Megumi Sekine 関根 愛

文章と映像。会津生まれ、伊豆半島育ち。住まいは鎌倉。『やさしいせかい』、新刊『ひとりで…

Megumi Sekine 関根 愛

文章と映像。会津生まれ、伊豆半島育ち。住まいは鎌倉。『やさしいせかい』、新刊『ひとりでいく』などが書店、オンラインストアにて発売中です。ここでは、ほそぼそと日記を書きます。 https://instabio.cc/megumi__sekine

マガジン

  • 日記〈2024〉

    鎌倉暮らし日記、2024年版です。数日分をまとめて公開するため、更新頻度は月に4回程度です。

  • 旅日記

    旅先でのスプーン人匙ほどのお話。 Cover Photo : Yu Iwasaki / Berlin, Germany

  • エッセイ集『二十一日の夜明け前に』

    どうしてこの星にやって来たのか思い出せなくなってしまったときに。 Cover illustration : Satsuki Mishima

ストア

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    新版『やさしいせかい』

    愛がひっくり返ったまま生きて死ぬ生き方と ひっくり返らないようふところに温めて ふるえながら生きていこうとするのと 私には、どちらかえらべるだろうか やさしさとはなんだろう。ほんとうにやさしいとは、どういうことだろう。やさしかったせかいの記憶と、やさしくできなかったせかいがほんとうはどんなせかいでありたかったのかの告白をのこしておくために書き下ろした31の掌篇が、新版となって刊行。 _________________ 『やさしいせかい』 著   者 関根 愛 表紙/挿絵 mochida ancoro ブックデザイン Cat 佐藤 翔子 印刷/製本 株式会社イニュニック  2024年7月17日 新版 第一刷 全107ページ(モノクロ/一部カラー) _________________
    1,300円
    せきねめぐみの本屋さん
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    新刊『ひとりでいく』

    【2024年7月増版、再販売いたします】 今ここにあるものと、もうここにはないものが、互いの場所から、互いを思い、支えあって生きる。 ひとりでいるときほど、ひとりじゃないと感じる。 南伊豆、尾道、奄美大島、京都、大阪、神戸、博多、うきは、久留米ーーー。 パンデミックが明けはじめたころから、さまざまな土地を歩き、日記を綴った。 巡る心をすみかとして、すべてはかたちを変えてつづいていくと、知った。 ____________________ 『ひとりでいく』(旅行記) 著   者 関根 愛 装画/挿絵 東 ひかり ブックデザイン Cat 佐藤 翔子 印刷/製本 株式会社イニュニック 2024年5月5日 初版 第一刷 全196ページ ____________________ ※発送は7/25〜となります。
    1,400円
    せきねめぐみの本屋さん

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    新版『やさしいせかい』

    愛がひっくり返ったまま生きて死ぬ生き方と ひっくり返らないようふところに温めて ふるえながら生きていこうとするのと 私には、どちらかえらべるだろうか やさしさとはなんだろう。ほんとうにやさしいとは、どういうことだろう。やさしかったせかいの記憶と、やさしくできなかったせかいがほんとうはどんなせかいでありたかったのかの告白をのこしておくために書き下ろした31の掌篇が、新版となって刊行。 _________________ 『やさしいせかい』 著   者 関根 愛 表紙/挿絵 mochida ancoro ブックデザイン Cat 佐藤 翔子 印刷/製本 株式会社イニュニック  2024年7月17日 新版 第一刷 全107ページ(モノクロ/一部カラー) _________________
    1,300円
    せきねめぐみの本屋さん
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    新刊『ひとりでいく』

    【2024年7月増版、再販売いたします】 今ここにあるものと、もうここにはないものが、互いの場所から、互いを思い、支えあって生きる。 ひとりでいるときほど、ひとりじゃないと感じる。 南伊豆、尾道、奄美大島、京都、大阪、神戸、博多、うきは、久留米ーーー。 パンデミックが明けはじめたころから、さまざまな土地を歩き、日記を綴った。 巡る心をすみかとして、すべてはかたちを変えてつづいていくと、知った。 ____________________ 『ひとりでいく』(旅行記) 著   者 関根 愛 装画/挿絵 東 ひかり ブックデザイン Cat 佐藤 翔子 印刷/製本 株式会社イニュニック 2024年5月5日 初版 第一刷 全196ページ ____________________ ※発送は7/25〜となります。
    1,400円
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    『やさしいせかい』(初版)

