琲音(はいね)

日々の暮らしのなかで、心がぐーんと動いたことを書いています 2020年から書き始めた…

琲音(はいね)

日々の暮らしのなかで、心がぐーんと動いたことを書いています 2020年から書き始めたエッセイは、一般公募にて13回受賞 noteではパナソニック「#清潔のマイルール」にてグランプリ受賞 https://note.com/coffeemusic/n/nf9b8b168274f

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  • 『エッセイのまち』の仲間で作る共同運営マガジン

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  • 私のこと

    心の中、頭の中。ずっと考えていること、ふと思ったこと、などなど。

  • 珈琲のおとも

    「珈琲のオトも」にしたくなるような、心を動かされた素敵なnoteを集めました。何度も繰り返して読みたい、いつでも取り出して読みたい、私の大好きなベストエッセイ集です。

  • 感謝と学び

    私を取り上げてくださったnote、優しい希望を持たせてくださったnote、学びをくださったnote。そんなnoteたちを、クリエイターさんへの感謝を込めて、ずっと大切に手元に留めておきたい。

  • 家族のおはなし

    大切な子どもたちのこと、夫のこと、親のこと。

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父のまなざしと、洋食屋さんのプリンアラモード

「お父さんに愛されていると感じた思い出はありますか?」 と、先日、ある方に訊かれて少し戸惑った。 父に愛されていた、と思っている。 父は家族を何よりも大切にする人だったから。 でも、愛されていると感じた具体的なエピソードが、すぐには浮かばなかった。 昨年の3月に父は亡くなり、会えなくなってもうすぐ一年になる。 父を思い出す機会は少しずつ減ったが、それでも時々、父に話したいことがあると、空を見上げたり、スマホの中の写真を見つめたりすることもある。 スマホで撮った写真に

    • 漫画家を目指していた私の小学生時代

      学級文庫って、小学校に今でもあるのかな。 唇の両端に両手の人差し指を入れてちょっと引っ張りながら「学級文庫」って言ってみる遊び、昔は流行ったんだけど、今の子たちもやるのかな。 いきなりお行儀が悪くて、失礼しました。 そんなお茶目で昭和な話はさておき… 私は昔、自分の作品たちで冊子を作ったことがある。 と言っても、それは拙い手書きの漫画を冊子にしたものだ。 あれは私が小学6年生の頃のこと。 私と親友は漫画雑誌を作り、その冊子を学級文庫に置かせてもらった。 そんな懐か

      • おうちカフェはエンドレス

        我が家は時々、「おうちカフェ」や「おうちランチ」のお店になる。 外でランチやお茶ができればいいんだけれど、娘の介護があって私がなかなか家から出られないので、友だちが我が家に来てくれることが多いのだ。 それは最近に限ったことではなくて、これまでもずっと。 特に肢体不自由の二女に関係のある友人たちはみんな、我が家のおうちカフェに慣れていて、気楽に来てくれる。 二女にも会ってもらえるので、私はそれも嬉しく思っている。 先日も、二女繋がりのママ友が遊びに来てくれた。 彼女と会

        • 今朝、急に思い立って、文フリ大阪へ行きました お目当ての本をご本人から買えて嬉しかったです たくさんのお店をゆっくり見て回りながら、気に入った本を数冊買って、ほくほくしました! お会いできた方々、ありがとうございました 良き時間を過ごせました!

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        父のまなざしと、洋食屋さんのプリンアラモード

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        • おうちカフェはエンドレス

        • 今朝、急に思い立って、文フリ大阪へ行きました お目当ての本をご本人から買えて嬉しかったです たくさんのお店をゆっくり見て回りながら、気に入った本を数冊買って、ほくほくしました! お会いできた方々、ありがとうございました 良き時間を過ごせました!

