凛子

小説と映画、そして書くことが好きです。 昔のことをどんどん忘れているようなので、古今問…

凛子

小説と映画、そして書くことが好きです。 昔のことをどんどん忘れているようなので、古今問わず失いたくない大事な記憶を記していこうと思います。

マガジン

  • ヨーグル殿の13人

    昔、趣味で小説を書いていました。私が書くきっかけとなったある小説家のこと、彼から学んだこと、彼との昔と今を書いていきます。

最近の記事

お酒が飲めるようになりたい?

私は父の影響を多大に受けた人間なのだが、これだけは影響を受けたくなかったと思うことの一つに「お酒」がある。 実は、私はお酒がほぼ飲めない。 別に体質的に飲めないわけじゃない。 チューハイ(アルコール3%)なら飲める。めったに飲まないけど。 精神的に飲めないのだ。 毎晩毎晩、浴びるように吞みまくり、夜中に近所迷惑顧みず騒ぎまくり、物を壊しまくり、夜中にタクシーで帰って来てはピンポンを連打して眠っている家族を叩き起こす。 そんな過去を思い出すたびに、お酒が憎くなる。 ドア

    • 賢い女

      朝ドラと大河ドラマをみていると、今年のキーワードは「賢い女」だな、と思う。 寅子もまひろも、性格やタイプは違うが、二人とも知的で論理的で非常に聡明だ。 だが、どこか抜けているところがあるし、女性という理由だけでその並外れた知能を活かすのに苦労している点など、視聴者が応援したくなる要素もあって大成功なヒロイン像だと思う 夫と結婚して子供が生まれ、今の家に越してきて、近所にたくさんの友達ができた。 最初は子供を通じて仲良くする、いわゆるママ友だったが、子供が大きくなった今では大

      • 呪いの言葉と遺伝子(終)

        夫は温和な人だ。 非常に論理的で、物事はじっくり考えるタイプ。慎重な性格だけど、すぐに私に結婚を申し込んできたり、家を建てたときや、娘のことや親のことなど話し合うときには「決断力のある人だな」といつも感心する。 感情的になって大きな声を出すことはない。 あまり喋らない。人の話をよく聞く。お酒はたしなむ程度。外でみんなでワイワイ呑むなら、家で本を読みながら一人で静かに呑みたい人。 まだまだあるが、要は全てが父と正反対なのだ。 その夫が珍しく「馬鹿なことを言うな!」と大きな声

        • 呪いの言葉と遺伝子(2)

          初めて「親ガチャ」という言葉を耳にしたとき、なぜか大学入試の記憶がよみがえった。試験会場まで車で送ってくれた父が、試験が終わった私に「腹、へっただろ。なんか食おう」と言って学食へ連れて行ったときのことだ。 父が財布を確認し「悪いけど、今、800円しかないねん」と言う。 父に悲壮な表情はなくテヘッと笑ってる。 この人っていつもこうだな、と思う。 毎晩、お酒を呑んで帰ってきた。 タクシーで帰って来ると、寝ている私と母を起こして「タクシー代、払っといて~」とテヘッと笑うのだ。 母

        お酒が飲めるようになりたい?

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        • ヨーグル殿の13人
          12本

        記事

          呪いの言葉と遺伝子(1)

          昨夜、夫に吐き出すように心のうちを明かした。 長年、抱え込んでいた私の真っ黒な心の澱に、夫は戸惑っていたけれど夫と娘の言葉に救われたので記しておこうと思います。 誰にとっても不快な内容です。申し訳ないです。 それでも書いてあの呪いの言葉を解きたいです。 天国のお父さんへ 私が小学生のとき、お父さん、お母さんと結婚した理由として「お母さんが優秀だったから」って話してくれたよね。 国立大学出身で教師だったお母さんはとても頭がいいから、俺より下のレベルの子供は生まれないって確信

          呪いの言葉と遺伝子(1)

          あなたみたいになりたい

          前回の記事で、キョウと話していると男に生まれたかったと思うことがあると書いたけれど、もっと書けば、キョウみたいになりたいと思ったことがある。 キョウみたいに「この人、面白過ぎない?」みたいな返しができる人になりたかった。 キョウの言葉の打率に憧れた。言葉のホームラン、でもそんなところに飛んじゃうの?みたいな。だから楽しい。 その面白さは多くの人を魅了し、いつも彼の周囲は人でいっぱいだった。彼が会社を興したときも、たくさんの人が集まった。 面白いのは彼みたいな人と会話をするの

          あなたみたいになりたい

          私のソウルメイトへ

          夫に「同窓会、やっぱり欠席するの?」ときかれた。 同窓会の出欠連絡の〆切日が近づいている。 夫はすでに出席する旨を伝えているようだが、娘を一人残して夫と二人で出かけることに気がすすまないので、私は欠席するつもりだった。 同窓会へ行くより、娘と二人で何か美味しいものでも食べに行きたいな。 娘もお友達と遊ぶことがだんだん多くなって、私とはなかなか出かけてくれなくなるだろうから、今のうちにいっぱい遊んでおきたい。 そう言ったら、夫と娘に「そんなことはない。いくつになっても二人で遊

          私のソウルメイトへ

          娘のスピードに母はついていけるのか

          私と夫は会うこと2回目で、私が「彼女にしてもらえないですか?」と言ったことで付き合うことになり、4回目で夫が「結婚しませんか?」と言ったことで結婚することになった。 出会って2か月か3か月ぐらいのことだった。 同棲することもなく、入籍してマンションを借りて二人で住み始めた。 周囲の友人には、とても驚かれた。 高校や大学時代の友人には、彼氏ができたことさえ報告してなかったので「結婚?誰と?」と不思議そうな顔をされた。 「彼氏とは別れたんじゃなかったの?」と前の彼氏と結婚したの