    やさしさ、とはなんだろう。 ほんとうにやさしいとは、どういうことだろう。 やさしかったせかいの記憶と、やさしくできなかったせかいが ほんとうはどんなせかいでありたかったのかの告白をのこしておくために書き下ろした31の掌篇。 _________________ 『やさしいせかい』 著   者 関根 愛 表紙/挿絵 mochida ancoro 印刷/製本 松井印刷  2023年11月11日 初版 第一刷 全68ページ(モノクロ/一部カラー) _________________ ※発送は2/25以降となります。ご了承ください。
    1,000円
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  • 【鎌倉暮らし季節の4日間ごはん】素朴な家庭料理で…

最近の記事

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はじめまして、関根愛です。

はじめまして。関根愛といいます。名前の「愛」は「めぐみ」と読みます。 2021年、十数年暮らした東京から鎌倉の海や山が近いエリアに住まいを移しました。「綴る・撮る」をふたつの軸に仕事をし、暮らしています。 好きなことは散歩、お灸、食べものにまつわること、ハングルの勉強です。 執筆活動エッセイや日記を刊行しています。webショップの他、全国の独立系書店さんで販売しています。 ・『やさしいせかい』(エッセイ) やさしさ、とはなんだろう。 ほんとうにやさしいとは、どういうこ

    • 秋どこかな

      2024.9.6(金) Yがノルウェーなので、ひとり気まま、ほがらかに過ぎる十日間。お腹の空いたときに、台所に立ち料理をし、ひとりたべる、寂しさと爽快さ。よるの22時まで海岸で潮風にあたっていても、家にだれもいないと思うだけでこの、のびのびしたきもち。べつに、Yがいてもいなくても関係なくて、なにをしたってどこにいたっていいのに、なんだろうこのひとりだと身軽で、そうじゃないと片足に透明なくさりがついているように、おのずと感じてしまうことは。 生涯学習センターで会議室を申し込

      • すべて愛にまつわる

        2024.8.26(月) 朝、海へいった。ウエットスーツでなく、白いTシャツに、赤い短パンをはいた初老の男性が漕ぎだしていった。ボードの上で土下座の体勢になり、背をまるめ、手だけを前後にうごかしてゆっくり、ゆっくり水を掻いた。すぐ沖は凪なのに、波打ち際だけはげしい。立っていると、枝や石が足にあたって、けっこう力がある。パンツの中まで砂まみれになった。 昨日、海と本で『優しい女』という本を買った。お風呂で、ねる前の布団で、一気に読んだ。私が書こうとして書くのをやめた言葉が、

        • 町中華行ったり、書きたい気持ち

          2024.8.21(水) 荷物をだす。歯医者で、とれたセメントをつけなおしてもらう。Yの両親の絵を描いて、贈り物といっしょにラッピングをする。 昼、もずくと細ぎり大根と生姜の味噌汁。塩れもんをチャーハンにつかったら、もわ、といい匂い。口から鼻さきへ、行ったことのない国に吹く、肌にまとわる風みたい。仙台の茄子は、みょうばんを使ったみたいにつやのある紫いろで、焼いてしまうのがもったいない。たせこさんがオレンジ色のネットいっぱいにくれた玉ねぎのなかに、赤玉ねぎのちいさいのがひと

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        はじめまして、関根愛です。

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        • 日記〈2024〉
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        • 旅日記
          31本
        • エッセイ集『二十一日の夜明け前に』
          42本
        • 創作活動の記録
          23本
        • 鎌倉暮らし日記〈2022〜2023〉
          49本
        • 『鎌倉の小さな台所から』のこぼれ話
          4本

