高宮フミ
個人的に気になったnoteの記録集。
過去にかいたnotoは海の底へ。
過去に書いた記事はお蔵入り。
朝からの外回りでバタバタと忙しくしている中、気が付くとお昼時間を迎えていた。 お店で食べる時間もないので、コンビニでパンと飲み物を買い、近くの公園で軽く済ませることにした。 初めて訪れたその公園は、広い芝生エリアがありながらも、芝は短く刈り込まれ、しっかりと手入れが行き届いていた。 遊歩道に設置されたベンチに座ると、鳩が1羽、2羽とお尻を振りながら近づいてきた。 すぐに近づいてくるのは、人に慣れた鳩だ。 きっと餌付けする人がいて、餌を貰うために私に寄ってきたのだろう。 そ
私は妻を「お母さん」と呼び、妻は私を「お父さん」と呼ぶ。 幼い息子達も私達夫婦をそれぞれ「お父さん」「お母さん」と呼ぶ。 だが保育園の子供達の間では「パパ」「ママ」呼びが多数派のようだ。 以前は保育士の先生達も「お父さん」「お母さん」を使っていたが、徐々に「パパ」「ママ」に移行してきた。 最近はいとこ達も「パパ」「ママ」を使い始め、身近なところでも「お父さん」「お母さん」が少数派になっている。 そして、その動きに流されるように息子達も、「パパ」「ママ」を少しづつ使う
新年の朝を迎えた。 息子たちは、年末に手に入れたおもちゃで遊ぶためにとても早起きだ。 妻は年末に酒を浴びるように飲み、全く起きる気配がない。 私が朝食を作り始めると、息子はおもちゃを持って寝室に入っていった。 * * * 「うわあぁぁぁ!!」 寝室から妻の叫び声が聞こえた。 「コウキ!!!!!」 続けて、妻が息子を怒鳴りつける声が聞こえた。 過去に、息子は寝ている妻を起こそうとして、飛び乗ったことがある。 今日も息子が妻に飛び乗って、怒られたのかもしれない。 いつ
長男が産まれてから4年が経った。 この4年という月日は、オムツとおしりについた「うんこ」を毎日処理する日々でもあった。 そんな長男も今では、大人と同じようにトイレで用を足すことができるようになった。 長男の成長とともに、うんこ処理という重労働からようやく開放された。 だが、まだ1つ問題が残っている。 それは、長男はまだおしりを自分で拭くことが出来ないのだ。 長男がうんこをする時は、我々夫婦のいずれかがトイレ横で待機せねばならない。 * * * あれは寝かしつけをして
毎朝、「おかあさんといっしょ」を幼い息子と見ている。 9月の歌は「にんじんエンジンロケット」 内容は、月に行きたいと願ったうさぎが、にんじんのロケットにまたがって、月に行くという話だ。 4歳の息子はその歌が流れると、テレビに釘付けになって見ている。 息子はこの歌が好きなようだ。 *** 朝ごはんを食べていると、テレビから「にんじんエンジンロケット」の歌が流れてきた。 それを見て、息子は私に1つの質問をした。 「お父さん、にんじんエンジンロケットってありえないよね?
社会人になって初めての夏に、同僚の男4人で海に遊びにきた。 全員彼女はおらず、女っ気もない。 海に行けば、水着の可愛い女性と知り合える。 そんな淡い期待を持っていた。 水着に着替えてビーチに立つと、自分達の肌の白さが際立つ。 この場所には、黒い褐色の肌こそ相応しい。 だが、全員が痩せ細った体のため、例え日焼けサロンで焼いたとしても、カッコ良くは見えなかっただろう。 私達が訪れたビーチには、たくさんの女の子が遊んでいた。 だけど、シャイな私たちは声をかけることが出来なかっ
転職して半年が過ぎた。 入社した当初はとにかく仕事がわからず、目の前の仕事をこなすのに必死だった。 入社して一ヶ月も経つと、朝も夜も職場に居続ける私は、「職場の住人」と呼ばれるほど新しい職場に馴染んだ。 そんな私も数ヶ月も経つと仕事にも慣れ、ようやく定時で帰れるようになった。 だが、平穏な暮らしは長くは続かない。 きっかけは役所からの一通のメールだった。 「先日、提出していただいた報告書について、追加資料の提出をお願いします」 役所担当のメールには、追加する資料一覧が書
息子達に、いとこからお手紙が届いた。 ****** たんじょうかいのおしらせ みなさんおげんきですか。 このたび、わたくしごとではありますが、いっさいのたんじょうびをむかえることになりました。 いつもおせわになっているみなさまに、かんしゃのきもちをおつたえしたく、ぱーてぃーをかいさいします。 ごつごうがよろしければ、ぜひいらしてください。 せいじ より ****** 誕生日会の当日、家族で地元で人気のケーキ屋さんを訪れた。 ショーウィンドウの中には、美味しそうなケ
病弱な我が家は、毎週のように誰かが病に倒れている。 一ヶ月前には長男が病に倒れた。 二週間前には次男が病に倒れた。 先週は妻が病に倒れた。 家族の誰かが病に倒れる度に、私は彼らの回復を願った。 「どうか、代わりに私を病気にしてください」 願いが叶い、ついに私も病に倒れた。 高熱が出て身体の自由がきかず、頭も冴えない。 そんな時は大抵、考え方がネガティブになる。 独身の頃も、よく病に倒れていた。 朦朧とする意識の中で、いつも死を覚悟していた。 「短い人生だった……」 あ
朝礼で課長は言った。 「この中でSDGsがわかるものはいるか?」 静まりかえった職場。 少し間をおいて1人の女性が手を上げた。 「小池さん、説明お願い出来るかな?」 「はい、SDGsとは持続可能な開発目標のことで、✕✕が○○で、△△を✕✕とした○○であります」 「うん、さすが小池くんだ」 誰かが拍手をし、それが全体に広がった。 正直、小池の言っていることが何一つわからなかったが、とりあえず拍手をした。 「先日の幹部会議において、SDGs推進チームを作ることが決ま
告白には勇気がいる。 「僕と付き合ってください」 その言葉は、天国に昇らせることもあれば地獄に突き落とすこともある。 結果次第で効果が変わる、魔法の言葉だ。 「僕と付き合ってください」 はじめてのデート。 僕は勇気を振り絞って、彼女に告白した。 すると、彼女は「考えさせて」と答えた。 その晩、僕は眠れなかった。 彼女がOKする妄想と、彼女に振られる妄想を交互に繰り返した。 告白してからも、彼女に何気ないラインを送ると今まで通り返してくれた。 告白の返事がないという
俺はヘルプで呼ばれただけなんだ。 酒の場で食べ物を注文し、グラスが空いたらすかさず注ぐ。 それが俺の役目のはずだった。 だが、目の前いる酔っ払いが俺に絡んでくる。 面倒なのは、こいつが取引先の社長ということだ。 「お前、俺の名前を言ってみろ!」 目の前の泥酔した男は、血走った目で私を見ている。 確か、名字が「新里」というのは覚えている。 だが、下の名前が出てこない。 仕方がない、わかる範囲で答えてみよう。 「新里社長です」 「下の名前は?」 酔っ払っている割には、
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