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私のソウルメイトについて

先日、娘のことで大変に落ち込み、夫に相談するも今度は夫と険悪な雰囲気になるという「泣きっ面に蜂状態」になった。
全てが嫌になり寝室へ向かう。こういうときは寝るに限る。
でも眠れない。

キョウにlineした。

「落ち込んでるの。あなたの中学時代の話をきかせて。元気がでるから」

「落ち込みは落ち込みで気になるけど」と前置きして、キョウはこちらの期待以上の面白エピソードを披露してくれた。

にわかに信じがたい話に、一人で布団の中で笑い転げる。
あまりにも面白いので「これ、夫に話していい?」とお願いする。「いいよ」と言われたので、私はベッドから飛び出て夫のところへ行く。

「あなた~、きいてきいて。めちゃくちゃ面白い話をキョウからきいちゃった」

キョトンとした顔の夫。そりゃ、そうだろ。
さっきまで、どよ~んと落ち込んで機嫌を損ねて部屋から出ていった妻が、今度はゲラゲラ笑いながら戻ってきたらビックリする。

「キョウの中学時代のエピソードなんだけどね。やっぱりキョウは面白すぎるわ~」

夫は「こんな夜中にlineしたら迷惑だろ」と怒るものの、笑い続ける妻に「なになに?」と好奇心が抑えられない様子。
「ちょっと読んでみて」と私はスマホを夫に渡す。

私とキョウのlineを「え?」とか「噓だろ?」と驚愕の表情で読み進める夫。

「発想が中学生とは思えない。キョウ君、天才じゃないか?」

そして二人で爆笑。二人の間に漂っていた険悪な雰囲気は煙のように消え去った。

私たちの笑い声に引き寄せられて、娘も「どうしたの?」とやってくる。
ちなみに、キョウのことを「『ずるい』は自分が口にしてはいけない、あれは他人に言わせる言葉って教えてくれた人」と少し歪んだ認識をもっている。
今度は娘にスマホが渡る。

「ええっ!信じられへん!!」

そして三人で大爆笑。最後は家族みんなで和気あいあい。
「笑い」の効果って絶大です。

私たち家族が大爆笑になったキョウのとんでもエピソードを書きたいところなのだが、ヨーグルに話したら「いかにも天才らしい学生時代のエピソードだな。それ、書かせてもらっていい?」と言われた。
う~ん、本当は私が書きたかったんだけど。ここはヨーグルに譲ろう。

さて、家族三人でキョウの話で大盛り上がりのあと、夫がしみじみと「キョウ君は人間ができているな」と言い出した。

「こんな夜中に突然『落ち込んでるから面白い話をして』なんていう凛子さんのメッセージに、すぐに返信くれて笑わせてくれる。なかなかできることではないよ」

そうかもしれない。
キョウとの付き合いが長すぎて、落ち込んだらすぐに彼に甘えてしまうのも当たり前になっていて、ついつい忘れがちだけどキョウはとても稀有な男性なんだと思う。

「どうしたの?」とか「話してみて」とキョウは言わない。
たぶん気にはなってるんだろうけど、私が話すまで待ってくれるし、私が話し始めたらとことん付き合ってくれる。
背中を押してくれるような力強い言葉や、背中をさすってくれるような優しい言葉をくれる。
「笑わせて」と言えば笑わせ、「不安なの」と言えば安心させ、「どうしたらいい?」ときけば「僕ならこうする」と自分の考えを話してくれる。その考えが目から鱗的なものばかりだから、私はいつも彼が側にいなくてよかったな、と思う。

側にいたら「やっぱりキョウはすごい!」と飛びついて、彼をきっと困らせてしまうだろうから。

ありがとう、私のソウルメイト。
どうぞ、これからもよろしくね。