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読み返したい誰かのnote。

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また読み返したいたいなあ、と思ったnoteを集めています。
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ただ、欲しかった。

ただ、欲しかった。

窓の外には雪が降り始めている。

ガラス窓のサッシ部分は結露して、丸い粒々がたくさんくっついている。暖かさと冷たさの境界線に偶然できた粒々の美しさに、心を奪われた。

年明けだった。私は仕事場で、PCに向かい残業していた。どんどん考えが深みにはまっていった。同じことを何回も何回も。ぐるぐると。
──あの人と結婚するにはどうしたらいいのかなぁ。

私は、結婚を反対されていた。

👓

そもそも、彼

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最新教育用語集30~職員室の皆さん、これだけは覚えといてね~ #129

最新教育用語集30~職員室の皆さん、これだけは覚えといてね~ #129

「学びのきっかけになればいいなぁ。」
「共通言語があると、早い!」

と思い、作成します!
 職員室向けに発信したものですので、簡単な言葉の紹介のみです。
 ほとんど引用なので、「セレクトショップ」だと思ってください。

1.グリット

 GRIT(グリット)とは「やり抜く力」のことで、アメリカの心理学者であり、ペンシルヴァニア大学のアンジェラ・リー・ダックワース教授が提唱した言葉です。
 Gut

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ずっと探していた答えは、とてもシンプルなものだった。

ずっと探していた答えは、とてもシンプルなものだった。

北海道キャンプへ行った最終日の朝、初山別村のみさき台公園という場所から、碧く広がる日本海を長い間見つめていた。
その海の色が私の心を落ち着かせていくのがわかった。
「青」というより、「碧」。
やや緑がかった深いブルー。

普段、私は海を見るとなんだか落ち着かなかった。海はあまりに大きくて、果てがなくて。自分が呑み込まれてしまうような感覚。私にとって、海はどちらかといえば、心許せるものではなく、畏怖

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神様がたくさん宿った絵本たち

神様がたくさん宿った絵本たち

ちいさい頃、母親にたくさんの本を読み聞かせてもらった記憶がある。

本の内容については、正直なところ、ほとんど覚えていない。
でも、母親と兄と三人で座って、たくさんの本を読んでいたこと、その時間が楽しかったことだけは、とても温かな温度で覚えている。

そういう記憶があるからか、
息子が生まれてから、たくさんの絵本を読んできた。

カメラロールを見返すと、生後半年をすぎる頃にはボードブックを歯固めに

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出生前診断をせずに、三人目を産むことを決意するまで

出生前診断をせずに、三人目を産むことを決意するまで

雪が舞う朝だった。
毛布に包んだ二女を抱えて、私は近くの病院へ駆け込んだ。娘は昨夜から急に高熱を出し、呼吸が荒くてゼーゼーいっている。

当時5歳だった娘は、インフルエンザに罹っていた。彼女はもともと感染症に弱くて重症化しやすい身体のため、奥のベッドですぐに点滴の処置が始まった。

私も昨夜から少し熱っぽかったので、念のために検査をお願いした。思った通り、私もインフルエンザに罹患していた。

私の

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今年の目標は大人になること

今年の目標は大人になること

こんにちは。
写真は橋の上から撮ったものです。
ボートが夏らしい。水面がきらきら。

気温は29度になったと思ったら、今週は17度。
まだ少しひんやりしています。

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Q.結婚してもずっと好きでいられる?/剥製の動物/帰省旅/夫のこと(日記)

Q.結婚してもずっと好きでいられる?/剥製の動物/帰省旅/夫のこと(日記)

付き合っている彼氏との結婚を意識するけど、ずっと好きでいられるのかなとふと思ったりします。結婚前にそう思ったことはありますか?

