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終わりゆく資本主義・ポスト資本主義を考えるマガジン

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#お金

「平凡」「退屈」を仕事とお金で解決する消費社会

少し前に、「恥」について研究している女性が書いた『本当の勇気は「弱さ」を認めること』(ブレネー・ブラウン著、門脇陽子訳)という本を読んでいたんですが、その本に書いてあったことで印象に残ったことがありました。「平凡であること」への不安が恥の感覚につながっているということです。「平凡な人生には意味がない」というメッセージが氾濫しているという考察もありました。私も同じようなことを考えていましたし、その感

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どんな仕事を「公」が担うべき?

前回のどんな人が高い給料をもらうべき?という記事に続き、「どんな~べき?」シリーズ第2弾。今回は「公」が行うべき仕事とはどんなものかについて少し考えてみたいと思います。人口減少やAI等の発達に伴い、人間と労働について、また「働いて賃金を得て生きる」という生き方そのものを見直す時期に来ているように思いますが、それでも人間がやらなければならない仕事というのは必ず残ります。また、その性質から言って、利益

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どんな人が高い給料をもらうべき?

漠然とした大きな問いをタイトルにしてみました。組織で働いていると、「なぜこんな人が私より給料もらってるんだろう?」と思うことも結構あると思います。組織の内部でも、業界別、職業別でも思うことがあるのではないでしょうか。これは一人一人価値観が違うのかな、と思う部分でもありますので明確な答えは出ないでしょうが、今の社会全体の給与体系を比較してみても、何か納得のいかない理不尽さを感じる人が多いのではないか

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「いくらでも豊かになって良い」は貧困がなくなってから

グローバリズム、資本主義を象徴するような言葉「いくらでも豊かになって良い」。昨今ではスピ系の本やサイトなどでも見られることがあります。聞いていて心地が良くなる言葉で、欲望を無限にかきたてられるような、そしてそれを肯定してもらえるような感覚になり、この言葉に触発される人もいるのかもしれないなぁと感じます。「豊かさ」にもいろいろありますが、この場合は金銭面での意味合いが強いのではないでしょうか。「いく

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外側の理不尽から、内側を見つめて

ここのところ、政治やスポーツ界、企業の不祥事や不正ネタに事欠かなかったので、noteでもたびたび取り上げてきました。真っ当な感覚をお持ちの大多数の方は「おかしい。嘘ばっかり。もう辞めてくれ。」というような気持ちでニュースや報道をご覧になっていたのではないかと思います。例に漏れず私も同様で、いい加減利己的で強欲な性根腐った嘘つき野郎は組織のトップから退陣してくれよ…と思いながら見ていました。学校から

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「母性喪失社会」と保健室の役割

前々から書きたいと思っていた内容をまとめてみたいと思います。ちょうど1か月くらい前に、『ルポ 保健室 子どもの貧困・虐待・性のリアル』(秋山千佳著)という本を読んでいました。記者の方が学校の保健室のリアルな現状を取材してまとめた本で、読みやすいけれども中身は非常に重く、看過できない内容だったのでご紹介したいと思います。保健室にやってくる子どもたち(中高生)の置かれた状況や、学校における養護教諭の役

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就活や婚活も、「偏差値」至上主義?

先日、例によって心の友と話していて気づいたことがあったので書いてみたいと思います。最近は大学に通う意味や奨学金について考える記事を書いていて(大学に通う意味と金銭的負担のしわ寄せ、奨学金が「就職するための借金」になっているの記事参照)、結局大学に行くのが「当たり前」で、そうしないと就職できなくなっているから行くだけという人が大半なのではないかと考察していました。そして、そのことが教育費の増大、少子

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格差社会と賃料高すぎ問題

先日、いつもnoteに登場する心の友と会ってたくさんの話をしたので、そこで得た気づきなどをまとめてみようと思います。色々な話が出た中で一番印象的だったのが、これからの人生を考えた時に「どこに住むのが良いのか」というテーマでした。私も心の友も地元が同じで、基本的に首都圏近郊を出たことがありません。地方出身の人は、高校卒業くらいの時期に、大学は東京に行くのかとか地方都市くらいのところに出るのかとか、就

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「自己責任」を正しく理解すること

前回、「弱肉強食社会」を支持する愚か者という記事に、「弱者は自己責任」という論理はおかしいのではないかということを書きました。強欲支配層がトップに立っているせいで、社会のしくみ・システムが狂っているから(経済的)弱者が生まれるのであって、それを「自己責任」と言って切り捨てるのはおかしいだろうと誰もが思うのではないでしょうか。問題の本質に目を向けさせず、弱者への差別意識を募らせるような世論に誘導して

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「弱肉強食社会」を支持する愚か者

前回のスカイプ対談&分離感と社会の諸問題という記事に、あらゆる社会問題の根底には根深い「分離感」の意識があるという話を書きました。現代の資本主義社会は完全な「弱肉強食社会」となっており、「自分さえよければいい」、「とにかく他社(他者)との競争に勝つ!」という思想のもとに構築されている社会です。小さいころから他人と比較され、競争や勝つことを推奨されて育ちます。「弱者は自己責任」という論理が平然とまか

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「人はモノではない」ことがわかる内部告発

ここ数日は「嘘・不正・偽装」と「良心・倫理・正義」などについて書いてきました。昔から正義感が強いところがあった私にとって、このテーマはかなり重要なもので、この腐りきった世の中に常に疑問を抱き続けています。多くの人は嘘・不正・偽装は悪で、あってはならないことだとわかっているのにもかかわらず、自分の生活のために勤めている会社・組織の論理(その他個人でもお金や利益のため)で「みんながやってる」ということ

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「正規・非正規」の枠を超えた働き方

人が働く上で不満に感じることが多いことの一つとして、自分の仕事と給料が見合っていないことであったり、仕事ができない(しない)人が出世して高い給料をもらっていることだったり、いい仕事をしても給料に反映されないことなど、仕事に対する見返りへの「納得いかない感」というものがあると思います。私は公務員として働いていた時にまさにその感覚を味わっていたし、やっても報われない感がものすごくありました。結果、心身

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進んで身銭を切れる人はカッコイイ

先週のスカイプ対談でも少し話題に上がったことの一つに、グローバル化と経済格差、フェアトレード問題などがありました。世界の貧困や奴隷労働、食糧難など、目を背けたくなるようなことが世界中では起こっていて、私たち先進国の豊かな生活は大多数の貧困層の人々によって支えられているという事実があります。私たちが豊かに暮らしているということは、それだけで多くの犠牲を伴うものであり、私たちが支配層に感じる感情を発展

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給与体系をとにかく見直すのが先決

昨日のないのは労働意欲ではなくホワイトな職場という記事の続きのような内容になります。世の中にまともな職場がない、愚痴を言うのは簡単だけど、ならばどのようなしくみなら働きやすいだろう?、「分かち合い」が実現された社会においてはどのような働き方をするだろう?ということを考えていきたいというようなことを書きました。そうは言っても、今のシステムを抜本的にいきなり変えていくというのはなかなか難しいように思い

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