本当の声を聞かせておくれ
センター試験も終わって、高三の2月。
二次試験対策の授業があるにはあったが、自宅や予備校で自習する者も多くて、学校の教室に生徒はまばらだった。
小論文対策のクラスに現れたのは、なぜか化学のタジマだった。
「回収した答案は国語の先生が赤ペンを入れます」
と言って有名国立大学の論文試験を配った。そして、けだるそうに黒板の前に座った。
全部の文章に月が絡んでいた。
文章を読み進めるうち、私はどんどん不安になった。①は説明文であり、地学的な事象を断定的に論じている。②は、事件につ