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        記事

          初めて、化粧品売り場でメイクをしてもらった50代のわたし

          化粧品販売員さんと話すのが苦手だ。なぜなら、みなさん、きれいなお姉さんばかりだから。 彼女たちは美容部員やビューティアドバイザーと呼ばれるらしい。 バッチリメイクのお人形さんみたいな瞳で見つめられると、雑&薄化粧な自分がなんだか恥ずかしくなる。 だからいつも、なるべく話しかけられないように通路を選び、いつもの決まっている商品を持って、さっさと化粧品売り場のカウンターに持っていく。 カウンターで美容部員さんから 「肌チェックをしてみませんか?」 とか言われるのを全力

          初めて、化粧品売り場でメイクをしてもらった50代のわたし

          息子が帰ってきた日には

          春からのひとり暮らしで、息子は4キロ痩せた。 先日、我が家に帰ってきた息子を見て、細い体が一段と細くなっていて、心配になった。 「ちゃんと食べてるの?」 「あぁ。」 「でも、あんた、痩せてるやん。」 そう言うと、食べても食べても痩せていく、と彼がぷよぷよ肉の全くないお腹を見せながら困った顔をした。 自炊をして、たくさん作ってモリモリ食べているのに、と息子本人は言っている。 なんならスナック菓子も食べてるわ、と威張ってくる。 「朝ごはんは?」と聞くと、 食パンを

          息子が帰ってきた日には

          母に運転させない練習

          母がスーパーの駐車場で車のトラブルを起こした。 母は車を運転して、ひとりで来店していた。 買い物を終えて、買い物カートから車に荷物を移し替えたあと、ちょっと気を抜いた隙に、空っぽになったカートがスルスルと勝手に動き出してしまったらしい。 その駐車場は緩やかに傾斜している。 足が痛くて早く歩けない母は、動いていくカートを追いかけることができない。 「誰か、止めて!」と大声で叫んでも、まわりに誰もいなかった。 数台先の、ちょうど動き出したばかりの車にそれが衝突して、お相手の

          母に運転させない練習

          たった一度だけ、祖父に叱られた夏の日のこと

          私の両親の故郷は、瀬戸内海に浮かぶ島だ。 私が幼い頃は、夏休みになると母方の祖父母の家で過ごし、毎日のように島の海で泳いだ。 浮き輪でぷかぷか浮かんだり、幼いいとこを抱っこして波打ち際で遊んだり。 休憩には浜で砂遊びしたり、スイカを食べながらタネをプープー飛ばしたり。 真っ黒に日焼けして、肩や背中、鼻の頭の皮がピラピラむけてしまっても、平気で毎日海へ行った。 思い返せば瀬戸内海の海はバスクリンのように緑色っぽくて、いつも美しくて穏やかだった。 しかし私が一番印象に残って

          たった一度だけ、祖父に叱られた夏の日のこと

          夫の夏のチャレンジを応援したい

          「俺、西の山に沈むオレンジ色の夕陽を見て、涙が出てきたんやわ。」 帰宅した夫が、私にボソリと言った。 「詩人かい!そんな大げさな!まぁでも、よく頑張ったやん!大成長、偉かった!」 夫が病院に行く決心をした。 夫が行く先は、無呼吸外来だ。 彼はかなり前から、眠っていると、怪獣のようなイビキの途中で時々息が止まる。 夜だろうと、うたた寝だろうと、激しく息が止まる。 その度に、こちらがついつい数を数えてしまうほどに。 睡眠時無呼吸症候群、おそらく夫はそれだ。 私が病名をわ

          夫の夏のチャレンジを応援したい

          隔離生活のだらだらもりもり日記

          まさかのコロナ感染で、今週、私は1年ぶりに隔離生活を送ることになってしまった。 外出の時には必ず気をつけてマスクをしていても、うつるときはうつるから仕方ない。 コロナウィルスが黄色で、インフルエンザウィルスがピンクとかに見えていたら、速攻で逃げるのに。そんなメガネが開発されないかな、と思う。 先週末から咳が出ていた。 喉も痛いし、夏風邪かと思っていた。 風呂から出ると頭が重くなり、熱を測ったら微熱があった。 念のため、すぐに私は自分を家族から隔離したほうがいいと思った。

