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わたしの口福

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食べることが大好きな人の、フードエッセイ。
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ロイホであんみつに出会い直す。

ロイホであんみつに出会い直す。

以前、もはやわたしの作業部屋といっても過言ではない、愛しのコメダ珈琲についてつらつらと書いたが、比較的お客さんが少ない時間帯であれば、ファミリーレストランも作業場所として最高である。

なんたって、食べ物が充実している上に机が広い。その上ドリンクバーという、カフェオレも珈琲もメロンソーダも何でも飲み放題という神システムが存在するのだから。

そして意外と、時間を選べば、パソコンをカタカタしているサ

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滋賀大津にて、ドイツを堪能する。

滋賀大津にて、ドイツを堪能する。

未知との遭遇は愉しい。

それが不安要素が特に見当たらず、期待に覆われているならばなおさら。

目に飛びこんでくる文字は読めるけれど、どんなものを指すのかは見当もつかない。
しかし、きっと美味しいものであるという期待は膨らむ。

わたしは、ドイツにやってきた。

いや、正しく言うと滋賀県大津市にある
「ヴュルツブルクハウス」というドイツ料理のレストランにやってきた。

可愛らしい民族衣装のようなワ

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ひな祭りの特別な甘酒。

ひな祭りの特別な甘酒。

つい先日まで、冷たい風に首を縮こませて歩いていたというのに急に気温が上がった。

分厚いセーターの下、じわりと微かに汗ばんできたので、コートを腕にかけ歩く。

今日のお稽古はきっとお雛祭りにちなんだしつらえに違いない、なんて思いながら茶道の先生のお宅へ急ぐ。

予想通り、使うお道具も床の間も桃の節句のしつらえ。
菱餅に似たような棚(業平棚というらしい)と、床の間には可愛らしいお雛様と桃の花。

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かつてサロンだった京都の老舗喫茶店。

かつてサロンだった京都の老舗喫茶店。

京都といえば、歴史と文化の町だが、それと同時に喫茶店・カフェ天国でもあると思う。

先日京都の老舗喫茶店「フランソア喫茶室」を訪れた。喫茶店好きな方々の中には、耳にされたことがあるかもしれない。

30分ほど店の前で並んでから、わくわくしながら足を踏み入れた。
重厚なつくりの内装に、老舗と呼ばれるのにふさわしい風格を感じ、気持ちが上がる。

珈琲を頼むつもりだったけれど、一軒目で珈琲を飲んだばかり

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お守りはちみつ。

お守りはちみつ。

「はちみつ、舐めとき。」
幼いわたしが「喉が痛い。」と訴えると母は必ずそう言った。

ガサガサ、チクチク、イガイガ。
わたしの風邪は、決まって喉から嫌な乾燥と痛みを伴ってやって来た。

トローチでもなく、病院でもなく、はちみつ。
はちみつは、我が家の薬とも言える存在だった。
また母から、「はい、これ食べ。」と渡されるはちみつもバリエーション豊かで、ヨーグルトにふんだんにかけた「はちみつヨーグルト」

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寒い時期の特別なおもてなし。

寒い時期の特別なおもてなし。

頬に当たる風は、相変わらずつんと冷たい。心なしか、はや足で茶道のお稽古に通っている先生のお宅に向かう。

扉を開けて目に飛び込んできたのは、枝につつましやかに白く色づく可憐な花。これは梅かもしれない。
こんなに寒いというのに、どこかでは春の兆しが顔を覗かせているんだろうか。

この日、わたしがお点前をするのは、1か月半ぶりだった。
先月の初めにあった初釜は、先生やお稽古歴の長い先輩にお点前をしても

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美しきパフェに浸る。

美しきパフェに浸る。

パフェほど、なんだか特別感があって心躍る食べ物はないと思う。

鮮やかな果物、クリーム、アイス、その他諸々。それらがぎゅっと集まった一杯には甘い物好きにとって、夢が詰まっているも同然だ。

昔はどんなパフェでも興奮に値するものであった。
しかし社会人10年目に近づき、悲しきかな、やたらと生クリームやコーンフレークが敷き詰められているパフェにはあまり魅力を感じなくなってしまった。

