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お題

#わたしと海

with ヤマハ発動機

人気の記事一覧

桜散る海を

桜の花びらのようだとも、ピアノ教室の先生の綺麗な爪のようだとも思った。 私の母、祖母の実家は海辺の小さな村落にある。すぐ近くに遠浅の砂浜が広がる、曾祖母の家に遊びに行くのが幼い頃の楽しみだった。 海風に吹き上げられた細かな砂が、そこかしこに散る土間でサンダルを履き、古い木造の家から浜辺に向かって駆け出してゆく。 浜までの家々の軒下には青い網が広げられ、そこには釜から茹で上がったばかりの真っ白なシラスが干されていた。 そういった家のおばさん達はいつも忙しく立ち働いていたが、

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17年前に2秒見えた海を探す

17年前、海が2秒見えた。 あの海の記憶大学進学のため上京したのは、2006年の3月。山々に囲まれ育った18歳の僕は、さらなる刺激を求めて、東京行きの新幹線に乗り込んだ。予想もできない未来が待っている都会で、新しい人生が始まるのだ ー そう意気込んで列車の座席についたはずが、気づいたら涙を流していた。 過疎化の激しい田舎から出るということは、もう一生ここで暮らすことがない、ということを意味していた。その事実が、意外なほどに僕を悲しませたのだった。新大阪発・東京行きの「こだ

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サファイア

初めて惹かれたのは 深い海のような石だった その深さゆえ 引き込まれそうな 気持ちになった 幼い頃 船の上から ずっと見つめていた 海の色 白い泡に縁どられ 船の進行に合わせて 幾度となく波打つ 海の色 サファイアは 冷静さと明晰さを与え 憎悪を静めるそう その時はきっと そんな石のパワーを 私ももらいたかったのかもしれない

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素潜りから始まった内面との向き合い

ぼくがそのチラシを見たのは、ションベンをしてる時だった。 大学に入って、2ヶ月ほどが経ち、サークルの勧誘も、もうなくなっていた。トイレの壁には、誰も剥がす人がいなくて、汚くたくさんのチラシが貼られたままだった。どのサークルも新歓の時期は終わり、今さら入ることはできない。 高校時代は、すごく本気でテニスをしたことがプライドになっていた。ぼくのいた学校ではほとんどの生徒が、2年生の秋には部活を引退する。秋に引退しなかったのは、ぼくと野球部の一人で、学年に二人しかいなかった。 ぼ

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今年もよろしく

今年初の海 休みの日の天気が悪かったり 予定があったり お天気の良い日には山に行ってたりして 海には行けてなかった 今日はとても気持ちが落ち込んでしまい つい恋しくなった 2日続いた雨も上がり雲の多い日 風も強く波も荒い 車を降りて 海岸までの坂道をくだる 波の音が聞こえるだけでほっとする 波と風の音に囲まれて砂の上をぼんやり歩く 年が変わってちょっと忙しかったな 年末から今までをなんとなく思い出しながら 答えが出せるわけでもなく ただぐるぐると思考を巡らせる 風

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渚に重なる記憶

社会人になって初めての夏に、同僚の男4人で海に遊びにきた。 全員彼女はおらず、女っ気もない。 海に行けば、水着の可愛い女性と知り合える。 そんな淡い期待を持っていた。 水着に着替えてビーチに立つと、自分達の肌の白さが際立つ。 この場所には、黒い褐色の肌こそ相応しい。 だが、全員が痩せ細った体のため、例え日焼けサロンで焼いたとしても、カッコ良くは見えなかっただろう。 私達が訪れたビーチには、たくさんの女の子が遊んでいた。 だけど、シャイな私たちは声をかけることが出来なかっ

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大好きな海 徳之島

父の仕事の都合で与論島に5年ほど住んでいたことがある。 小さな島で 周りは東シナ海 サンゴ礁の島なので ハブがいなかった。 よく父は妹と私を 海に連れて行ってくれた。 父は「晩御飯を取りに行こう♪」と言って 妹と私を 家から5分ほどの 海に連れて行ってくれた。日中は暑いので 夕方 浜辺に降りた。 真っ白な砂浜を父を先頭に 父が足で砂浜を掘っていく そのあとを 妹と二人で貝を探しながら ずーっと岬まで 歩いた。 砂浜は夏の暑さを残して 熱く 岬に着くころにようやく ひんやりし