          隔離生活のだらだらもりもり日記

          パパ友な歯医者さんたちの、優しいバトンパス

          「かぜさんが でますよー」 「みずさんが いきますよー」 この穏やかな言葉に、私は何度もほっこりしてきた。 娘が小さな頃からお世話になっている歯医者さんは、娘が20歳を過ぎても、いつも保育士さんのように娘に話しかけてくれていた。 お顔は、若き日の大江千里さんそっくり。 娘は難病で、現在では人工呼吸器を使って寝たきりの生活をしているが、小さな頃は医療的ケアは必要なくて、ご飯も食べられていた。 彼女が就学前に通っていた療育施設の園医が千里先生のお父さまで、障がいのあるお

          パパ友な歯医者さんたちの、優しいバトンパス

          父への詫び状「洗濯機で洗ってしまってごめんなさい」

          こんなにも、自分の行いを恥じたことはない。 まさに、忸怩たる思い。 約1年半前のあの日、どうか夢でありますように、とどれほど願ったことだろうか。 シンクに置き去りだった朝食の食器を洗いながら、慌ただしかったこの数日や、さっきまでの黒い儀式を、私はぼんやりと目の奥の方で思い返していた。 最後に見た父の姿がどうしても頭から離れず、蛇口を強くひねる。 冷たい3月の水が手に刺さるが、これが生きているってことのように感じた。ふいに、何かとても大事なことを忘れているような気がして、頭の

          父への詫び状「洗濯機で洗ってしまってごめんなさい」

          「大谷さんのスーツの裏地、デコポンがいっぱいだね」と母が言う ちがうよ、それ、デコピンだよ おもしろすぎて、お茶を吹き出した こんな天然な母に、父がクスクス笑っていたのを思い出して、迷いが吹き飛んだ やっぱり創作大賞に下書きの記事を出そうかな 父なら笑って許してくれる気がする

          「大谷さんのスーツの裏地、デコポンがいっぱいだね」と母が言う ちがうよ、それ、デコピンだよ おもしろすぎて、お茶を吹き出した こんな天然な母に、父がクスクス笑っていたのを思い出して、迷いが吹き飛んだ やっぱり創作大賞に下書きの記事を出そうかな 父なら笑って許してくれる気がする

          空は繋がっているから

          小さな頃からわりと、自分の性格をめんどくさいと感じてきた。 考え過ぎる。 過ぎたことを悔やみ、深読みし過ぎて勝手にいろいろ思ってしまう。 私が言ったことに、相手はどう感じたかな。 私が何かをやってしまったのかな。 私がもっと、何かできたかもしれないのに。 50歳を越えてもなお、そんなところで頭を悩ませ、内省を繰り返してしまう。 おそらく私ひとりが与える影響はごくごく小さくて、息子に言わせれば「母さんにそんな影響力はないって!相手はなんとも思ってないって!いろいろ

          空は繋がっているから

          十人十色が良き時代

          長女から毎日送られてくる孫の写真を見ながら、夕飯を食べる夫。 「あらっ、私も今、同じ写真見てるー!可愛いよね、このぼたもちみたいなほっぺ。」と、自分のスマホ画面を夫に見せる私。 「あかん、可愛すぎてオレ、射抜かれたわ。」と胸を押さえる夫。 それぞれがそれぞれのスマホをお茶碗の横に置き、時々、写真の孫に話しかけたりしながら、毎晩、私たちおじいちゃんおばあちゃんは夕飯をご機嫌に食べている。 怖いな、とそれを聞いた長女がニカっと笑った。 長女のこの顔を見るのも、私は嬉しい。

          十人十色が良き時代

          土曜日の朝、開店したばかりのお店でモーニングコーヒーを

          彼女に会うときはいつも、土曜日の朝8時、開店したばかりのスターバックスで。 朝早くに会えば、さよならしてからの時間もお互い有効に使えるので、早朝に会うことを2人とも気に入っている。 彼女は二女が通っていた療育施設の先生だったが、家族ぐるみで仲良しになり、今では時々会ってお互いの近況を話す親友のような存在になった。 彼女は私より5歳年上で、ちょっとずつ子どもや孫の年齢も我が家より上だ。 だから、母親としても、おばあちゃんとしても、私の先輩でもある。 聞き上手な彼女と話し

          土曜日の朝、開店したばかりのお店でモーニングコーヒーを