        記事

          花があって人がいる

          2024.8.14(水) 昼にもち米をたべていたら、銀歯がとれた。昨日メルカリで『ひとりでいく』が売られていた。 2024.8.15(木) 鎌倉、三十七度。体感はもっと。バテ気味で力が入らない。四時間ぶんのインタビュー音声を聴きながら構成を考える。 八重子さんとまさるさんの話。いずれ、食糧危機がくる。小麦やとうもろこし、豆など外国産のたべものは入ってこない。輸入に頼っている日本の土地だけでは、3,000万人くらいぶんの食料しかまかなえない。今のうちに、じぶんでじぶんの

          花があって人がいる

          旅は、旅のあとがほんとうの意味でいい

          2024.8.10(土) また佐渡にいる。昨日、新潟駅のそばに泊まった。エントランスで、むかしの聖火ランナーみたいな火を焚いて置いてある、ぎょうぎょうしいビジネスホテル。 十割蕎麦をたべた店で、神奈川西部の地震があった。ちょうど入ってきた男性がニュースを見て、そちらは鎌倉ですか、ぼくは保土ヶ谷なんですよ、と話した。通りでは、新潟まつりというのがひらかれている。屋台でローズマリーポテトをつまんだ。 五時に起き、六時発の便で両津に向かう。佐渡島カレーというのをたべた。大佐渡

          旅は、旅のあとがほんとうの意味でいい

          もうひとねばりの、夏休み|いすみ日記

          2024.8.6(火) 朝いち、ヤギのところへ。 名まえはパクとチー。こわがって、中々近づいてくれない。 干し草をたっぷり置き、水を換える。 にわとり小屋の水も換える。 青梅の祖父母がにわとりを買っていて、そばを通ると大きな声でクルックルいうので、こわくてあんまり近づかなかった。深い青の柵のなかにいた気がする。何羽いたろう。香ばしいような匂いはおぼえている。 ハーブガーデンにも、水やり。へび使いみたいに長い長いホースで水しぶきを作って、乾き切った草木に水を散らしていく。あ

          もうひとねばりの、夏休み|いすみ日記

          うまれた街へいく|会津日記

          2024.8.4(日) 佐渡の虫崎、八重子さんの家で目ざめる。 起きたてでふらふらしながら、目の前の海へ足だけ入る。黒い魚たちが朝日ときらきら泳いでいる。 テラスで朝ごはんをいただいた。八重子さん、朝から手拭いあたまに巻いて、用意してくれた。 トマト、きゅうり、焼き魚、味噌汁、やわらかく炊いたごはん。 まさるさんといっしょに、八重子さん、ずっと手をふって見送ってくれた。するどい目なのに、どうしようもなくやわらかい人。善人とか聖母とかにむすびつけられるようなのでない、無私の人

          うまれた街へいく|会津日記

          八重子おばあちゃんとの一日|佐渡日記6

          2024.8.3(土) 「五時に虫崎で」 ねむい目をこすり、待ちあわせの船着場へ。海は凪。 朝日が、満天の星みたいに降りそそいでいる。八重子さんはテラスにたたずんでいた。 漁師のたけちゃんが紹介してくれた。今日は八重子さんを撮る。 レースの白いブラウスに、もんぺみたいなずぼん。 毎朝ここで、コーヒーを飲んで一服してから、畑へいくんだ、と八重子さんが言った。畑のかっこうに着替えてきた八重子さんの、ほっかむりのてっぺんに大きなとんぼの人形がくくりつけてある。 銀色の、つやのあ

          八重子おばあちゃんとの一日|佐渡日記6

          魚と泳ぐ|佐渡日記5

          2024.8.2(金) 佐渡の蚊は、あんまりぷうんといわない。 いうけれども、音がなんだかおおらかで、執拗でない。 かと思って、放っておいたら、太ももとお尻をぷっくり五つ噛まれ、目がさめた。 宿の部屋のカレンダーが、七月のままなのを、めくっていいかなあと考える。古い月のを破るタイプだから、ためらう。 朝のおむすびをふたつ、今日も頬張る。こんぶとちりめん。漬物に、なすと大根。 また、蚊がぷうんといった。叩いてみると、からだも大きくて、たっぷり血を吸っていた。 昼を抜いて、残

