ありふれたカレーが救った、ある日の夕方。
カレーが好きだ。
まあ一口にカレーと言っても、欧風カレー、インドカレー、キーマカレー、家庭的なカレー、給食のカレーと多種多様であるんだけど、わたしはカレーと名がつくものなら満遍なく愛している。
ある日の仕事帰り、どうしてもカレーの口と化してしまった。
きっかけは、ほんの些細なことだった。
松屋か何かのチェーン店で窓際に座っていたサラリーマンのおじさんがカレーを食べていた。
彼が美味しそうに、とか期間限定の、という枕詞がつくわけでもない。
ただ、それを一目見た瞬間、気付いた