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あの海を越えた先に、出会いたい未来があると思えるから #わたしと海

*** 長い旅をしている間、ずっと海のそばに居たいと思っていた。 たとえば、モロッコの砂漠に向かう道すがら、どうしても海が見たくなって、衝動的にスペインの海岸線に進路を変えたことがあった。 クロアチア国内を北上する時は、地元の人にどんなに「陸路の方が早いわよ」と言われても、船でドゥブロブニクからプリトヴィツェ湖群国立公園まで辿り着くために、海路を選んだこともある。 島が丸ごと世界遺産のマルタ共和国に1ヶ月滞在した時は、とにかく時間があれば四方八方に広がる海に出かけて、

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海が苦手だった私は、海に救われ、海を愛す

海が嫌いだった。 大学を卒業する頃までずっと。 なぜならば、私には「足が太い」というコンプレックスがあったからだ。 思春期の学生が海を嫌いになるのに、その理由は決して大袈裟なものではないと思う。少なくとも私はそうだった。 夏になると、友だちの「海行こ〜!」という誘いを断る言い訳を、いつも必死に考えていた。モデルのようにスタイルのいい友だちを見ては、顔が歪むほどに妬み、嫉み、羨んでいた。 私にとって当時「海」は、自分のコンプレックスが暴かれてしまうかもしれない危険な場所

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百年後に地球はあるのか?十年後人間は海で泳ぐことが出来るのか?

とある東南アジアの国の出張先で、乗ったタクシーが急に海岸付近に止まる。助手席に置いてあった大きなビニール袋と珈琲の缶を持って海へ向かうと手ぶらで戻ってきた。 「どうしたの?」 と聞くと、 「海がゴミを綺麗にしてくれるから捨ててきた」 と曇りのない表情で応える。 「えっ?海に捨てたゴミがどこに行くかわかってますか?」 と思わず聞き返すも、 「海が片付けてくれる。」 と彼は答えた。 ………… 北国のとある田舎町の病院で働く友人の医師が言う。 「白血病の罹患率は1万人に数人のはず。

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#わたしの旅行記 高校生の時、写真の課題でクセ強な友達とふたりで三宅島に行った話

私には忘れられない夏の思い出がある。 長文になりますが、よかったらお付き合い下さい。 高校の三年間デザイン科で勉強していたのだが、確か二年生の夏休みの課題で写真があり『夏をテーマにした写真を撮り、一枚のボードにまとめて発表する』という感じだった。 学校からカメラを借りられたが、私は父親の全く使っていなかった古い一眼レフカメラを借りて授業を受けていた。 自分で撮ったフィルムを現像して、写真が浮かび上がった時の感動は今でも忘れられない。 ウチの高校はスパルタで一つでも課題を

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海の日、そして夏のある日

海の日、朝一番に外へ出る。すでに暑く空は青かった。こんな朝を子どもの頃に迎えた記憶がある。 なんだかある日から空気が違う。梅雨の蒸れた空気を押しやって暑いが「カーン!」と乾いた空気がそこにいた。 母に「行くよ。」と言い残し、ひたすら南に向かって自転車を漕いだ。愛知県渥美半島の太平洋岸にいつも一人で向かった。豊橋市内を走り抜け、旧陸軍の高師原演習場だった高師緑地の脇を抜けて豊橋鉄道の踏切を横断する。梅田川を渡った辺りから建物らしい建物は無くなる。冬のそこいらは一面がキャベツ畑

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海を愛する会社には、海を愛する仲間たちがいます

みなさんは、海が好きですか? 海で、どんな過ごし方をするのが好きですか? 忘れられない海の景色や思い出はありますか? オートバイメーカーとして広く知られる私たちヤマハ発動機ですが、じつはボート、水上オートバイ、船外機(ボートの外付けエンジン)といった「海」に関する製品もつくっています。そして、その製品を開発し、製造し、お客様にお届けする社員には、海を愛してやまないメンバーが沢山います。 ヤマハ発動機公式note「海の時間です。」にてお届けしているマガジン「私が海を愛する理

