地中海性気候

いつも心が荒ぶっているけれど、note を書いている時は鎮まる人。心の奥の結晶みたいな…

地中海性気候

いつも心が荒ぶっているけれど、note を書いている時は鎮まる人。心の奥の結晶みたいな思い出を取り出して書いたエッセイ多め。 2023note創作大賞エッセイ部門一次通過。 2022某県文学賞随筆部門佳作。 脚本の勉強中です。 アイコン:byけそさん@quesogritando

マガジン

  • リュクスなnoteたち

    • 2,013本

    大人のオンナの集まるところ。

  • side : 娘

    自閉症スペクトラムの娘について、思ったこと

  • Just let me say ...

    一言だけ言わせて。伝えたいことがある。

  • side : 夫

    超弩級マイペースな夫の観察

  • The spirits of writings

    心の奥をじんわりと温めてくれる記事たち。自分を鼓舞するためにここに、憧れを込めて。

最近の記事

変わる春 #呑みながら書きました

おはようございます。 後夜祭の遅刻ぐま、改め、遅刻組の地中海性気候です。お久しぶりです。 こちらの企画に参加しています。 呑みものは、ホッとコーヒーです。 マリナさん、ご就職おめでとうございます! この企画も19回目、おめでとうございます! 私がいるここは、今までの住んでた場所ではありません。県をまたいで大移動し、田舎町から都市へやってきました。 思えば2年以上前から考えて考えて決めました。 娘に通わせたい中学校がありまして、そこの校区内で探したのです。春から、娘のハ

    • そこに立ってた

      ──このカップを洗ったら洗濯を干して、犬にご飯をあげよう。まてまて、今日の午後は天気どうなるんだ? てなことを考えながら、シンクに仁王立ちしてジャブジャブと洗い物をしていた。洗い物をする時、私はほぼほぼBluetoothスピーカーで音楽を聴いている。だけど、たまたま静かな部屋で洗っていた。だから、玄関の音に気がつくことができた。 カチャ。 カラカラ。 トントン。 ──え?サムさん(夫)かな〜? 人の気配がしたので振り返ると、そこには娘のハトちゃんがいた。私がさっき車で

      • 静かで熱いまばたき

        じゃがいもとたまねぎをサクサク切っている。ありったけの新鮮素材でおもてなしするのだ。旬の野菜に、地元産の霜降り牛。私の頭の中は料理の手順でいっぱい。ウェルカムディナーを拵えていた。 気が付くと、私は鼻歌をハミングしていた。 いつの間にか耳にはピアノの音が届いている。 弾いているのは、ずっと古くからの友人である。その音があまりにも自然に空気の中に紛れていたから、いつ始まったのか分からなかった。優しいタッチでぽろんぽろんと。片手だけの単音から、だんだんと音数が増して、フレーズが

        • あの時はごめんね、クリスマス。 #呑みながら書きました

          こばわ! ホントにホントに呑みました。 クリスマスイブなんですもの。スパークリングワインを吞んだ後に書いてます。はいtんしょんです。ウフ。 この企画に参加しています。 誤字脱字はチャームポイントなので直さないのがルールとなっております。 マリナさん、いつもありがとう。 そしてお帰りなさい。日本を楽しんでね。 ピッカピカのピッカーさん達もありがとう。 今回、何を書こうかしら? 私、何故なのかは分かりませんが、呑み書きの時、割と恋バナ書いてるんですよ……。このノリならば言

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        記事

          アナタハ、サンタ、シンジテル?

          「…ねえ、サンタさんっているんだよね?」 先週から相次いでインフルエンザ陽性になったせいで、私と一人娘のハトちゃんは、昼間っから布団を並べていた。 ハトちゃんも、もう小学6年生。 クラスメイトからの情報を総合してゆくと、「サンタクロースは両親である」という結論に至ったらしい。それでも、ハトちゃんはまだ家族に聞いてみないと分からないと思ったらしい。寝込んでいる母親に尋問を始めたのだった。 「ねぇママ、サンタさんはいないってお友達が言うの」 「えっ?(うろたえ)」 「あんなに

          アナタハ、サンタ、シンジテル?

          オルタナティブ

          近況と決意みたいなものを。 夏からこっち、ずっと公募に出す脚本を書いていました。 私の心は一日中、あっちの世界に行きっぱなし。登場人物がずっと、私の背後で話している日があるかと思えば、ふいに曲がり角を曲がった時に、劇中の風景が再現されてしまう日もあったほどでした。 一度、10月の頭に書き上げました。 脚本スクールでプロの方にご意見をお伺いする機会を得て、見てもらうためでした。 思えば、そこからが苦しかった。 いただいたアドバイスは鋭利な刃物みたいに私の心と作品を切り刻み

          オルタナティブ

          ただ、欲しかった。

          窓の外には雪が降り始めている。 ガラス窓のサッシ部分は結露して、丸い粒々がたくさんくっついている。暖かさと冷たさの境界線に偶然できた粒々の美しさに、心を奪われた。 年明けだった。私は仕事場で、PCに向かい残業していた。どんどん考えが深みにはまっていった。同じことを何回も何回も。ぐるぐると。 ──あの人と結婚するにはどうしたらいいのかなぁ。 私は、結婚を反対されていた。 👓 そもそも、彼と出会ったのは、この広大なインターネットの宇宙内だった。ガラケーしかなかった200

          ただ、欲しかった。

          勝手に!別居四部作まとめ

           ゴールデンウイークが過ぎ去って最初の週末、なんとなくスマホをいじっておられる方も多いかと思います。  どちら様もいかがお過ごしでしょうか。  何となく、これまでに自分が書いた過去記事を読み直していて、気がつきました。こっぱずかしい私的な事件である「別居」にまつわるエトセトラを結構書いていることに。それだけ自分にとって大事件だったってことかな。 突然、「時系列でお読みいただくと興味深いかもしれない」と思いつきました。全然需要はないけど。勝手に供給してみます。 (三部作かと思っ