          娘のスピードに母はついていけるのか

          矛盾してるけど嬉しい

          結婚前に付き合っていた男性に、父親と病院を経営していた医者がいた。 親に医者になれといわれたわけではないし、自分でも何がきっかけだったか記憶にないけど、幼いころから父親のような医者になりたいとずっと考えていたらしい。 実際、彼のように医者の子供は医者になる人が多い。 政治家でも二世がいっぱいいる。 世襲で受け継がれるものって確かにあるんだろうけど、私は最も大きな鍵となったのは、彼らが医者や政治家になる過程を親を通して想像しやすかったことじゃないかと思ってる。 親の姿を通

          矛盾してるけど嬉しい

          彼と喧嘩(後)

          父はとにかくお酒が好きな人だった。 呑まない日は一日もなかった。 ある晩、寝ていた私は父の声で目が覚める。今夜は会社の人も一緒らしい。 しばらくすると、母が部屋に入って来て挨拶しなさいと言う。 もう深夜。明日も学校だし、母に「寝てるから断ってほしい」と頼んだ。 「わかった」と母は部屋を出るものの、すぐに戻ってくる。 「ちょっとでいいから出てきて」と。 私、母を追い返す。母、また戻ってくる。 とうとう母が「起きなさい、出てきなさい」と泣きそうな声を出すので、私はしぶしぶ父た

          彼と喧嘩(後)

          彼と喧嘩(前)

          キッカケは些細なことだった。 ヨーグルから、編集者さんからのメールの報告をよく受ける。 こんな依頼がきたけれどスケジュールはどう?など、仕事にかんする相談をいろいろされる。 私と相談して決めたあとは、彼がその旨を返信する。 先日「メールの返事は私がしようか?」と提案した。 〆切に追われる中、メールする時間がもったいないように感じたのだ。業務連絡だから短いメールとはいえ、ほぼ毎日のこと。実は結構な時間をとられているんじゃないだろうか。 だから、これからは私が編集者に返信する

          彼と喧嘩(前)

          ある小説家の秘書日記(4)

          映画「岸辺露伴、ルーヴルへ行く」を鑑賞。 このシリーズが好きだ。 ミステリというより、奇妙な物語として楽しんでいる。 毎週みると頭が混乱しそうなので、一年に数回、たまに見るのがいい。 露伴の担当編集者、泉ちゃんが好きだ。 ホラーテイストの強い、不気味なキャラがひしめき合う中で、唯一安心できるキャラであり、無駄に明るくキャッキャしてるが実はとても頭がよくて有能ってところが素敵。 おこがましくも、顔は全く似てないが、キャラ的には私と似てるんじゃないかと思ってる。 特に露伴と泉ち

          ある小説家の秘書日記(4)

          私は女性らしくありたい

          「私の通う女子大の子はK大の男の子と付き合うの。あなたの大学の男の子とは付き合わない」 大学に入って間もない頃、某女子大に通う子から突然、そんなことを言われた。私は別に誰かを紹介するとは言ってない。本当に突然のことだった。 彼女はK大のサークルに参加し、会うたびにサークルの話をしてくれたが、彼女の話に私はだんだんと違和感を抱く。 彼女が好きな人の話を全くせず、ひたすら男性からの行動を待っていたからだ。 積極的なのか消極的なのか、いまいちよくわからない子だなと思いながら私は

          私は女性らしくありたい

          最初で最後の占い

          一度だけ占いに行ったことがある。 結婚前、勤めていたときのこと。 元彼と碁の先生とのごたごたで二人と別れ、その数か月後に付き合った勤務医とも別れ、その後に付き合った開業医の男性と結婚の話を白紙に戻し別れ「疲れた。もう一人でいたい」と思っていたときのことだ。 一人でいるほうが私はいいのではないか。そんな話を先輩にしたら、突然「占いに行かない?めっちゃ当たるって評判の占い師、知ってんねん」と誘われた。 いつもの私なら「興味ないです」とお断りするのだが、このときは「一度やって

          最初で最後の占い

          年齢重ねて、私もやっと追いついた?

          私は人の本棚を眺めるのが好きなのだが、ヨーグルの本棚はその中でも群を抜いて好きだ。 例えば落語の本がいっぱいある。 落語は聴くもので読むものじゃないと思っていたので驚いた。 話していると彼がオチのある話が好きなのがわかる。だから話にオチがないと気が済まない(と言われる)大阪育ちの私と合うのかもしれない。 また彼の書いているものを読んでいると、落語の影響を受けているのもわかる。オチが洒脱でキレイに決まってる。その着地点が読者の予想を大きく裏切るところが彼の持ち味だろう。 シ

          年齢重ねて、私もやっと追いついた?

          女の覚悟はすごいぞ

          前回の記事の続きです。 以前、夫は多忙を極めていた。 同僚の女性たちの育児休暇&時短勤務が重なったからだ。 夫のチームは女性が多い。 もともとは男性のほうが多かったのだが、仕事が大変なので辞める人もいて(環境というより、頭脳的についていけなくなるらしい)結局、残ったメンバーを数えたら女性のほうが多くなっていたらしい。 女性が辞めない理由を夫はこう話している。 「男はここを辞めても、また同じような条件で働けるって思うんだろうけど、女性はここを辞めたらもうこんな好条件(特に

          女の覚悟はすごいぞ