心はきみだけのもの

きみの心はきみだけのもの

大丈夫心配ないよいつだって
きみの心はきみだけのもの

この言葉私の隣で笑ってる
君の灯りになれるといいな

【檸檬】

チューブから搾り固めたレモンエロウ
私の心を解いてく

はじめてはひと口かじってやめちゃった
きみの横顔眺めてたくて

【水】

きこえないきかなくていいそとの音
わたしの居場所はそこにあるから

飛び込めば、あとは始点を目指すだけ
きみの「頑張れ」ちゃんと聴こえた

【春】

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別れと出会いの足音がきこえる

別れと出会いの足音がきこえる

所用を済ませ、エレベーターで上がった先を少し歩く。
先生の部屋には明かり灯っていたけれど、コンコンッとノックをするも返事はなく、留守にしているようだった。

Slackを開こうとスマホを開くと容量不足で雲マークがついていて。ダウンロードしようとするも大学のWi-fiは役に立たない。仕方なく近くのソファでパソコンを開くと、昨日、先生から確認の連絡が来ていた。

「明日12時半から、データ&同意書受け

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"幸せ" の方が答えだよ。

"幸せ" の方が答えだよ。

「寝ちゃダメだ」と思いながらも遠のいていく意識のなかで、彼がカーオーディオの音量を下げていることに気がついた。

その約10分後、ふと起きて「寝ちゃってごめんね」と言うと、ずっと運転しっぱなしで自分の方がもっと疲れているだろうに、彼は「疲れたでしょう、寝てていいよ?リクライニング倒しな」と片手で私の頭を撫で、やわらかな声で言った。やはりカーオーディオの音量は小さくて、ほんとうに下げてくれてたんだな

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イロのない世界はきっと、つまらないよ

イロのない世界はきっと、つまらないよ

#わたしと海

【景色】

サムネ写真を選ぶときに、こないだ彼と白良浜へ行った日の写真を見て、一昨日ゼミで最後に話していた賢そうな話の内容を思い出した。

夏休みどこ行く?という話で、海の人が多くて。なんで人は海に惹かれるんだろうね、という考察をしていた。

そこでまず出たのは、人間がもともと青を好む性質を持つからではないか?という仮説。空も海も青いんだから、青が不快だったらやってられないよねって

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それでも私はきっと、ちぐはぐな私を抱えて生きていく。

それでも私はきっと、ちぐはぐな私を抱えて生きていく。

もしも、今の私の好きなところだけを持って過去をやり直せるのなら、迷わず過去をやり直すことを選ぶ。

対人関係で心が折れ続けていくうちに、いつの間にか私の中にはいろんな自分がいるようになった。

愛想よく誰に対してもニコニコと接することができる自分。目の前の相手のいいところだけを見て、嘘やお世辞ではなく本音で相手を褒めちぎることができる自分。相手に自分から近づいていける勇気を持った自分。常に聴き手で

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「じゃない」ほうの私を愛して

「じゃない」ほうの私を愛して

早期内定をもらって「早く就活を終えることができてよかった」と思う一方で、いろんな人と就活の話をする中で芽生えたもう1つの感情は「ああ、また私は "普通の人" のレールから外れてしまった。」だった。

3月1日時点で24卒の内定率は30.3%らしい。

一般的には「もう内定取ってる人が"こんなに"いるんだよ!」と焦らせる文脈で使われる言葉を、その3割に自分が含まれていることに優越感を抱くでもなく「あ

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年末年始、私は世界にゆるされている。

年末年始、私は世界にゆるされている。

年が明け、2023年になった。

この年末年始。

27-30日、家族でスキーに行った。

31日、
2023年の手帳を準備した。
松潤のラジオを聴いた。
紅白と、ゆく年くる年を見た。

2023年にやりたいことリストを作ろうとしたけど、生きてるうちに変わっていくよなぁって思って、20個くらいでやめた。代わりに読みたい本リストを作ったら、余裕で90くらいまでいけて、笑った。

1日、
両手に収まる

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宝物のような本たちとの出会いに祝福を #2022ベスト本

宝物のような本たちとの出会いに祝福を #2022ベスト本

うまくいえないけれど、「この本は自分の人生にとって財産になりうる」という本のなかには、景色を忘れられない本と、言葉を忘れられず思考を促される本とがある。

そんな本を、私自身の言葉で抱きしめたい。

2022年最後のnoteは、今年読んだ72作品の中でも特別な8冊について。

ひとこと読書記録のバックナンバーはこちら↓

*ネタバレはありません

①「アートを巡る旅に出よう。きっと何か、変わるから

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子どもだけだと思ってた

子どもだけだと思ってた

とある日曜日、久しぶりの家族での外出。

その目的は年末に行くスキー旅行のために妹のスキーウェアを新調することだった。何軒か店をまわりながらも、退屈さに痺れを切らした私はショッピングモールにて単独行動を開始した。

しばらくきていない間に改装に入ってしまったイトーヨーカドーエリアを横目に見ながら、エスカレーターで下の階にくだっていると、目の先にガチャガチャコーナーが現れた。

近づいてみて驚いた。

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集団の中のグラデーションを見逃さない

集団の中のグラデーションを見逃さない

学校(小中高)、というのは大きな声が作る支配的なストーリーに組み込まれやすい場なのだという。そう聞いた時、誰もが想像するであろうスクールカーストやいじめは、必ずしも当事者たちの気質・性格がその原因というわけではない。例えば、成績、所属している部活。そういったもので位置付けられている場合があるという。

かき消されそうになる小さな声に気づくときはありますか。それをどのように活かしたらよいでしょう。あ

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いつか恋しくなる日がくるのだろうか

いつか恋しくなる日がくるのだろうか

バイト終わり、歩いて一旦家に戻り、部屋には入らないまま自転車置き場から取り出した自転車を、シューシューギコギコいわせながら乗り、自転車屋さんへ向かう。大きな道路に面したひらけた場所にあるそこは、パンクした自転車を押して持って行けるほど近い距離にあるわけではなかった。

今日はどうされました?と問うおじちゃんに、おそらくパンクしてます、というと、1時間くらいかかるよ、下手したらチューブ変えなあかんか

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傷つけられたからといって、傷つけていいわけじゃないから

傷つけられたからといって、傷つけていいわけじゃないから

うまくいかないときや、悲しいときは、それを覆い隠すようにして、憂鬱を吹き飛ばすようにして、他の場所ではいつもの何倍も高いテンションでケラケラと笑ってしまう。

それでも治らないときは、すっと消えてひとりで過ごす。本屋に籠ったり、静かなカフェにいって甘いおいしいものを食べたり飲んだりして、自分を甘やかす。

不機嫌をそのまま八つ当たりで人にぶつけることができる人、怒りをそのまま相手にぶつけることがで

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もっとはやく、出会いたかったよ。

もっとはやく、出会いたかったよ。

そのとき、私は京都駅から三十三間堂までの道をひとりで歩いていた。

イヤフォンを着けずにある程度のところまで歩いてきたとき、音楽が流れてこない耳も、ひとりであるということも、まったく寂しいと思っていないことに気がついた。

それはなぜかと問うた時に、常に頭の中には思考が流れているからだということに気がついた。

ああ、空の青が綺麗だ。木々の緑が美しい。
これで道は合っているか?京都の歴史ある街並み

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