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準備は完璧、だが抗えないこともある話。

やぁ、そろそろ来る頃だと思っていたよ。いらっしゃい。 日差しが強いと焼けるよね。 日焼け止めは塗ってるかい、時々塗り直さないとまた焼けるよ。 肌だけでなく、目だって日焼けするんだって。 色々ウェブサイト見ていると、結構これが良くない症状に繋がるらしい。 日差しが強い時はグラサンしなきゃね。 夏休み。 暑い日が続いているが、いかがお過ごしだろう。 今日はいつものような人をテーマにした考察記事じゃないんだ。 私が日常感じた事を徒然記事にするのが青枠。 ちょこっと学びの

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#わたしと海

音楽を聴きながら書いたので 流しながらお読み頂けたら幸いです。 拓郎の元気がない どうしたんだ?と尋ねても いつもは悪態付き合う関係なのに 俯いたままだった ふとキャンパスの方をみると 拓郎が想いを寄せていた人が 別の異性と明らかなマーブル模様 あーはん。失恋したな それ以上尋ねることもなく ただ一緒にいて 帰り際食堂にいって飯を食った。 貧しい学生にとって 安いレトルトのカレーは最高だった 普通に食欲のある拓郎に少し安堵した 拓郎の家にいき なんとなくだけど 彼

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記憶の宝物

初めて夜光虫を見たのは、22歳の時だったろうか。 あれは梅雨が明けたばかりの沖縄の、本島からだいぶ離れた小さな島だった。 信じられないほど美しい海で一日思うさま泳いだあと、シャワーを浴び夕食を食べ、わたしたちは浜辺に散歩に出かけた。 誰もいない夜の海。 こちらに寄せてくる穏やかな波が、青くほの白く、発光していた。 波打ち際を歩くと、足あとがぼんやりと光った。 「夜光虫」という言葉も存在も知らなかったわたしたちは、とても本当とは思えないその景色に、しばらく言葉を失った。

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はじめまして🌸

みなさま、はじめまして🍉 六花(りっか)です。 ずっと気になっていたnote。 ついに始めてみます👏 ITメーカーに勤める20代。 とにかく食べることが大好きで いやなことも忘れられる。 そして、その食べたものを 思い出しているときも幸せ・・・☺ そんな思いを充たすために 思い出とともに 書き残していきます📝 主な出没先は北関東甲信。 仕事の合間に食べたもの 休日食べたもの いろいろ書いていきます👏 基本的に自己満ですが もしかしたら 「どこで食べようか?」 と思

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近いようで遠くて、遠いようで近い。 【Column- 潮気、のようなもの】

 埼玉県西部地区にある、拙子の自宅兼仕事場の最寄りのインターチェンジから高速道路を使うと、神奈川県の茅ヶ崎海岸まで1時間あまりで到着する。もともと海の近くに住んでいる人にとっては「それがどうした」という話かもしれないけれど、海無し県・埼玉、しかも西部地区の県民にとって、圏央道が八王子の先まで延びて、新西湘バイパスと繋がったときは、海がぐっと身近になった感があって喜んだ。   2015年頃の話だ。当時、家の近くの大型釣具店に入って釣り具を物色していたら、「もう海なし県とは呼ばせ

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曖昧

暮れた後の砂浜を一人歩く このまま闇が訪れるのが ふと怖くなる こんなにも好きで 時間を見つけては会いに来るこの海も 太陽がいなくなったその後には 別の顔と空気になる 振り返ると釣りをしていた人の姿もなく 薄暗い空気の中に私が1人 早く戻れ 背中を押される 何となく分かってはいても はっきりとさせない方が良いことが 世の中にはたくさんあって 曖昧 を選択をすることも少なくない 気づいているけど気づかないふり 分かっているけど分からないふり 白々しいと思いながらも

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ウルティマオンライン 黒熊亭読書の秋2023応募作品 「秋の海」

「海を、見たことはあるか?」 突然、聞かれた。 ない。 ただ、うちのそばにある池からは川が流れだしていて、海につながっているのだと聞いたことはある。 この世界は、大きな水たまりの上に木の葉が浮いているような造りになっているのだという。 すべての地面、島の周りには水があって、船にのればどこへでもいけるのだと。 「じゃあ、見に行くか」 海は遠いところにある。 家畜の世話を考えると、遠出は得策ではない。 朝、家を出て、夕方には帰って来られる場所じゃないと出かけるわけにはいか

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