          魚と泳ぐ|佐渡日記5

          人間は可愛い|佐渡日記4

          2024.8.1(木) 六時に起きる。 おむすびをふたつ、今日はきゅうりの漬物と、きのうとおなじ魚つき。具は高菜と焼き魚。直売所のプラムをひとつ齧る。 洗濯機いっぱいに、洗いもの。 色かたちばらばらの、ありあわせのハンガーと洗濯ばさみ、タオル干しに、工夫してならべていく。 洗濯でも料理でも、限られたもので、何かしたり、どうにかする。家でする洗濯も料理も、割合たのしいが、こういうときはもっとたのしい。あれこれあるより、ないほうがいい。 熱いどくだみ茶を入れて、しらべもの。今

          人間は可愛い|佐渡日記4

          こがねの脈をゆき|佐渡日記3

          2024.7.31(水) 三時半に目がさめる。 ひじの辺りがぷっくり腫れる。かゆさと、暑さからの寝ぐるしさで、空が白けるまで起きている。 二度寝をしたら八時。月の日がきて、あざやかな血がでた。ふとほかの国では、生理の婉曲表現にどんなものがあるのかしらべてみる。 フランスではケチャップ週間とか、いちごの季節。中国ではおばさんとか旧友とか、りんごパン。韓国では婉曲をやめようというので、生理は生理です、という記事。 集落のまわりを散歩。 田んぼがつづく丘から、海がひろく見える

          こがねの脈をゆき|佐渡日記3

          島のひるね|佐渡日記2

          2024.7.30(火) 六時半に目が覚めて、もういちど寝る。 ストレッチをして、きのうの惣菜、野菜ピクルス、もずく酢、大根煮をあける。 ミニトマトはそのまま、きゅうりは三年味噌につけてかじる。よく耕された土のような、つやのある、ふかふかの黒い味噌。 ピクルスはカリフラワー、玉ねぎ、キャベツ、らっきょう。みんな夏の夕暮れみたいにピンクに染まっている。 Yが撮影にでかけたあと、向かいの駐車場に、にぎやかな音楽を鳴らして移動販売がくる。 おじいちゃんおばあちゃん、元気のみなも

          島のひるね|佐渡日記2

          どれくらいちがうだろう

          2024.7.25(木) あせもがでるので、今日、服をきるのをやめた。お腹は冷えるから、パンツと短パンは履く。上だけ、すっぽんぽん。胸のあいだと下のくぼみに、汗がたまって、ずっと赤いまま。電気が走ったみたいに、ヒリヒリかゆい。

          どれくらいちがうだろう

          一日かけていく|佐渡日記1

          2024.7.29(月) 九時、鎌倉をでる。 高尾、青梅を過ぎ、埼玉から高崎で高速を降り、REBEL BOOKSヘ。アンソロジー『手塚治虫の海』を買う。 昼過ぎ、四十二度ある。 近くのベトナム料理へ入る。店のお母さんが、座って昼をたべていた。 ふたりともフォーに、くらげのサラダを追加。お手玉くらいのえびせんに、くらげや胡瓜が甘めに味つけられた具をのせて、ばりばりたべる。 黒い服の店のおねえさんは、目が弓になるくらいずっと、ほほえんでいる。真顔のあの人と街ですれちがっても、き

          一日かけていく|佐渡日記1

          うそみたい

          2024.7.19(金) 庭に、黒茶のおおきな蝶。羽に、白いもようがまだらに浮かぶ。山梨のプラムは、ちいさなりんごくらいある。あまいのと、酸っぱいのがちょうどいい具合。宝石みたいに光る。昼、しらたきを麺がわりに焼きうどん風。味噌汁は、生姜とすりごま入りで作るといちばんおいしい。 日照りがはげしく、眠たい。ひと月ほど前からはじめたれもん水。きょうは、温かいターメリック茶にれもんを入れる。夕方、水道屋さんがお風呂の蛇口の水漏れのチェックにくる。これは、修理でなく交換ですね。年