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ある小説家の秘書日記
某月某日
先生と「エイリアン・ロムルス」を鑑賞。
〆切を控えていたけれど、夏に「原稿を書き上げたら『オッペンハイマー』を観に行こうね」と約束してたのに、原稿を書き上げたときには上映すでに終了間近。夜のみ上映という事態に。
時間が合わず、結局、鑑賞できなかったという失態をおかしたため、今回は「さっさと観に行ってしまおう」と原稿そっちのけで行ってきた。
エイリアンは面白い。
毎回、期待を裏切らない
第一印象はなかなか変わってくれない?
昔、知人男性の恋愛話にすごく共感したことがある。
彼が初めて付き合ったときの話なのだが、バイト先で店員同士の喧嘩を止めたことがあるらしい。それがキッカケで同僚の女の子から告白されたとのこと。彼女は、彼が冷静に喧嘩を止める姿に惹かれたらしい。
ところが微妙なすれ違いが出てきた。
彼女の脳内では、どうも彼は「超クールなキャラ」となっているのだ。
だが彼はそういうキャラではない。
すごい饒舌だし、ち
「今、褒めるのは嘘くさいと思うのが僕の悪いところだ」
夫と喧嘩して、部屋にこもって泣きながらキョウにlineしたことがある。
「私の悪いところを教えてほしい」
夜中に突然こんなメッセージがきたら、ある種のホラーだな。
キョウからは、すぐに「情報が少なすぎるね」と返信がきた。
でも私のホラーはなおも続く。
「じゃあ、私のいいところを教えて」
「たくさんあるよ。でも、今、褒めるのは嘘くさいと思うのが僕の悪いところだ」
不思議なもので、そのメッセ
私のソウルメイトについて
先日、娘のことで大変に落ち込み、夫に相談するも今度は夫と険悪な雰囲気になるという「泣きっ面に蜂状態」になった。
全てが嫌になり寝室へ向かう。こういうときは寝るに限る。
でも眠れない。
キョウにlineした。
「落ち込んでるの。あなたの中学時代の話をきかせて。元気がでるから」
「落ち込みは落ち込みで気になるけど」と前置きして、キョウはこちらの期待以上の面白エピソードを披露してくれた。
にわか
「ぼくは勉強ができない」に救われたこと
ヨーグルに「出会ったころ、凛子と書店に行って『ぼくは勉強ができない』をすすめられたね。僕はそれで初めて山田詠美を読んだ」と言われたのだが……思い出せない。
確かに私は「ぼくは勉強ができない」が好きだ。
一番好きな山田詠美の小説は「風味絶佳」だけど「ぼくは勉強ができない」は「好き」というだけでなく、どん底にあった私のプライドを救ってくれた恩人のような本でもある。
主人公は、高校生の時田秀美くん。
真面目で一途で不器用なお兄ちゃん
私が付き合った男性たちには共通点がある。
まず一つが、お兄ちゃんであること。
それも弟がいるお兄ちゃんだ。
一人だけ三人兄弟の三男坊がいたけど、その人以外は全員が弟のいるお兄ちゃんだった。
もう一つが男子校に通っていたこと。
公立の共学校育ちの人もいたが、ほとんどが中高一貫の男子校に通う人だった。そのため、女性慣れしてなさそうな人が多かった。
元彼に「僕の中で女の子は小学六年のときで止まって
体じゃないのよ、顔なのよ
夫のチームに新入社員君がやってきた。
夫は「僕にこれぐらいの子供がいてもおかしくないんだね」と妙に感慨深げ。
その子は趣味がボディビルらしい。
「すごく小さな子なんだよ。凛子さんぐらいかな」
私の身長は160cm半ばだ。確かに男性にしては小さい。
「背が低いのがコンプレックスだったみたいで、大学に入ったときに体を鍛え始めたんだって」
大学時代からボディビルの大会に出場していたという彼。
お酒が飲めるようになりたい?
私は父の影響を多大に受けた人間なのだが、これだけは影響を受けたくなかったと思うことの一つに「お酒」がある。
実は、私はお酒がほぼ飲めない。
別に体質的に飲めないわけじゃない。
チューハイ(アルコール3%)なら飲める。めったに飲まないけど。
精神的に飲めないのだ。
毎晩毎晩、浴びるように吞みまくり、夜中に近所迷惑顧みず騒ぎまくり、物を壊しまくり、夜中にタクシーで帰って来てはピンポンを連打して眠
呪いの言葉と遺伝子(終)
夫は温和な人だ。
非常に論理的で、物事はじっくり考えるタイプ。慎重な性格だけど、すぐに私に結婚を申し込んできたり、家を建てたときや、娘のことや親のことなど話し合うときには「決断力のある人だな」といつも感心する。
感情的になって大きな声を出すことはない。
あまり喋らない。人の話をよく聞く。お酒はたしなむ程度。外でみんなでワイワイ呑むなら、家で本を読みながら一人で静かに呑みたい人。
まだまだあるが、
呪いの言葉と遺伝子(1)
昨夜、夫に吐き出すように心のうちを明かした。
長年、抱え込んでいた私の真っ黒な心の澱に、夫は戸惑っていたけれど夫と娘の言葉に救われたので記しておこうと思います。
誰にとっても不快な内容です。申し訳ないです。
それでも書いてあの呪いの言葉を解きたいです。
天国のお父さんへ
私が小学生のとき、お父さん、お母さんと結婚した理由として「お母さんが優秀だったから」って話してくれたよね。
国立大学出身で教
あなたみたいになりたい
前回の記事で、キョウと話していると男に生まれたかったと思うことがあると書いたけれど、もっと書けば、キョウみたいになりたいと思ったことがある。
キョウみたいに「この人、面白過ぎない?」みたいな返しができる人になりたかった。
キョウの言葉の打率に憧れた。言葉のホームラン、でもそんなところに飛んじゃうの?みたいな。だから楽しい。
その面白さは多くの人を魅了し、いつも彼の周囲は人でいっぱいだった。彼が会