と、質問をもらいました。結婚について何かを語れるほど、結婚生活を長く営んではいないのですが、すこし答えてみますね。

ずっと好きでいられるのかなぁ? って、私は、いまでも思っています。結婚生活を続けるのって、やっぱり簡単なことじゃないんですよね。たった数年でも「こりゃ修

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もっと五感を働かせ、旅の前より元気になるための3ヶ条

もっと五感を働かせ、旅の前より元気になるための3ヶ条

旅の前より、元気になっている。
それが最近のわたしの、旅のちいさなゴール。
日常のよどみを少しずつ洗い流していくのだ。

例えば、大きく深呼吸して、冷え性の指先にも熱を感じる。目も、鼻も、耳も、空間のリアルを感じて、五感が生きている。そのためにわたしが実践している3つのことがある。

荷物を軽くすること、早起きすること、デジタルを離れてみること。

以前までは、帰宅するなりソファに倒れ込むような旅

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「恋人」ではなく「夫婦」でありたい

「恋人」ではなく「夫婦」でありたい

家族で温泉旅行に行ってきた。

桜が満開だった。
お花見を兼ねた温泉街散策のあと、食事を楽しんで温泉でくつろいだ。
娘が寝たあと、別室で夫と明日の予定について話し合う。
川沿いの部屋は、窓から桜が見えた。ライトアップされて美しいことこのうえない。桜って昼と夜でどうしてああも印象が変わるんだろう。

目の前に浴衣姿の夫がいる。ふと、結婚してよかったなと思った。

「あなたの人生で最も幸運だったことは

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先生になりたい人が減っている世の中へ。

先生になりたい人が減っている世の中へ。

先生になりたい人って
こんな時代にいるのだろうか?

と、現職の教師である私が言うのもアレだが、
結構本気でそう思う。

先生だってバレると
150%「うわー、大変!」って言われる。

「先生やってる人ってほんと凄いと思う!」
「モンペってほんとにいるの?」
ってコメント、多分50回は聞いてる。

いや、私なんぞが出来てるから
先生って何も凄くないんだけど。
いや、勿論凄い先生も山ほどいるんだけど

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"幼稚園への送迎"を全力で味わうと決めた2023年。

"幼稚園への送迎"を全力で味わうと決めた2023年。

12月後半。

期限付きのやらなきゃいけないこと、期限はないけれど今すぐやりたいことが、同時にグアーっと押し寄せてきた。

1分1秒もムダにしたくない。

そんな気持ちが強くなってしまっていた。

やらなきゃいけないことも、やりたいことも、息子がいたら集中してできない。できることがあったとしても、きっと3倍の時間がかかるだろう。

息子がいないときが、それらのことをグッと進めるチャンスなのだ。

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在りし日の残像

在りし日の残像

 音階がズレていくみたいに、会話が噛み合わなくなる。できたての不協和音が響く空間で、徒労に終わる会話もいつしか温かい思い出になるのかな、とぽつりと意識しながら、ホットコーヒーを啜った。

「だらだらと過ごすくらいなら、誰かいい人みつけて、デートのひとつやふたつしておいでよ。」

母は、恋愛に疎い私に対しての苛々を言葉へ変換し、ぶつけてくる。もう恋なんてしない、とつい口にしてしまった私が悪いのだけれ

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記憶に残った景色、味、場所を振り返る|2022

記憶に残った景色、味、場所を振り返る|2022

環境や自分の変化に適応しようと必死な日々。特に2022年はお手上げしたいくらいにゆるやかな地獄と付き合って来たような気もする。

そんななか、なんとか自分を癒そうと好きな食べ物だけは手放さずにいられたのが救いだったように思える。好きなお店の味、新しく出会えた一皿、自分のために作るおやつ、そういったものが光だった。

生活が少し落ち着き、やっと一旦止まることができると思ったらもう年末へのカウントダウ

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【2022読了版】おすすめ本を紹介します!

【2022読了版】おすすめ本を紹介します!

今年もあっという間に1年の終わりを迎えようとしています。noteを始めて2年。毎年、その年に読んだ本の中からおすすめしたい本を紹介しています。毎年恒例となりつつあるこの記事、今年もお楽しみ頂けると嬉しいです。

■ミステリー部門

真夜中のマリオネット / 知念実希人

***
今年手に取ったミステリー小説の中で、ダントツで読み応えのあった1冊!個人的に、知念さんの作品は、勢いのままに読み終えてし

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