          勝手に!別居四部作まとめ

          端っこに灯るあかり【ノトコレ応募版】

           私は二十一の時、前のめりで片思いをしていた。朝起きてから眠るまで、ずーっと好きな人のことを考えては悶々としていた。  最近、なぜか思い出す。その好きな人のことではなくて、好きな人の親友のことを。   その日は、炉端焼き屋の片隅で、シシャモを一心に焼いていた。お腹の弾力を箸の先っぽで心ゆくまで確認しながらも、頭の中では好きな人のことでいっぱいだった。今後、好きな人のことはミヤモトと呼ぶ。 「おう。待たせたね」  そう言いながらドシンと横に座ったのは、セナ君だった。ミヤモト

          端っこに灯るあかり【ノトコレ応募版】

          大いなる意思 #匿名超掌編コンテスト参加作品

           斜めの光が静かに差し込むエントランスに立っていた。  透明な光は少しだけオレンジがかっており、その中をきらきらと雲母のように光る埃が舞っている。夕方へ向かう前の、この時間が一番好きだ。  頬に光を受けながら大理石の階段を登る。その部屋の扉が見えてくる。寄木細工の廊下を歩く間に、胸がざわめき始めた。ずっと誰かの視線を感じるのだ。早く部屋に入ってしまおう。  扉を開け数歩あるくと、そこは森だった。「え、何?」緑の柔らかい草を踏みしめて立っている私。振り返ると、扉の向こうに今

          大いなる意思 #匿名超掌編コンテスト参加作品

          『なんでもない日』

          ブー!室内の灯りは落とされて暗くなります。これから、前方の画面で物語が始まります。 ノボさんは、カーテンの隙間から差し込んでくる光が瞼にあたっているのを感じていた。 朝だなあ。 部屋を暖めるとしよう。 ファンヒーターのボタンを押す。それからまた、一旦暖かい布団の中に戻って目をつぶる。定年退職後は、二度寝を楽しめる。目をつぶっていると、頭の中につらつらと何かが浮かんでくる。それを深く考えるのが日課だった。 「今日は、あれを見に行こう」 心がワクワクと膨らんでくるのを感じて

          『なんでもない日』

          空の底

          これは最近、私の頭の中で繰り返し再生しているアラートです。ついついエッセイを書いている時の気持ちで描写をしそうになる時、鳴り響くのです。 この秋、私は脚本について学び始めました。 きっかけは、父の施設入所でした。 面会した時に、シャイな父とはなかなか話がはずまないのです。会えない間に伝えたいことを心でずいぶんたくさん用意していたはずなのに。父が家にいた時には存在しなかった透明な薄い膜が私と父の間に張られています。物理的にも心理的にも。 エッセイを手紙にして手渡そうかなあ

          拝啓 あなたは誰ですか?

          夕暮れのオレンジ色の光の中、気がつくと交通量の多い国道に出ていた。どうやってここまで来たのだろう。ハンドルを右に切ったり左に切ったりしたはず、いつの間に。 プーッ 後ろからクラクションを鳴らされてハッとする。もうほとんど止まりそうな速度になっていた。慌てて路肩に停車する。 考えごとが佳境に入ってしまって、目は開いているのに、過集中になっていたようだ。 9月は心がざわめいた月だった。だからそういう「ぼーっとした集中」が何度もあった。エレベーターに乗っているのに、行く先の

          拝啓 あなたは誰ですか?

          痛かったことワースト10 #読まれないnoteを書こう

          はじめに今月の前半に入院して病院で過ごしていました。 TVのカードは買わずに、スマホをいじるか、紙の本を読むか、何かをただただ考えて過ごしました。何故か利き手に点滴が繋がっていたので、何もしないでじっとしている三つ目の過ごし方が最も楽でした。 ベッドの上で横たわっていると、色んなことを思い出します。こんなのが頭の引き出しに入ってたのか、と驚きました。 今日は、その中の一部、『これまでの人生で痛かったことベストテン』をお送りします。あっ、ひどい目にあってるからワーストですね

          痛かったことワースト10 #読まれないnoteを書こう

          声と文章のあいだぐらいのもの #呑みながら書きました

          どちら様もこんばんは。 呑み書きも13回目になってgo長寿企画になりましたね。ご長寿良企画! この場所があることに感謝しています。いつもありがとう。 今夜も、このルールに従って書いていきます。今夜はホットミルク飲んでます。 🍻 こないだTwitterで面白いWebアプリが流れてきたので、ちょっと使ってみました。『発言まとめメーカー』といいます。複数の文字列を一枚の画像にレイアウトして描画してくれます。小瀬雨もとい、小説のあらすじにも使える面白いアプリです。Twitter

          声と文章のあいだぐらいのもの #呑みながら書きました

          バック トゥ ザ フューチャー

           縄を絡ませた棒をリズミカルに動かす。棒を板に押し付けながら高速に回転させ、板との間に摩擦熱を起こす。  火を起こしていた。  ゴールデンウイークの火おこし体験は、参加者が多く、親子が発する熱気と5月にしては強めの太陽光線で暑かった。遺跡公園の中を、子どもは賑やかに走り回っている。  あぁ暑い、あぁ騒がしい。  そんな草の上で、擦れ合う一点だけを見つめていた。すると、私の体はなくなって、横にいる娘と溶け合って、火を待つ気持ちだけになった。手元に集中すればするほど、時間と

          バック トゥ ザ フューチャー