しかしコーンフレ

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コメダ珈琲のアレ。

コメダ珈琲のアレ。

「好きなチェーン系カフェは?」

そう誰かに聞かれたら、わたしは間髪入れず、何の曇りもない眼でこう答えるだろう。
ーそう、「コメダ珈琲。」だと。

わたしのエッセイを読まれて長い方々は、ご存じかもしれないが、ちらちらコメダ珈琲への愛を垣間見せてきたが、今日はその魅力を存分に語らせていただきたい。

わたしがコメダ珈琲が大好きになったのは、社会人数年目になってからである。
その当時一人暮らししていた

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奈良の隠れカフェにて、ことばに浸る。

奈良の隠れカフェにて、ことばに浸る。

先日奈良旅について投稿したが、そこで訪れた奈良の隠れカフェが最高だった。
閑静な住宅街から、さらに奥に入ったこの一軒。

見つけた味のある看板。もうここから素敵。
わたし、お店の様々な看板、結構好きかもしれない。

席数はさほど多くはないこじんまりとした空間。
先日書いた洞川のお宿しかり、町屋カフェのうどん屋さんしかり古い木の建物に、どうしてこう惹かれるんだろう。

どこを切り取っても、魅力的であ

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鹿とグルメ旅、奈良。

鹿とグルメ旅、奈良。

先日、遠足の付き添いに行ったとき、ふと思った。
ー自然ってやっぱりいいなあ。
近いうちに、自然を感じられるところに行きたい。
そして、その翌日の晩御飯食、旅系Youtubeをまったり眺めていると、奈良のおいしいレストランやカフェの特集を見かけた。

その二つが重なり、ふと閃いたのだ。
ーそうだ、奈良に行こう。

そのYoutubeを夫と見ていたので、夫も乗り気になったようだ。
「じゃあ、今週ね。」

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奈良の洞川にて、本物レトロに泊まる。

奈良の洞川にて、本物レトロに泊まる。

山道を車でくねくねと上ること、数十分。
本当にこんなところに温泉街があるのだろうかと首をかしげていると、急に並ぶぼんやり明るい提灯の明かりに目を奪われた。

今回訪れたのは、奈良県の南東部、奥大和エリアにある天川村に位置する洞川(どろかわ)。
大峯山の麓に広がる秘境として知られており、この地は役行者(えんのぎょうじゃ)によって開かれ、7世紀後半から修験道の聖地として1300年もの歴史がある。

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秋の深まりと温かい紅茶。

秋の深まりと温かい紅茶。

肌に触れる風が涼やかになり、日差しが不快なものではなくなってしばらく経つ。
秋の中でも、残暑が厳しいわけでもない、かといって風が特別冷たいわけでもないこの季節。

暑さがようやく和らいで、寒さに向かうまでのこの10月中旬から11月にかけての時期がわたしはとても好きだ。

乾いた爽やかな風。
すっきりと高い空。
金木犀の儚く甘い香り。
栗やかぼちゃといった秋の収穫物。
わたしの好きなくすみカラーが主

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喫茶天国、名古屋の旅。

喫茶天国、名古屋の旅。

名古屋はなんといっても喫茶店の街だ。
その歴史は、「茶の湯」が庶民にまで普及した江戸時代にまで遡るらしい。

先日、喫茶店・カフェを巡る「喫茶観光」に繰り出したので、まとめてみる。

1軒目は、
「コーヒーハウス かこ」
名古屋で初めて自家焙煎を始めたお店、らしい。

そして喫茶100銘店にも選ばれた人気店。
開店前の7時から人が並び、時には20人待ち、なんてこともあるそうだ。

ひええ、、、。名

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いざゆかん、名古屋グルメ旅。

いざゆかん、名古屋グルメ旅。

今回の行き先は名古屋。

新幹線でも行けるけれど、近鉄の特急列車が好きなので、「ひのとり」で行くことにした。   

シックな赤色の車体がかっこいい〜。

車内は広々としていて、全座席に充電コンセントがついている。しかも机が頑丈なので読書したり、書き物したりするわたしにはとてもありがたい。

そして地味におおっと感動したのが、後ろの人に遠慮せず椅子が倒し放題の仕組み。

後ろに座席を倒すときってや

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